自由な考えに正しいも間違いもない、ってどういうことだろう

月澄狸

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間違った正しさがあり、正しい間違いもある。そう勝手に信じてる。

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 正しいとか間違いなんてものは時代が変わればあっという間に変わるんだ。教科書に載っていたことも、未来じゃ全部間違いでした~なんてことになっているかもしれない。私が人生をかけて守り通した「常識」が未来じゃコロッと変わっているかもしれない。そもそも未来じゃ隕石落ちて地球がなくなっているかも。感染症のことだって、前触れもなく世界中ガラッと変わったりしたんだから、いかに日常が脆く変わりやすく、予測不能なものなのか分かる。

 だからそのうち変わるものにずーっと人生支配されて、「こうじゃなきゃダメなんだ!」とか思って、それで死んでいったとしたら悔しい。
 虫はいつ鳥やヘビや獣に食べられるか分からないけど、きっと楽しく暮らしているんだろう。分からないけど。

 そう、分からないのだ。虫が楽しく暮らしているか、毎日苦しく必死に生きているか、それともまったく違う世界を眺めつつ存在しているのかなんて分からない。虫に尋ねたこともないからだ。

 世の中間違いも正しいもないし、時代によっても変わるから、それに惑わされたくない。そう思っているのに私はまだ正しいとか間違いにとらわれているのだ。

 考え方に間違いや正しいはない。どんな考え方もいい。
 けど、スズメがタカの子どもとか、カブトムシのメスがゴキブリとか、月や地球は星ではないとか、そういうのは絶対間違いだと。

 でもそうなのか?
 私が星や生き物の何を知っているのだというのだろう。星や生き物と会話したこともないのに。
 本に書いてあることは絶対ではない。法律だって国の名前だって変わるし、生き物の分類も変わるし、昔の映画を見ていたら女性差別的だなーと思ったりもする。

「いやー、これに関しては絶対こっちが正しくてあっちが間違いでしょ」なんてものはどこにもないのだ。

 なのにものによってはそう思っているのだ。特に好きなことに関してそれが多く、あまりそれに関心がない人が間違ったことやテキトーなことを言ったりすると訂正したくなるのかもしれない。

 私も電車や芸能人や歴史や……詳しくないことについて「こうかも、ああかも」と書いたりしたら「違うだろう」と思われるはずだ。だから詳しくないことにはあまり触れない。その道一筋の人が「こうしましょう、ああしましょう」とか言うのも、自分はそれが好きでなんでも知っているという自信があるからだろう。

 でも本当に知っていることなんてあるのかな。
 才能の本に書いてあった。たとえその道のプロと呼ばれる人に言われたとしても、「君には才能がない」という言葉を信じる必要はないと。

 詳しいことには自信がある、詳しくないことには自信がない……これってけっこう不自由なのかもしれない。
 人に対しても自分に対しても自由になりたいな。


















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