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第五十三話 パンタナル
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主人公を含む狩人部隊は、成田空港を立ちパンタナルへ向かった。途中、北米都市及びブラジル国内を乗り継いで、まずはクイアバに辿り着いた。
現地は時差もあり、真夜中になっていた。そこへ――、
『hey! jap』
軽武装のアメリカ人が話し掛けて来た。
「副隊長、この人は?」
「スッ」
主人公の質問、その言葉を遮る様に主人公を右手で制止して、身体は英語で話し出した。
『無理を言って悪かったな、よく来てくれた』
アメリカ人は漂々と答えた。
『なぁに、ゾムビー関連の被害を食い止めるのがhunterの仕事だからな。当たり前のことをするまでだ』
そのアメリカ人はhunterの責任者だった。会話を聞いていた主人公は静かに思いを巡らせる。
(今、hunterって言ったような……どこかの支部のhunterの人……かな?)
『兎に角、今回の任務、宜しく頼むぞ』
『ああ、こちらこそ』
身体とhunterの責任者は熱い握手を交わした。続けて身体は真剣な表情で言う。
『今回の任務では、もう知っているかもしれないが、計5つの石を集めればいい』
それに対し、hunterの責任者は返す。
『ああ、知っているさ。5個だけ集めれば良いようになったのは、我々T州支部を含むhunter部隊が、アメリカ大陸に点在していた15個の石を、ここ数日で集めることに成功したからだ』
『!』
身体はその数の多さに驚きを隠せなかった。
『そんなにも……か……。助かった、礼を言う』
『礼はいい。二回目になるが、これが我々の仕事だからな』
『……分かった。ではバスで移動しよう』
『ラジャー』
「皆!」
身体が今度は日本語で、狩人部隊に大声で呼びかけた。
「これからバスで移動だ! 移動先のロッジに着いたら明日以降に備えてしっかり眠る様に!」
「ハイ!」
「だい!」
「ラジャー」
主人公、逃隠、狩人隊員達はそれぞれ応答した。
バスで走ること、約4時間。途中野生動物の鳴き声や足音を聞きながら遂にロッジに辿り着いた。バスを降りですぐに、身体は主人公と逃隠に話し掛けた。
「ツトムとサケルは同じ部屋だ。体力を消耗しない様、しっかり寝るんだ」
「はい」
「だい!」
主人公は大人しめに、逃隠は元気よく答えた。
ロッジのとある一室にて――、
主人公と逃隠はロッジのベッドに座り、一息ついた様子だ。主人公が逃隠に話し掛ける。
「今日は移動ですごく疲れたね、サケル君」
「そーだナ、でもなツトム、何かワクワクしてこないカ?」
「?」
逃隠の急な言葉に、ハテナ顔の主人公。
「この任務が終わる頃には、ゾムビー達との戦いも終わるんだい。そうしたら――」
「どうしたの? サケル君」
「俺は新しく、犬を飼うんだい」
「!」
逃隠の突然の決意表明を聞き、驚く主人公。
「いいね、でも何で?」
主人公は興味を持って質問してみる。
「俺はかつて、犬をゾムビーに殺されたんだい」
(! そう言えば、サケル君のお父さんから、そんな話を聞いてたんだった)
「だから、今は……ゾムビーが地上に居る今は犬を飼う勇気が湧かないんだい。でも!」
「!?」
「ゾムビー達が地上からいなくなったら、俺の犬が安全に暮らせる時が来たら、犬を飼うんだい」
「サケル君……」
「だい……」
主人公は逃隠への言葉を少しの時間探して、遂には口を開いた。
「そうだね! 明日から頑張って、絶対犬を飼おうね!」
「おウ! それじゃあ寝るんだい!」
一室の灯りは消えた。主人公はベッドの上で横になったが、少しの間、考え事をしていた。
(サケル君は大切なペットを失ったんだ……。僕は……大切な人を、一時は……。ゾムビー達が居なくなったら……尾坦子さんと一緒に、幸せに暮らそう……!)
