外れスキルと言われたスキルツリーは地球の知識ではチートでした

盾乃あに

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第四十一話

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 ギルドを出ると真っ直ぐ宿に向かう。
 アイズは俺が必要だと言うが、『情欲のラスト』を退治するのにリミ達まで巻き込むつもりはない。
 もちろん自分からそんな面倒事に付き合うなんてのはごめんだ。

「と言うわけで、サッサとダンジョンに潜ろうと思う」
 宿に帰るとリミ達に事情を話し、下手に『SOD』の話に巻き込まれるよりダンジョンに行こうと言う話になった。
「今回はどうするの?」
「新しく40階層まで進もうと思うがどうだろう?」
 これまで30階層を攻略していたが、そろそろ40階層に挑戦した方がいいと思う。

「うん!私は賛成!」
「賛成」
「そうですね!頑張ります!」
「よし!それじゃあ明日からダンジョン30階層を攻略していくぞ」
 メンバーの賛成も得られたことだし、ここからがダンジョンの本番になるな。
「よし、買い出しをしに行こう」
「オッケー!」
 リミ達を連れて大通りを進んで行く。

「あ、ルシエ!」
「ウリン?どうしたんだ?」
「あはは、明日からまたダンジョンに行くからその買い出しだよ。いま手分けしてバラバラなんだ」
「そうか、俺たちも明日からダンジョンだ」
「マジか!ならラビオンに知らせなきゃな!」
 買い出しが終わるとラビオン達と合流して宿に戻る。
 
「そうか、それじゃあ40階層にチャレンジするんだな?」
「へぇ、なら一緒にダンジョン攻略しましょうよ!」
 アビーがそう言うと他のメンバーも賛成し、『ストロミー』と共同で攻略することとなった。

 宿での夕飯が終わると、
「ちょっと付き合えよ!」
「はぁ、少しだけな」
 明日からダンジョンだと言うのにラビオンに連れられて飲みに来た。

「それにしても『SOD』か、…凄いところに目をつけられたな」
「王国公認のクランが来るなんてな」
 流石に王国も『情欲のラスト』が外に出てくることを危険だと判断したのだろう。
「まぁ、ダンジョンに入れば追いついてくることはないだろ」
「だといいんだがな」
 大人しく引き下がるとは思えないが。

ー・ー・ー

 ギルドの応接室にはアイズとポートがソファーに座り、ルシエに関する報告をしていた。
「なに!ダンジョンに潜っただと?」
 アイズは立ち上がるとそう言い放つ。
「そうだ。お前たちに捕まらないようにだろうな」
 ポートはソファーに深く座りため息をつく。
「何故止めなかった!貴方はギルドマスターだろ!」
「冒険者の自由を止めることはできない!」
 ポートは強い口調で窘める。
「クッ…で?どのあたりにいるんだ?」
「多分20階層から40階層辺りだろうな」
 かなり広い範囲で言うポートだが、ダンジョンの何階層に行ったのかも分からない為、『リベル』の攻略していた階層を言うしかない。
「範囲が広すぎるな。誰か知ってる奴はいないのか?」
 アイズは落ち着いてきたのかソファーに座る。
「仲のいいパーティーもダンジョンに入って行ったからな」
「仕方ないか…」
 アイズは腕を組み思案する。

「何故そこまでルシエに執着する?」
 ポートは疑問に思っていることを投げかける。

「ルシエには『賢者』になってもらう!」
「は?それが可能だと?」
 ポートは呆れていた。

 『マギ』が亡くなってから『賢者』はこの『世界』から居なくなってしまった。

 『賢者』と名乗る者がいても、『世界』からは認められていない。


「ルシエは選んで職業ジョブのスキルを取ることができるのだろう?それならば、やはりこの世界にとって新たな『賢者』になってもらうしかあるまい」
 アイズは両手を広げ、ソファーから立つ。

「アイツはそんなこと望んでないだろう?」
 ポートはアイズを睨みつける。
「何故それが分かる?こんな名誉なことはないのだぞ?父親に認められようと『剣聖』になるのか?それとも他の職に就く?あり得ないな!」
 アイズは疑問に思うのだろうが、ポートは目頭を抑え、
「はぁ…ルシエはルシエだ。アイツは自由だろ?好きにさせてやれ」
「いや!この世界に『賢者』は必要だ!そして私達も必要としている!」
 アイズは自分達の為でもあると声を上げる。

「それこそお前たちのエゴだ。ルシエは誰のものでもない」
「そうかもしれない。だが世界は待っている。新たなる時代を築く新しい風を!それを『SOD』が先陣を切って進んでいくのだ!」
 アイズは腕を上げ、高らかに声を上げる。
「…はぁ」
「それでは!私はこれからダンジョンに入るのでな!」
 アイズは応接室から出て行った。

 
 ポートはアイズがいなくなってから自室に入ると椅子に深く腰を沈めため息をつく。
「『賢者』は今のこの世界に必要だが…誰かに決められるものじゃない。アイズは間違っている」
 
『SOD』は槍聖のアイズを筆頭に、斧王のヴァン、大魔導士のダイス。
 王国公認クランと言うだけのことはある。

「自分達のクランに入れるために強引な手を使わなければいいが、…はぁ、厄介なのに目をつけられたな」

 ポートは立ち上がり窓の外に見えるダンジョンを眺める。

「無事に帰って来るといいのだが」

 
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