合成師

盾乃あに

文字の大きさ
4 / 79

『tortie』

しおりを挟む

 ワンルームのアパートに帰ると鉄臭いが、合成した武器を並べている。
 並べる為に武器立てを買ったのだ。

「あはは、ようやくミスリルに合成できるな!」
 1本のミスリル武器に変える為に16本の錆びた製品が必要だ。鉄製品に変わればそれだけ合成回数は減るが効果も減る。
 
 錆びた製品から『合成』したミスリルの片手剣、ダガー、片手斧が出来たので、ミスリルの片手剣を、今使っているミスリルの片手剣に『合成』してみようとするができない。
 レベルが低いからか『合成』はこれ以上無理、と言うことで全て売ることにする。

「ミスリルだから高く売れる!これで俺も小金持ちだな」

 片手にビールを持ちながらスマホを操作してミスリルソードの値段を見ると1500万円もしているので、まぁ、手数料を取られても1400万は確実だろうな!
 しかもそれが効果付きで3本もあるのだから、笑うしか無いだろ。

「あはは、これは引っ越し……いや、まずは車だな」
 これで何回も往復して武器を集められるからな。
「さて、どこに売りに行こうかな?」
 ギルドはダメだな。どうせ安物しか置いてない。
 近場の高級ブランド店に売るのも後々めんど臭いので、ダチの勤めている店に売りに行こうと思う。

 次の日に新宿まで出ると、やはり人は多いし俺みたいなデカいバッグパックを背負っているのは外国人くらいか。
 ようやく店に到着する。
 店の名前は『tortie』トーティと読むらしい。
「いらっしゃいませ」
「ツネ、じゃなくて榊原さんは?」
「はい、今お呼びいたします」
 とお姉さんが呼びに行く。
 その間に店の中を見るとミスリルの片手剣でやはり1600万もするのだからすごいな。
 客は4人組が1組だけいて、接客に1人ついている。

 “カツカツ”と音を立てて歩いてくるのは榊原恒吉サカキバラツネヨシだ。体格は普通で髪も整えてスーツを着たツネは久しぶりに会うが変わってないな。
「いらっしゃいませ、と、久しぶりだな、ルカ」
「ツネも元気そうだな」
「あぁ、あっちで話そうか」
「おぅ」
 と商談スペースで対面のソファーに座る。
「で?何の用だ?」
「武器を売りに来た」
「へ?お前が?……うちは高級ブランドだぞ?」
「だからだよ、俺も探索者になったからな」
「は?お前覚醒したのか!」
 とビックリするツネを笑いながら、
「ハハッ、ビックリしただろ?もっとビックリするぞ?」
「ま、まさかな」
「これを売りに来た」
 と武器を取り出すと、慌てて傷が付かないように高級そうな布を広げる、その上に置いて行くのはミスリルの片手剣、ダガー、片手斧だ。

「これ、全部ミスリルじゃねーか!……しかも付与がされてるな?」
「わかるのか?」
「一応、ここの副店長だからな」
 と言ってモノクルを取り出すツネ。
「これは『鑑定のモノクル』で、これで『鑑定』するぞ?」
「どうぞ」
 と俺はソファーに深く座る。
「な、なんだこれ!ミスリルの片手剣に力+15、素早さ+15、防御+3、知力+6、幸運+6も付与されてる?!」
 と大声で言うと、静かな店なので声が響く。
「おい、大声出すなよ」
「し、失礼しました!」
「ダガーも、片手斧も?」
 モノクル片手に片目を瞑り『鑑定』して行く。
「う、売るのか?これを?」
「あぁ、いくらになる?」
「悪い、俺じゃ決められないから店長を呼んでくる」
「あいよ」
 と、俺はそのまま待つことにして、ツネが歩いて店長を呼びに行く。

 少し待つと大声が響いたせいか、店長が出てきたらしく、すぐに店長が俺の前に現れ、
「先ほどはすいませんでした。私はここのショップマネージャーの窪田敏夫クボタトシオと言います」
 名刺を差し出してくるので受け取り、
「榊原の友人の里見瑠夏サトミルカと申します。名刺はありません」
「はい、よろしくお願いします。なんでもミスリル製品を売りに来たと聞いておりますが?見せていただいてもよろしいですか?」
 と低姿勢の店長さん。
「どうぞ」
 と同じように鑑定のモノクルで『鑑定』している。
「……これは凄い……ウチに売ると言うことは刻印を刻んでもよろしいのでしょうか?」
「別に構いません」
「ありがとうございます。それでは片手剣が3500万、ダガーが2000万、片手斧は人気があまり無いので1500万でいかがでしょうか?」
 全部で7000万か、
「はい、まずはお試しでそのくらいで良いですね」
「ありがとうございます!」
 と店長は喜んでいる。
「それでは現金でしょうか?それともギルドカードに?」
「カードに入れてください」
「はい!ありがとうございます、カードをお預かりします」
 と機械を取り出すと入金額をこちらに見せ、きちんと入金できた事を見せてくれると、領収書を発行して渡して来る。