少し顔を赤らめる主人公であった。
翌朝――、
朝食を食べる一行。これからの探索に備えて、エネルギーを十分に摂取する。
朝一番に、カヌーで探索を開始する。7月に差し掛かる頃のパンタナルは、湿原といっても日本のそれの蒸し暑さは殆どなく、涼しく過ごしやすい気候だった。カヌーで川を進んで行くと、野生動物に出くわした。ワニやカピバラ等である。
ワニは川辺に並んで餌を捕まえようとしている者も居れば、音もたてずにカヌーに近付いて来る者も居た。カピバラは可愛いものだったが、ワニと来れば一定の距離を保たなければ命の危険が伴う。石をかざして周囲に新たな石が無いか確認しつつ、ワニがどこに居るのかも確認しなければならない、そんな探索となった。
川沿いを半日かけて探索したが、石は見つからなかった。
「一旦、終了だ。ロッジで昼食を取るぞ」
身体の号令で、一行はロッジに戻る事となった。
「パクパクパクパク」
凄まじいスピードで昼食を取る逃隠。
「ブラジル料理も旨いんだい!」
一方で主人公は、
「……」
箸が進まない様子だった。
「どうした? ツトム。味が合わなかったか?」
主人公を心配し、声を掛けてくる身体。
「あ、いえ……昼までに、成果が出せなかったので、これから5つの石を、こんなに広い場所で見つけられるのかなって」
力無く思いの丈を言葉にする主人公。
「ツトム……」
「……」
「バッシ!!!」
主人公の背中に平手打ちを喰らわせる身体。
「! ! ! ?」
動揺する主人公。
「ツトム……」
身体がおもむろに口を開く。
「まだ探索は始まったばかりだ、気に病むな」
「は……はい(痛ってー)」
昼食を終えて、今度は徒歩で高さ25メートルのモンキータワーに向かった。
モンキータワーの下へ到着すると、数名がモンキータワーに登り、残りの数名がモンキータワーの下で指示を待った。
登った数名はゾムビーや、石をかざして石の光を探した。
「キラッ」
モンキータワーに登った主人公が、石に向かって来る微かな光を見つけた。
「! 副隊長! 2時の方向から、光が差し込んで来ました!」
「了解だ!」
身体が答える。
「3,4名でその方角へ行こう。石はあるな?」
「はい! ここに」
石を確認する身体と狩人隊員。
「よし! この石をかざしながら2時の方向へ行くんだ」
数十メートル進んだだろうか。所持していた石は輝きを増していき、遂にパンタナルに落ちていた石を、狩人隊員は見つけた。
「副隊長! 石を発見しました!!」
「よし! やったな、ツトム!」
身体は主人公に声を掛けた。
「ハイ! 副隊長!」
主人公もはつらつと声掛けに答えた。
気付けば夕暮れ時になっていた。
「今日はここまで、か……皆! 撤収だ」
身体の号令によって、この日の探索は終了した。一行はロッジに帰る。
ロッジの一室、主人公の部屋――。
(ふぅ……一日任務に当たって疲れたけど、1個、石を見つけられた。あと4つ……あと4つだ)
主人公は、意気揚々と石を集めようと思いをはせていた。その時、
「ブーブー」
主人公の携帯が鳴った。
「なんだい? ツトム。こんな所にも携帯を持って来たんだい?」
「あ……うん、ちょっとね」
逃隠に応対しつつ、携帯を手に取る主人公。
「ピッ」
「もしもし……」
「ツトム君? あたしだけど」
「!!!」
電話の相手は尾坦子だった。
現地は時差もあり、真夜中になっていた。そこへ――、
『hey! jap』
軽武装のアメリカ人が話し掛けて来た。
「副隊長、この人は?」
「スッ」
主人公の質問、その言葉を遮る様に主人公を右手で制止して、身体は英語で話し出した。
『無理を言って悪かったな、よく来てくれた』
アメリカ人は漂々と答えた。
『なぁに、ゾムビー関連の被害を食い止めるのがhunterの仕事だからな。当たり前のことをするまでだ』
そのアメリカ人はhunterの責任者だった。会話を聞いていた主人公は静かに思いを巡らせる。
(今、hunterって言ったような……どこかの支部のhunterの人……かな?)
『兎に角、今回の任務、宜しく頼むぞ』
『ああ、こちらこそ』
身体とhunterの責任者は熱い握手を交わした。続けて身体は真剣な表情で言う。
『今回の任務では、もう知っているかもしれないが、計5つの石を集めればいい』
それに対し、hunterの責任者は返す。
『ああ、知っているさ。5個だけ集めれば良いようになったのは、我々T州支部を含むhunter部隊が、アメリカ大陸に点在していた15個の石を、ここ数日で集めることに成功したからだ』
『!』
身体はその数の多さに驚きを隠せなかった。
『そんなにも……か……。助かった、礼を言う』
『礼はいい。二回目になるが、これが我々の仕事だからな』
『……分かった。ではバスで移動しよう』
『ラジャー』
「皆!」
身体が今度は日本語で、狩人部隊に大声で呼びかけた。
「これからバスで移動だ! 移動先のロッジに着いたら明日以降に備えてしっかり眠る様に!」
「ハイ!」
「だい!」
「ラジャー」
主人公、逃隠、狩人隊員達はそれぞれ応答した。
バスで走ること、約4時間。途中野生動物の鳴き声や足音を聞きながら遂にロッジに辿り着いた。バスを降りですぐに、身体は主人公と逃隠に話し掛けた。
「ツトムとサケルは同じ部屋だ。体力を消耗しない様、しっかり寝るんだ」
「はい」
「だい!」
主人公は大人しめに、逃隠は元気よく答えた。
ロッジのとある一室にて――、
主人公と逃隠はロッジのベッドに座り、一息ついた様子だ。主人公が逃隠に話し掛ける。
「今日は移動ですごく疲れたね、サケル君」
「そーだナ、でもなツトム、何かワクワクしてこないカ?」
「?」
逃隠の急な言葉に、ハテナ顔の主人公。
「この任務が終わる頃には、ゾムビー達との戦いも終わるんだい。そうしたら――」
「どうしたの? サケル君」
「俺は新しく、犬を飼うんだい」
「!」
逃隠の突然の決意表明を聞き、驚く主人公。
「いいね、でも何で?」
主人公は興味を持って質問してみる。
「俺はかつて、犬をゾムビーに殺されたんだい」
(! そう言えば、サケル君のお父さんから、そんな話を聞いてたんだった)
「だから、今は……ゾムビーが地上に居る今は犬を飼う勇気が湧かないんだい。でも!」
「!?」
「ゾムビー達が地上からいなくなったら、俺の犬が安全に暮らせる時が来たら、犬を飼うんだい」
「サケル君……」
「だい……」
主人公は逃隠への言葉を少しの時間探して、遂には口を開いた。
「そうだね! 明日から頑張って、絶対犬を飼おうね!」
「おウ! それじゃあ寝るんだい!」
一室の灯りは消えた。主人公はベッドの上で横になったが、少しの間、考え事をしていた。
(サケル君は大切なペットを失ったんだ……。僕は……大切な人を、一時は……。ゾムビー達が居なくなったら……尾坦子さんと一緒に、幸せに暮らそう……!)
