王霞珠玉

盾乃あに

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第2章 ダンジョン攻略

桜花と悩む爺ちゃん

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霞月がテーブルを叩いて
「じゃー、最初から僕等が行くのは計画の内に入ってたんじゃないか!」
そーか、一人じゃ勝てないから仲間を集めてか、
「悪いがそーなる、霞月が別の人を連れてきたら一人で行くつもりだったんじゃが」
「僕とキングのせいにするな!」
「そーだな、お前らのせいにする事では無いな、だが王家は一筋縄ではいかんのじゃ、あやつが桜花がおる間は」
桜花?その連れの奴か、
「爺ちゃん、その桜花ってどんな奴なんだ?」
「キング!こんな奴ジジィでいいよ!」
「お前が怒ったんだろーが!」
と言い爺ちゃんに向き合うと
「桜花はキングに似とるよ、この世界を憂いておる、優しい奴じゃったのが何故か地球にモンスターを送る研究をし始めてな、自分の生を止めてでも成し遂げたいんじゃろう」
まぁ、昔の人だから、月影のようになっているかもな、
「あやつは今霞月を探しとる、聖青玉はよく見つかったじゃろ?聖赤玉はここでしか作れん。じゃが、あいつは聖赤玉の作り方を盗んだんじゃ、あとは聖青玉を大量に生産してモンスターの生まれ出づる所に紫運命球を設置するだけなんじゃ」
そんなことしても平和にはならないだろ、むしろいまの日本より悪くなる。
「ここを登り切れたのはお前らだけじゃ、スキルスクロールがあったじゃろ?あれを覚えるがいい」
あれはたぶん危険が伴う、そんな簡単では無いはず、
「ジジィ!あのスキルスクロールがどんだけ危ないか分かって言ってんのか?僕らはまだ習得中の固有スキルもあるんだぞ!」
「なに、まだあるのか?いま何個ある?」
「全部で五つ、王乱、王羅、王虎、王覇、覇王拳術だ」
「僕も五つだ、霞舞、水月、霞龍、朧月、朧月刀術」
王覇も朧月もまだまだだから術系は出来ていないが、
「なんと、そんなにか、固有スキルなんて一人一つあれば国が取れるほど強力だぞ」
いやいや、ないと酷使の山登れないし、
「ジジィ!酷使の山は制覇したのか?」
霞月は爺ちゃんっ子だったのに・・・
「は?儂は下層の黒オークを相手にしとっただけだが?」
「・・・っざけんな!もう上層まで行ってんだよ!つかこの超上級ダンジョンも八十層から中層だっただろ!百層なんてグランドドラゴンだったじゃないか!」
霞月は相当キレてる。
「いや、あれは登って来る奴の強さで決まるんじゃよ、儂らは転移陣でここに移動できるし」
爺ちゃんはあたふたしてる。
「っああー!せっかく二人で乗り越えてきたのに馬鹿みたいにじゃないか!」
ヒートアップ!ヒートアップ!
「これは二人の試練としての「なーにが試練だ!あっちの世界に帰ろうキング!こんなバカげた世界はジジィに任せればいいよ!」ま、まってくれー、霞月ぃー」
怒りが頂点の霞月に追いすがる爺ちゃん、見てて悲しくなってくるわ。
「霞月落ち着け、俺らは待たせてる奴がいるだろう?爺ちゃんもいい加減本音を話せ!」
「は?ジジィ?本音って?」
爺ちゃんは子供みたいに舌をペロリと出して
「バレとった?まぁ、出来ればこの世界を良くしたいと思っておっての、それには二人に手伝ってもらいたいんじゃ」
と定位置に座り直して茶をすする爺ちゃん。
霞月は飴を取り出しカラコロ舐め始めた。
「よくするってのは今の王家を潰して隠れ家の王家を復活させるってこと?」
と俺が聞くと、爺ちゃんは付け加える
「そしてこの世界の神を説得することじゃな」
神かぁ、でも分からんでもないんだよなぁ、
「俺は神の考え方が間違ってるとは思えないんだが?」
爺ちゃんはビックリして聞いてくる
「なんでじゃ?こんなモンスターばかりであるこの世界、人間には過酷な状況、オークやゴブリンは殆どがオスで人間の女を苗床にするのにか?」
俺は陣海に聞いた話を思い出す
「それは人間がやってる事と一緒だろ?家畜を飼い、繁殖させて時期を見て食べる、オークの集落には石貨、金もあった売り買いしてたんだと思う、酒場や鍛冶屋もあった。よく豪邸なんかにある虎や熊の開いた毛皮があるだろ?そんな風に人間を飾ってた。
人間から見れば酷くて吐くほどだったが逆の目線で考えると同じ事をしている」
爺ちゃんは考え込んでしまう、俺もだいぶ考えたが人間の戦争も縄張り争いだろ、それが地球は人間だけでこっちはモンスターまで出てくる。
「言いたい事はだいぶ分かった、じゃが儂達は人間じゃ、オークなどと戦わねばならん」
爺ちゃんの言いたい事は分かるが
「それでいいと思う、この世界の神は平等とは言い難いが豚に知能を与えた代わりに人間には強くなれる技能を与えた、これはどちらも切磋琢磨してより良い環境にしようとする人間やモンスター、生きるもの全てにチャンスを与えてるだけじゃないだろうか?」
うーむ、とまた唸りだす爺ちゃん、霞月は飴を転がしながら
「僕もそう思うよ、ゲームでよく言うバランスだね?ゲームバランスが悪いとすぐクリアしたり、強すぎて途中からやれなくなったり、キングが考えたのはその通りだと思う、別に主人公が人間でないといけない訳じゃ無い世界、あってもいいと思うけどね」
爺ちゃんは人間よりの考え方をしてるから見えていない、本質は生きる事だ、どうやって生き物は生きているか?食べて寝て子供を作り子孫繁栄を繰り返す、それが生きる。
動物はそれが普通で知恵のある人間は食べれるように分担して、眠れるように家を作り、子供を育てる為に学校などを作った、他にも病気にかかると死ぬので病院を作ったり、働かないものを無くすために法律を作ったり、それを考える知恵があるのが人間。
「ではこの世界はこのままモンスターの脅威に立ち向かわなければ行かないのか?」
爺ちゃんは頭固いな、そうじゃないだろ!
「人間が強くなれば別にいいだけだろ?」
「だが弱い人間も中にはおる」
「その為の知恵だ、ここは強くなる為のダンジョンじゃないのか?」
また爺ちゃんは唸る、このダンジョンを作ったのは王家、たぶん王家は人間を強くしようとして失敗したのか、失望したのかだろうな。
「少し考えたい、儂は年寄りじゃから頭が固くていかんわい」
「ん、なら考えといてくれ、俺らは帰るよ」
「ぼーくも!爺ちゃんには分からないかもね」
と立ち上がる俺と霞月、爺ちゃんは苦い顔して「分からんから悩んどるんじゃ!気をつけて帰れよ、転移陣は外で聞いてくれ!じゃあの!」
と座ったままで手を振り別れを告げる。

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