「こちらの品はどうやって入手したのでしょうか?」
「あはは、それは秘密ですね。また持ってきても?」
「は、はい!もちろんです!」
 店長は喜んで、その3本の武器を大事にツネに渡す。

「今後ともよろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします」
 店の外まで見送り頭を下げている。

「よし!これで車を買うか」
 と目をつけていた中古車屋に行くと、やはり走行距離も少なく、大きな傷もなさそうだな。年式も去年のもので良さそうな車だった。その場でギルドカードを使う。
 一括で支払い納車は三日後となった。

 後は待つだけなので電車で乗り継ぎながら帰り1時間程かかった、駅を出て自転車で帰る。
 タクシーで帰っても良かったが、やはり貧乏人はいくらかかるか怖くて乗れない。

「ふぅ、これで車も手に入るし、ミスリルを売る店も決まったな」
 ビールを開けて飲みながらスマホを検索する。
 流石にスマホで見れるオークションサイトにはミスリルは出品されてないな。
「ふーん、オークションはやっぱり海外サイトがいいみたいだな」
 色々検索すると2000万でミスリルソードを落札!などと書かれている記事を見る。
 オークションもそのうち視野に入れていかないとなぁ。
「まぁ、『合成』で作れるものはなにも武器だけじゃ無いしな!」
 と空のビール缶を流しに置いて冷蔵庫から新しくビールを取り出す。

「プハァ、やっぱり人生、楽しんだもん勝ちだ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ハーレムキング

チドリ正明@不労所得発売中!!
ファンタジー
っ転生特典——ハーレムキング。  効果:対女の子特攻強制発動。誰もが目を奪われる肉体美と容姿を獲得。それなりに優れた話術を獲得。※ただし、女性を堕とすには努力が必要。  日本で事故死した大学2年生の青年(彼女いない歴=年齢)は、未練を抱えすぎたあまり神様からの転生特典として【ハーレムキング】を手に入れた。    青年は今日も女の子を口説き回る。 「ふははははっ! 君は美しい! 名前を教えてくれ!」 「変な人!」 ※2025/6/6 完結。

幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。

アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚… スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。 いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて… 気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。 愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。 生きていればいつかは幼馴染達とまた会える! 愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」 幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。 愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。 はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?

異世界ラーメン屋台~俺が作るラーメンを食べるとバフがかかるらしい~

橘まさと
ファンタジー
脱サラしてラーメンのキッチンカーをはじめたアラフォー、平和島剛士は夜の営業先に向けて移動していると霧につつまれて気づけばダンジョンの中に辿りついていた。 最下層攻略を目指していた女性だらけのAランク冒険者パーティ『夜鴉』にラーメンを奢る。 ラーメンを食べた夜鴉のメンバー達はいつも以上の力を発揮して、ダンジョンの最下層を攻略することができた。 このことが噂になり、異世界で空前絶後のラーメンブームが巻き起こるのだった。

ステータス画面がバグったのでとりあえず叩きます!!

カタナヅキ
ファンタジー
ステータ画面は防御魔法?あらゆる攻撃を画面で防ぐ異色の魔術師の物語!! 祖父の遺言で魔女が暮らす森に訪れた少年「ナオ」は一冊の魔導書を渡される。その魔導書はかつて異界から訪れたという人間が書き記した代物であり、ナオは魔導書を読み解くと視界に「ステータス画面」なる物が現れた。だが、何故か画面に表示されている文字は無茶苦茶な羅列で解読ができず、折角覚えた魔法なのに使い道に悩んだナオはある方法を思いつく。 「よし、とりあえず叩いてみよう!!」 ステータス画面を掴んでナオは悪党や魔物を相手に叩き付け、時には攻撃を防ぐ防具として利用する。世界でただ一人の「ステータス画面」の誤った使い方で彼は成り上がる。 ※ステータスウィンドウで殴る、防ぐ、空を飛ぶ異色のファンタジー!!