少し顔を赤らめる主人公であった。
翌朝――、
朝食を食べる一行。これからの探索に備えて、エネルギーを十分に摂取する。
朝一番に、カヌーで探索を開始する。7月に差し掛かる頃のパンタナルは、湿原といっても日本のそれの蒸し暑さは殆どなく、涼しく過ごしやすい気候だった。カヌーで川を進んで行くと、野生動物に出くわした。ワニやカピバラ等である。
ワニは川辺に並んで餌を捕まえようとしている者も居れば、音もたてずにカヌーに近付いて来る者も居た。カピバラは可愛いものだったが、ワニと来れば一定の距離を保たなければ命の危険が伴う。石をかざして周囲に新たな石が無いか確認しつつ、ワニがどこに居るのかも確認しなければならない、そんな探索となった。
川沿いを半日かけて探索したが、石は見つからなかった。
「一旦、終了だ。ロッジで昼食を取るぞ」
身体の号令で、一行はロッジに戻る事となった。
「パクパクパクパク」
凄まじいスピードで昼食を取る逃隠。
「ブラジル料理も旨いんだい!」
一方で主人公は、
「……」
箸が進まない様子だった。
「どうした? ツトム。味が合わなかったか?」
主人公を心配し、声を掛けてくる身体。
「あ、いえ……昼までに、成果が出せなかったので、これから5つの石を、こんなに広い場所で見つけられるのかなって」
力無く思いの丈を言葉にする主人公。
「ツトム……」
「……」
「バッシ!!!」
主人公の背中に平手打ちを喰らわせる身体。
「! ! ! ?」
動揺する主人公。
「ツトム……」
身体がおもむろに口を開く。
「まだ探索は始まったばかりだ、気に病むな」
「は……はい(痛ってー)」
昼食を終えて、今度は徒歩で高さ25メートルのモンキータワーに向かった。
モンキータワーの下へ到着すると、数名がモンキータワーに登り、残りの数名がモンキータワーの下で指示を待った。
登った数名はゾムビーや、石をかざして石の光を探した。
「キラッ」
モンキータワーに登った主人公が、石に向かって来る微かな光を見つけた。
「! 副隊長! 2時の方向から、光が差し込んで来ました!」
「了解だ!」
身体が答える。
「3,4名でその方角へ行こう。石はあるな?」
「はい! ここに」
石を確認する身体と狩人隊員。
「よし! この石をかざしながら2時の方向へ行くんだ」
数十メートル進んだだろうか。所持していた石は輝きを増していき、遂にパンタナルに落ちていた石を、狩人隊員は見つけた。
「副隊長! 石を発見しました!!」
「よし! やったな、ツトム!」
身体は主人公に声を掛けた。
「ハイ! 副隊長!」
主人公もはつらつと声掛けに答えた。
気付けば夕暮れ時になっていた。
「今日はここまで、か……皆! 撤収だ」
身体の号令によって、この日の探索は終了した。一行はロッジに帰る。
ロッジの一室、主人公の部屋――。
(ふぅ……一日任務に当たって疲れたけど、1個、石を見つけられた。あと4つ……あと4つだ)
主人公は、意気揚々と石を集めようと思いをはせていた。その時、
「ブーブー」
主人公の携帯が鳴った。
「なんだい? ツトム。こんな所にも携帯を持って来たんだい?」
「あ……うん、ちょっとね」
逃隠に応対しつつ、携帯を手に取る主人公。
「ピッ」
「もしもし……」
「ツトム君? あたしだけど」
「!!!」
電話の相手は尾坦子だった。
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