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”日常その壱”
【いつもの】
しおりを挟む翌日ーーーー
「親父」
爬虫類を思わせる風貌の関が、組長机に座って雑誌を読んでいた丹波に声をかけた。
「おおっ! 関、どないや?」
「全部調べました。ヘッドは板垣。構成員は六十人程度。シノギは覚醒剤と売春。本拠地は東京都の渋谷区です」
「なるほど・・・・・・で?」
「もちろん、次の行動についても調べてます」
「流石や!」
「どうやら関西の話しは本当のようです。しかし、向こうから盃をもらうにはかなりの額のアガリを要求されているらしく、大金を用意するべく悪戦苦闘しているらしいです」
「ほぉ・・・・・・せやから高橋組のシマでも派手にやってるンやな」
「ですが、そのせいでサツから睨まれて、相当の人数が逮捕されているようで・・・・・・」
「せやが・・・・・・アガリを調達できなかったら、死ぬよりもひどいことになるやろ?」
「その通りです。ですから、もはや板垣は手段を選ばずに金を集めているようです」
「・・・・・・足取りは?」
「次に現れる場所も、特定しました」
「ヒヒヒ・・・・・・関ぃ・・・・・・あっぱれやのぉ」
「世田谷区の高級住宅街・・・・・・東山という大臣の自宅前です」
「あぁ? なんや強請のネタでも掴んだンか?」
「そこまでは・・・・・・しかし、残った全ての部下を結集させるとの情報が」
「・・・・・・」
丹波は雑誌を強く握った。
そして・・・・・・
ビリビリッッ!!
破り捨てると、眼をキッと見開いた。
その目には炎がメラメラと宿っている。
「よぉし・・・・・・オドレらぁ!!」
「「「はいっ!!」」」
組員が部屋の中央に歩いてくる丹波に向かって集まってくる。
「いつものアレや!! 頼むでぇ!!」
「「「応ッッ!!」」」
まずは関からだった。
バチンッッ!!
全力で、丹波の左頬をビンタした。
「くぅ~・・・・・・もっと来いや!!」
それに続き、他の組員たちも思い切りビンタをくり出す。
バチンッッ!!
ビタンッッ!!
パァンッッ!!
全ての組員が終わる頃には、丹波の顔は赤く腫れていた。
「よっしゃぁぁぁぁ!! 気合い乗ってきたでぇぇぇぇ!!」
「「「お粗末様でしたッッ!!」」」
「関ぃ!! 兵隊十人集めろ!! サツの目につかないようにしとけ!!」
「はいっ!」
「久保田ぁ!! 警察無線の傍受じゃあ!! 少しでも動きがあったら知らせぇ!!」
「へいっ!!」
「坂口ぃ!! 本家に『共食い』の時間や言うとけ!!」
「分かりやした!!」
「久しぶりのケンカやぁ!! たっぷりと楽しむでぇ!! お前ら覚悟しとけや!!」
「「「はい!!」」」
脳内で明らかになにかよからぬ物質が分泌されている。
尋常ではない丹波が、赤のスーツに腕を通した。
この時、すでに『暴走列島』の運命は決まっていたのであった。
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