外れスキルと言われたスキルツリーは地球の知識ではチートでした

盾乃あに
ファンタジー
人との関係に疲れ果てた主人公(31歳)が死んでしまうと輪廻の輪から外れると言われ、別の世界の別の人物に乗り替わると言う。 乗り替わった相手は公爵の息子、ルシェール(18歳)。外れスキルと言うことで弟に殺されたばかりの身体に乗り移った。まぁ、死んだことにして俺は自由に生きてみようと思う。

仮想戦記:蒼穹のレブナント ~ 如何にして空襲を免れるか

サクラ近衛将監
ファンタジー
 レブナントとは、フランス語で「帰る」、「戻る」、「再び来る」という意味のレヴニール(Revenir)に由来し、ここでは「死から戻って来たりし者」のこと。  昭和11年、広島市内で瀬戸物店を営む中年のオヤジが、唐突に転生者の記憶を呼び覚ます。  記憶のひとつは、百年も未来の科学者であり、無謀な者が引き起こした自動車事故により唐突に三十代の半ばで死んだ男の記憶だが、今ひとつは、その未来の男が異世界屈指の錬金術師に転生して百有余年を生きた記憶だった。  二つの記憶は、中年男の中で覚醒し、自分の住む日本が、この町が、空襲に遭って焦土に変わる未来を知っってしまった。  男はその未来を変えるべく立ち上がる。  この物語は、戦前に生きたオヤジが自ら持つ知識と能力を最大限に駆使して、焦土と化す未来を変えようとする物語である。  この物語は飽くまで仮想戦記であり、登場する人物や団体・組織によく似た人物や団体が過去にあったにしても、当該実在の人物もしくは団体とは関りが無いことをご承知おきください。    投稿は不定期ですが、一応毎週火曜日午後8時を予定しており、「アルファポリス」様、「カクヨム」様、「小説を読もう」様に同時投稿します。

グロット・オー ~スナープ団をぶっ潰せ!~

雲乃琳雨
ファンタジー
 第一期、体育会系ヒロイン、コズエ召喚! 「よろしく、コズエ」  ここは裏切りと欲望の世界。  戦争が終わって7年が経つグロット王国は、復興がなかなか進まなかった。盗賊や人身売買が横行する中、人々はグループを作って活動していた。シュナは冒険者グループ、フリオン団のメンバーだ。陰で人身売買撲滅のために国に協力している。シュナとリーダーのハシブおじさんは、人身売買組織に襲われたフリオン村の生き残りだ。団の目的は、人身売買組織スナープ団を壊滅させること。  コズエは部活に行く途中、人買いの倉庫に転移してしまった。その場に捕まっていたピンク頭の美少女に、身代わりされてしまう。  シュナは人買いから買い取ったコズエが、異世界人だと気がついた。この世界では異世界人が来ることがたまにある。異世界人は神殿で保護してもらえるので、コズエを神殿まで連れて行くことにした。二人の冒険の旅が始まった。  シュナはコズエの運動神経の良さに感心する。コズエも戦力になり、旅をしながら二人で町の人たちを助けていく。  シュナと冒険者たちの神の宝をめぐる三部作開幕。  一部で一旦終了します。

勇者パーティのサポートをする代わりに姉の様なアラサーの粗雑な女闘士を貰いました。

石のやっさん
ファンタジー
年上の女性が好きな俺には勇者パーティの中に好みのタイプの女性は居ません 俺の名前はリヒト、ジムナ村に生まれ、15歳になった時にスキルを貰う儀式で上級剣士のジョブを貰った。 本来なら素晴らしいジョブなのだが、今年はジョブが豊作だったらしく、幼馴染はもっと凄いジョブばかりだった。 幼馴染のカイトは勇者、マリアは聖女、リタは剣聖、そしてリアは賢者だった。 そんな訳で充分に上位職の上級剣士だが、四職が出た事で影が薄れた。 彼等は色々と問題があるので、俺にサポーターとしてついて行って欲しいと頼まれたのだが…ハーレムパーティに俺は要らないし面倒くさいから断ったのだが…しつこく頼むので、条件を飲んでくれればと条件をつけた。 それは『27歳の女闘志レイラを借金の権利ごと無償で貰う事』 今度もまた年上ヒロインです。 セルフレイティングは、話しの中でそう言った描写を書いたら追加します。 カクヨムにも投稿中です

処理中です...