33 / 70
夢のドッペルゲンガー
しおりを挟む
これは私がこの間見た怖い夢の話だ。
ある日、私が夢の中で目覚めると家のトイレの中にいた。
夢の中で目覚めるというのもおかしな表現だが、なんだか寝ぼけているような感じだった。おや、ここはトイレだなーと。
そしてトイレの扉の前には「私」がいた。
自分の姿が見えたのだ。
ああ、私だな。
改めて見るとこんな顔していたんだな。
これ鏡かな?
などと思いつつ目が覚めていき……次の瞬間凍りついた。
「うちのトイレに鏡なんかなかった」と。
すると目の前の自分は……?
よく見ると鏡みたいな平面なんかじゃなく、立体的な人間だった。
もしかしてドッペルゲンガー!?
相手の「私」は扉の前にいる。
狭い個室の中、私には逃げ場がない。
なぜだか「やられる!」と思い……
どうしようもなくなった私は、思わずドッペルゲンガーに抱きついた。
そこで夢が終わった。
文章にすると少し長く感じるが、この夢は始まりから終わるまで10秒くらいしかなかった気がする。
なぜ抱きついたのだろう。私は命の危機を感じると人に抱きつく癖でもあるのだろうか。
夢の中のこととはいえ……ドッペルゲンガーに出会うと何かが起こる、なんて噂もあるので、この夢を見た後しばらくはビクビクしながら過ごした。しかし、数週間過ぎても特に何も起こらなかった。
怖い夢といえば以前にも「お風呂にある鏡に写っている自分が動いた」夢を見たことがある。
あのときは思わず夢の中で叫んで飛び起きてしまった。
現実でも叫んでいたのだろうか……。だとしたら恥ずかしい。
その夢は多分、テレビで見た心霊映像の影響だと思うのだが……。
いずれにせよ私は「狭い空間」と「鏡」が苦手なようだ。
鏡は、深夜の決まった時間に覗くと何かが起こるとか、合わせ鏡の奥に不思議なものが映るとか、怪談に登場することが多い。その影響か、鏡を見ていると怖くなることがある。
狭い空間は、逃げ場がないので一人で入っていると早く出たくなるときもある。リラックス状態だと大丈夫だけど……。
しかしよくよく考えてみると、「自分が本当に怖いのは鏡や狭い空間なんだろうか?」という疑問が出てきた。
私は鏡を見るときはいつも無表情だ。
というか作り笑いが下手なので、常に無表情だったりする。だから自分の顔といえば無表情の記憶しかないし、夢に出てきた自分も無表情だった。笑っていたらそれはそれで怖いかもしれないけれど……。
もしかしたら、私は無表情な私が怖かったのかもしれない。
そういえば私は怖い雰囲気の人が苦手だが、自分自身がその怖い雰囲気を放っていたような気がする。
ということで、今度から鏡を見るとき笑いかけてみることにした。
これで少しは優しい印象になるだろうし、笑顔の練習にもなって一石二鳥かもしれない。
「鏡は先に笑わない」という言葉があるように、優しさや楽しさ、幸せはこちらから先に発信しなくてはならないらしい。
ずっとこちらが笑っていれば、夢の内容も、そして現実まで変わるかもしれない。
*
その後「鏡に向かって笑顔」の習慣を続けていたのですが、いつの間にか「鏡の前に立ったら変顔をする」というマイルールに変わっていました。
深夜に鏡に写った自分の変顔を見て吹き出したりしていることも。我ながら一体何をやっているのか……。
ある日、私が夢の中で目覚めると家のトイレの中にいた。
夢の中で目覚めるというのもおかしな表現だが、なんだか寝ぼけているような感じだった。おや、ここはトイレだなーと。
そしてトイレの扉の前には「私」がいた。
自分の姿が見えたのだ。
ああ、私だな。
改めて見るとこんな顔していたんだな。
これ鏡かな?
などと思いつつ目が覚めていき……次の瞬間凍りついた。
「うちのトイレに鏡なんかなかった」と。
すると目の前の自分は……?
よく見ると鏡みたいな平面なんかじゃなく、立体的な人間だった。
もしかしてドッペルゲンガー!?
相手の「私」は扉の前にいる。
狭い個室の中、私には逃げ場がない。
なぜだか「やられる!」と思い……
どうしようもなくなった私は、思わずドッペルゲンガーに抱きついた。
そこで夢が終わった。
文章にすると少し長く感じるが、この夢は始まりから終わるまで10秒くらいしかなかった気がする。
なぜ抱きついたのだろう。私は命の危機を感じると人に抱きつく癖でもあるのだろうか。
夢の中のこととはいえ……ドッペルゲンガーに出会うと何かが起こる、なんて噂もあるので、この夢を見た後しばらくはビクビクしながら過ごした。しかし、数週間過ぎても特に何も起こらなかった。
怖い夢といえば以前にも「お風呂にある鏡に写っている自分が動いた」夢を見たことがある。
あのときは思わず夢の中で叫んで飛び起きてしまった。
現実でも叫んでいたのだろうか……。だとしたら恥ずかしい。
その夢は多分、テレビで見た心霊映像の影響だと思うのだが……。
いずれにせよ私は「狭い空間」と「鏡」が苦手なようだ。
鏡は、深夜の決まった時間に覗くと何かが起こるとか、合わせ鏡の奥に不思議なものが映るとか、怪談に登場することが多い。その影響か、鏡を見ていると怖くなることがある。
狭い空間は、逃げ場がないので一人で入っていると早く出たくなるときもある。リラックス状態だと大丈夫だけど……。
しかしよくよく考えてみると、「自分が本当に怖いのは鏡や狭い空間なんだろうか?」という疑問が出てきた。
私は鏡を見るときはいつも無表情だ。
というか作り笑いが下手なので、常に無表情だったりする。だから自分の顔といえば無表情の記憶しかないし、夢に出てきた自分も無表情だった。笑っていたらそれはそれで怖いかもしれないけれど……。
もしかしたら、私は無表情な私が怖かったのかもしれない。
そういえば私は怖い雰囲気の人が苦手だが、自分自身がその怖い雰囲気を放っていたような気がする。
ということで、今度から鏡を見るとき笑いかけてみることにした。
これで少しは優しい印象になるだろうし、笑顔の練習にもなって一石二鳥かもしれない。
「鏡は先に笑わない」という言葉があるように、優しさや楽しさ、幸せはこちらから先に発信しなくてはならないらしい。
ずっとこちらが笑っていれば、夢の内容も、そして現実まで変わるかもしれない。
*
その後「鏡に向かって笑顔」の習慣を続けていたのですが、いつの間にか「鏡の前に立ったら変顔をする」というマイルールに変わっていました。
深夜に鏡に写った自分の変顔を見て吹き出したりしていることも。我ながら一体何をやっているのか……。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
Web小説のあれやこれ
水無月礼人
エッセイ・ノンフィクション
沢山の小説投稿サイトが存在しますが、作品をバズらせるには自分と相性が良いサイトへ投稿する必要が有ります。
筆者目線ではありますが、いくつかのサイトで活動して感じた良い所・悪い所をまとめてみました。サイト選びの参考になることができたら幸いです。
※【エブリスタ】でも公開しています。
M性に目覚めた若かりしころの思い出
kazu106
青春
わたし自身が生涯の性癖として持ち合わせるM性について、それをはじめて自覚した中学時代の体験になります。歳を重ねた者の、人生の回顧録のひとつとして、読んでいただけましたら幸いです。
一部、フィクションも交えながら、述べさせていただいてます。フィクション/ノンフィクションの境界は、読んでくださった方の想像におまかせいたします。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
