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”一回戦”
【第二試合 宮本猛VS黒野一殺】
しおりを挟む『さて・・・・・・さあ始まります第二試合!! 白真会五段宮本 猛と黒野 一殺!!』
ワーッッ!! ワーッッ!! ワーッッ!!
『優勝候補のひとりと目される宮本選手は、第一試合で敗れ去った細波選手を制して昨年の全日本フルコンタクト空手大会優勝者!! 実力は十分!! 実績も十分!!』
自分に向けられる声援に応えるように、観客席に礼をしていく宮本。
『五段取得の際には、日本チャンピオンの在籍する総合格闘技ジムに赴き道場破りを完遂しております!! まさにミスターカラテ!! 一八八センチ 一〇〇キロ!!』
オォー!!
『対するのは無名の選手黒野 一殺!!』
ブーッ!! ブーッ!! ブーッ!!
『お静かに! お静かに!! 黒野選手の情報はありませんが、とにかく怪しい!! ミスターカラテとどう渡り合うのか、注目であります!!』
解説はあっさりとしているが・・・・・・実況席や裏方のテレビ局スタッフたちはピリついている。
選手控え室の大型モニターでは満足しなかった芥川が、新樹とセツナを連れて会場で生で見ていた。
「やはり・・・・・・テレビの方々も知っているらしい」
「先生・・・・・・アレが黒真会ですか?」
「ええ」
「・・・・・・強いんですか?」
「見なければ分からない・・・・・・正直、私にもね」
「正面、礼!!」
礼をする。
「構え・・・・・・えぇっ!?」
近くにいる審判が驚愕している。
そして、黒野に詰め寄っていた。
「お前・・・・・・その爪はなんだ!?」
審判のあまりの剣幕に、カメラも照準を合わせる。
観客たちは騒然とした。
黒野の十本の爪は、まるで猛禽類のように鋭く尖っていた。よく研いでいるのだろう。光沢が見え、鋭利な尖端が物騒だった。
通常・・・・・・爪は深爪くらいがちょうどいい・・・・・・
武を志したことのある者ならば、必ず身についている習慣だ。
道着を掴んだときや触れた際・・・・・・爪で相手を怪我させることもあるし、逆に爪がベリッと剥がれてしまうこともある。長い爪は厳禁だ。
それなのに、この大舞台で鋭利な爪・・・・・・
「爪は武器じゃないでしょ?」
のうのうと、のたまう黒野。
審判もキレる寸前だ。
「今すぐに切ってこい・・・・・・まだ間に合うぞ・・・・・・」
「い~やだね。他人の美的センスを無下にするの? それ、ハラスメントじゃない?」
観客も審判もブチ切れ・・・・・・
「いいですよッッ!!」
会場に響き渡るのは、宮本の声。
誰しもが思い知った。
この場にいる誰より・・・・・・キレているのは宮本だ。
「もうやりましょうよ・・・・・・何でもイイからッッ」
拳を・・・・・・足を・・・・・・ぶつけてやる・・・・・・
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