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110、衝撃の告白 1
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「先程、お付きになりました。」
マリエッテの声で、微睡から目が覚める。
誰?誰か、来たの?ヒュン?
「起きたか?」
ヒュン……!
声よりも先に、ウリートは笑顔で答える。
あぁ、ヒュンが居てくれた…体調を崩して臥せっている時にも良くこうして側にいてくれたっけ…ヒュンの存在は本当に安心できて、嬉しくて、ちょっとこそばゆくて…今ではそんな淡い感情だけで片付かない思いを胸一杯に溢れさせているけれども…
「愛してるよ、ウリー…」
僕が言う前に、ヒュンは言葉をくれる…
「僕も、です…寝坊でしたか?」
今は何時ごろなんだろうか?かなり寝込んでしまったと思うのだが…それに…
「何方が?」
誰かの訪問を告げるマリエッテの声があった。
「ん?大した客じゃない。が、少し顔を出してこなければならなくなった。ウリー、食事をして待っていられるか?」
そう、食事…いつから食べていないんだっけ?
「はい。頂きます。」
良く寝たせいか、さっき目覚めた時よりも身体は動きそうではある。
「そうか、ではマリエッテ、少し席を外す。」
「はい。かしこまりました、若様。」
先程はプリプリと怒っていたマリエッテなのだが、もう溜飲を下げたのだろうか…それとも己の思うがままにヒュンに食ってかかったのか、聞いて見ないと…使用人が主人に盾突いては不味いだろうから…
「では、ウリー後でな?」
軽くウリートの髪を撫で付けるように撫でるとヒュンダルンは客人の元へと向かう。
「はい、いってらっしゃいませ。」
「ん…」
心なしか、酷くヒュンダルンは満足そうに振り返って部屋を出た。
「マリエッテ…」
「はい。直ぐにお食事のご用意をこちらにいたしますからね?」
「うん…マリエッテ…ありがとうね。」
ベッドに座って……まだ、下半身の違和感が…けれども頑張って座って、マリエッテを正面から見て、僕は謝意を表した。
「そんな……ウリート様…当たり前のことなのですよ?マリエッテにとっては…ウリート様がお気になさる必要はないのです!あ、ちゃんと特別手当も頂きましたから!」
「それでもだよ。いつも、ありがとう。」
ニッコリとウリートが安心しきった笑顔を向けられる者はそんなに多い訳じゃない。それだけ、マリエッテには心を許している。
「はい…はい。しかと、このマリエッテ、ウリート様の謝意をお受けいたします。ですからどうか、無茶はなさらないでくださいね?」
ここで体調を崩してしまっては元も子もないからだ。
「うん。ヒュンが帰ってくるまでに食事をしちゃおう!」
本当ならば一緒に食べたいところだけれども、客人によっては無碍にもできない理由がある。いつヒュンダルンが戻ってこれるか分からないから。
「お食事が終わりましたらご入浴いたしましょう?ウリート様、そのままでは落ち着きませんでしょうから。」
身体は綺麗にして貰っていたようで、どこも気持ちは悪くはないのだけれど…やはりお湯に入って身体をほぐした方が良さそうなくらいには、疲労はしているかな…
「うん、そうする…」
なんとかベッドに座り直して、マリエッテが用意してくれた食事を取ろうと、少しだけ衣類の袖を捲ったら………
「あ……」
「……………………」
バッチリと、自分の両腕には跡が付いていました…そして隣で給仕をしようとしているマリエッテにもバッチリ見られているはず…なのに、無言………
「さ、ウリート様、冷めないうちにどうぞ?ドリンクはオレンジにしてみましたわ。どうでしょう?」
この所、色々な味を用意してくれるから飽きが来ないで飲めるドリンクを美味しくいただいて、ゆっくりと食事をする。マリエッテが手首の跡について何も言及してこないのが返って怖いのだけれども、僕としてもこちらからアレコレ説明するにも憚れるもので……どちらも気まずい沈黙を守りつつ静かな、異様に静かな食事となってしまった…
だってマリエッテ…何も聞いてこないから…言わなくて良いよね……?ヒュンにマリエッテの怒りが向くようならば、ちゃんと説明しよう。うん……
よし、とりあえずは、入浴…………
ニコニコニコニコ…マリエッテは笑っている。
「マ、マリエッテ?」
「はい、ここに。」
「え………と……?」
お風呂に入るんだよね?
食器を下げつつ入浴後の着替えとかを用意しているので、この後浴室に連れていかれるのだろうけれど、何故だかマリエッテは上機嫌なんだ…
「はい、左様ですよ。本日は良く暖まれる様に濁り湯をご用意しましたからね?」
「あ、うん…ありがとう。」
まだヨロヨロとしてしまう僕の手と身体を支えて浴室に連れて行って貰った。
いつもの容易に、いつもの入浴…今日はお湯が真っ白で…花びらが散らしてあって、なんだか幻想的な雰囲気がある。
「………………」
「…………………」
ここでも、マリエッテは無言…何となく、その理由は分かっている…マリエッテもわかっていて今日のお風呂は真っ白なんだろう。
僕の両手の他に、身体中に紅い痕が点々と……これを見越して、マリエッテはお湯を濁したものと思われる……
マリエッテの声で、微睡から目が覚める。
誰?誰か、来たの?ヒュン?
