人生がうまくいかないのは毎日命をいただいている罰だと思えば、ちょっとは気が楽になるかも。

月澄狸

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人生がうまくいかないのは毎日命をいただいている罰だと思えば、ちょっとは気が楽になるかも。

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「なんで人生うまくいかないんだろう?」なんて言いつつポロポロ涙をこぼしたりするのは、人生がうまくいくこと前提だからだ。
 人生がうまくいくこと前提なのは、自分には非がないと思っているからだ。

 しかし非がないもんだろうか……。殺人や動物虐待のニュースを見てヒートアップしている人を見ると思う。かつての私みたいだなーと。

 私はベジタリアンになれなかった。日々人や生き物の命を救うような壮大な立場の人間にもなれなかった。丁寧で繊細な人間にもなれなかった。

 この間も不注意で生きた小虫に水をかけてしまった。その小虫は外に逃がしたけれど、羽が水で潰れて飛ぶこともできずに死んだだろう。
 毎日こんなことばかりだ。家中虫の死骸だらけ。不注意で虫を殺してしまったことは数知れず。
 虫も魚も人も動物も一緒だろう。これだって罪だ。そして罪を背負っているのは私一人だけだろうか? 他の人はこのような罪に対してどう思っているんだろう。こっそりと祈っているのか、これは罪じゃないと思っているのか、気づいてもいないのか。

 人の罪を責めている人を見ると、他人事のようにぼんやり思う。この人は何の罪も背負わず清らかなんだろうかと。
 大切にすべき命とそうでない命が当然のように分かれている。生き物のキャラクター、イメージ、役割が人間に勝手に決められている。その中で「善なる者」を虐げたとき、「悪」に触れたとき、人は怒る。
 それ以外はなんともならない。テレビで釣りをするシーンが流れようと、生き物が生きたまま捌かれ盛り付けられようと、悪ではなく文化であり儀式なのだ。牛を生きたまま捌いて皿に盛り付けるシーンはないけれど。

 なんだか分からないけれど毎日勝手に善悪観が決められており、そこからはみ出してはいけないのだ。
 だから私たち凡人は真実を見ていない。日々命をいただくだけだ。そしてたまに目に入った残酷な現実に反応して「可哀想」と涙をこぼすだけ。本当は日常は残虐行為で成り立っているのに。

 そこで、「人生がうまくいかないのはこの罪のせいだ」と仮説を立てるとどうだろうか。全部腑に落ちる気がする。

 人殺しや動物虐待犯は裁きを受けるべきだ。命への敬意や感謝が足りない人間は裁かれるべきだ。誰かを苦しめた人は同じ苦しみを味わうべきだ。
 だから私たちは生きながらにして死の苦しみを味わう。日々、一刻一刻、魚やニワトリや豚が潰されたときの苦しみを背負って歩いていくのだ。だから人生は思うように行かず、寿命があり、嫌なことばかりさせられ、自分の気持ちを誰にも分かってもらえない。世界からは差別や偏見やいじめや武器が消えず、世界平和は程遠い。

 全部私たちが無意識に背負った罪と、その罪への自覚のなさという罪が生み出した壁だ。こんなにも罪を負っている私の人生が苦しみに満ちていることなんて当然だ。
 そう思うとちょっと気楽になるんじゃないだろうか? 罪を背負っている割にはこんなに長く生きさせていただいているし、楽しみもあってありがたいと。

 とりあえず命をいただいていることへの自覚と感謝を持とうと思う。そして自分の罪を棚に上げて人の罪ばかり罪だと言わないように気をつけようと思う。

 人殺しはいけないけど生き物殺しはいいなんて誰が言っただろうか。私が勝手に判断して善悪や優劣を付けているだけだ。可愛い生き物、利口な生き物、どうでもいい生き物、殺されて当然の生き物……殺すべき生き物、守るべき生き物……。もしかしたら、命に優劣を付けることこそ最大の罪なのかもしれない。













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