クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎

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第10話 夏休み終盤、変身完了

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夏休みも残り十日ほど。蝉の声が耳をつんざく朝五時、俺はランニングシューズを履いて外へ飛び出した。最初の頃は1km走るだけで足が鉛のように重く、息も絶え絶えだった。それが今では、公園を二周しても呼吸が乱れない。汗が肌を流れる感覚さえ爽快に思えるようになっていた。

帰宅してシャワーを浴び、体重計に足を乗せる。数字が光った瞬間、心臓が跳ねる。

【クエスト進行:ダイエット第二弾】
・純脂肪減少:5.0kg/5kg
・体重:62.0kg(開始67.5kg)
・体脂肪率:16%(開始22%)
・進行率:100%

【クエスト達成!】
・筋力+3
・耐久+3
・魅力+2
・SP+8

「……よし!」

鏡に映る自分は、もう見慣れた“いじめられっ子”ではなかった。頬の丸みが消えて顎がシャープになり、首筋に影が落ちる。肩と胸板は厚みを増し、腹には縦のラインが浮かんでいる。数字の変化は、確実に現実に刻まれていた。



昼過ぎ、財布を開くと、画面が光を放った。

【資産:¥120,000突破】

【クエスト発生】
・内容:投資の勉強を始めろ
・条件:投資関連の本を三冊読み、レポートにまとめろ
・報酬:知力+2 SP+10

「三冊……か」

難易度は高い。けど、このタイミングで資産ブーストの意味を深めるのも悪くない。俺は書店に向かい、「株式入門」「投資信託ガイド」「行動経済学の基礎」の三冊を購入した。

冷房の効いた図書館で三日間読みふけり、ノートに要点をまとめた。暗記力+10%のスキルがフル稼働し、頭の中に知識が吸い込まれていく。グラフの見方、リスク分散の基本、心理が市場を動かす仕組み。難しい単語も、ペンを走らせるうちに血肉になっていく感覚があった。

【クエスト達成!】
・知力+2
・SP+10

「……やった」

表示されたSPは52.0。あの二つのスキルが同時に狙える数字だった。



【スキルショップ】
・身長アップ(+5cm):SP20
・身体強化Lv1:SP30

【スキル詳細:身長アップ(+5cm)】
・効果:身長+5cm
・説明:睡眠中に成長ホルモンを促進し、骨格を自然に伸ばす。副作用なし。

【スキル詳細:身体強化Lv1】
・効果:筋力+3、耐久+3
・説明:肉体の基礎性能を飛躍的に高める。筋線維の密度が増し、心肺機能も強化される。

「……両方、いける」

ずっと夢見ていた言葉を、実際に口にする日が来た。

【スキル購入:身長アップ(+5cm)】
【スキル購入:身体強化Lv1】

SP残り2。けれど胸の奥には大きな達成感が広がっていた。



翌朝、ベッドから立ち上がった瞬間、視界の高さに違和感を覚えた。

【身長:168.1cm(+8cm)】

机と椅子のバランスが変わり、制服の裾も少し短く感じる。アプリで測定すると確かに5cm伸びていた。

さらに体を動かしてみると、力が湧き上がる。拳を握ると腕全体に弾力が走り、階段を一気に駆け上がっても息が切れない。

【筋力:14.0】
【耐久:15.0】

「……これが本物の力か」

声に出すだけで実感がわいた。



夏休み最後の仕上げに、美容室へ向かった。

【クエスト発生】
・内容:髪を染めてイメチェン
・条件:自然に似合うカラーを選べ
・報酬:魅力+2 SP+2

「今日は染めてみたいんです。自然に見える色で」
「じゃあアッシュブラウンにしましょう。柔らかく見えますよ」

仕上がった髪は軽やかに揺れ、茶色が陽光に透ける。鏡の中に映るのは、都会の高校生のように垢抜けた自分だった。

【クエスト達成!】
・魅力+2
・SP+2



その夜。リビングに降りた俺を見て、家族が一斉に固まった。
母が手を口に当て、声を震わせる。
「陽斗……あんた、本当に陽斗なの?」
父は新聞を下ろし、しばらく言葉を失ったまま俺を見つめる。
そして妹の美咲が呆然とした顔でつぶやいた。
「……うそ。お兄ちゃん……かっこよくなってんじゃん」

その言葉に胸が熱くなった。いつも馬鹿にされ、距離を置かれていた妹の口から「かっこいい」と言われる日が来るなんて。数字じゃない、本物の変化を実感する瞬間だった。



【現在のステータス】
・名前:佐久間 陽斗
・年齢:16
・身長:168.1cm(+8cm)
・体重:62.0kg
・体脂肪率:16%
・筋力:14.0
・耐久:15.0
・知力:12(+1)
・魅力:11.2
・資産:¥120,000(+2000/日)
・SP:2.0
・スキル:早食いLv1/資産ブースト(+2000/日)/暗記力+10%/身体強化Lv1



夏休みの初めとは、まるで別人になった俺。
身長、筋力、見た目――すべてが変わった。
次に待つのは新学期。
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