「起きたか?」
ヒュン……!
声よりも先に、ウリートは笑顔で答える。
あぁ、ヒュンが居てくれた…体調を崩して臥せっている時にも良くこうして側にいてくれたっけ…ヒュンの存在は本当に安心できて、嬉しくて、ちょっとこそばゆくて…今ではそんな淡い感情だけで片付かない思いを胸一杯に溢れさせているけれども…
「愛してるよ、ウリー…」
僕が言う前に、ヒュンは言葉をくれる…
「僕も、です…寝坊でしたか?」
今は何時ごろなんだろうか?かなり寝込んでしまったと思うのだが…それに…
「何方が?」
誰かの訪問を告げるマリエッテの声があった。
「ん?大した客じゃない。が、少し顔を出してこなければならなくなった。ウリー、食事をして待っていられるか?」
そう、食事…いつから食べていないんだっけ?
「はい。頂きます。」
良く寝たせいか、さっき目覚めた時よりも身体は動きそうではある。
「そうか、ではマリエッテ、少し席を外す。」
「はい。かしこまりました、若様。」
先程はプリプリと怒っていたマリエッテなのだが、もう溜飲を下げたのだろうか…それとも己の思うがままにヒュンに食ってかかったのか、聞いて見ないと…使用人が主人に盾突いては不味いだろうから…
「では、ウリー後でな?」
軽くウリートの髪を撫で付けるように撫でるとヒュンダルンは客人の元へと向かう。
「はい、いってらっしゃいませ。」
「ん…」
心なしか、酷くヒュンダルンは満足そうに振り返って部屋を出た。
「マリエッテ…」
「はい。直ぐにお食事のご用意をこちらにいたしますからね?」
「うん…マリエッテ…ありがとうね。」
ベッドに座って……まだ、下半身の違和感が…けれども頑張って座って、マリエッテを正面から見て、僕は謝意を表した。
「そんな……ウリート様…当たり前のことなのですよ?マリエッテにとっては…ウリート様がお気になさる必要はないのです!あ、ちゃんと特別手当も頂きましたから!」
「それでもだよ。いつも、ありがとう。」
ニッコリとウリートが安心しきった笑顔を向けられる者はそんなに多い訳じゃない。それだけ、マリエッテには心を許している。
「はい…はい。しかと、このマリエッテ、ウリート様の謝意をお受けいたします。ですからどうか、無茶はなさらないでくださいね?」
ここで体調を崩してしまっては元も子もないからだ。
「うん。ヒュンが帰ってくるまでに食事をしちゃおう!」
本当ならば一緒に食べたいところだけれども、客人によっては無碍にもできない理由がある。いつヒュンダルンが戻ってこれるか分からないから。
「お食事が終わりましたらご入浴いたしましょう?ウリート様、そのままでは落ち着きませんでしょうから。」
身体は綺麗にして貰っていたようで、どこも気持ちは悪くはないのだけれど…やはりお湯に入って身体をほぐした方が良さそうなくらいには、疲労はしているかな…
「うん、そうする…」
なんとかベッドに座り直して、マリエッテが用意してくれた食事を取ろうと、少しだけ衣類の袖を捲ったら………
「あ……」
「……………………」
バッチリと、自分の両腕には跡が付いていました…そして隣で給仕をしようとしているマリエッテにもバッチリ見られているはず…なのに、無言………
「さ、ウリート様、冷めないうちにどうぞ?ドリンクはオレンジにしてみましたわ。どうでしょう?」
この所、色々な味を用意してくれるから飽きが来ないで飲めるドリンクを美味しくいただいて、ゆっくりと食事をする。マリエッテが手首の跡について何も言及してこないのが返って怖いのだけれども、僕としてもこちらからアレコレ説明するにも憚れるもので……どちらも気まずい沈黙を守りつつ静かな、異様に静かな食事となってしまった…
だってマリエッテ…何も聞いてこないから…言わなくて良いよね……?ヒュンにマリエッテの怒りが向くようならば、ちゃんと説明しよう。うん……
よし、とりあえずは、入浴…………
ニコニコニコニコ…マリエッテは笑っている。
「マ、マリエッテ?」
「はい、ここに。」
「え………と……?」
お風呂に入るんだよね?
食器を下げつつ入浴後の着替えとかを用意しているので、この後浴室に連れていかれるのだろうけれど、何故だかマリエッテは上機嫌なんだ…
「はい、左様ですよ。本日は良く暖まれる様に濁り湯をご用意しましたからね?」
「あ、うん…ありがとう。」
まだヨロヨロとしてしまう僕の手と身体を支えて浴室に連れて行って貰った。
いつもの容易に、いつもの入浴…今日はお湯が真っ白で…花びらが散らしてあって、なんだか幻想的な雰囲気がある。
「………………」
「…………………」
ここでも、マリエッテは無言…何となく、その理由は分かっている…マリエッテもわかっていて今日のお風呂は真っ白なんだろう。
僕の両手の他に、身体中に紅い痕が点々と……これを見越して、マリエッテはお湯を濁したものと思われる……
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