[完]番Ωの空白の30分 αの手から零れ落ちたΩの落ちる先は…

小葉石

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50 僕達の [完]

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 慌ただしい日々はあっという間に過ぎていくものだ。

 10年と言う期限を切られた光生は、それよりも更に短い期間で役員全員を認めさせると言い置いて、大学で勉強する傍ら会社へ出向き光大に付いて猛勉強を開始した。

 文字通り寝る間も惜しむスケジュールに羽織達もハラハラと心配はしたが、持ち合わせた能力は流石αとでも言うのか光生は容量よく次々にこなしていく……


「くすぅぅぅ……すぅぅ……くぅぅぅ。」

 小さなベッドの横で小さな寝息と重なって光生の寝息が聞こえている。勉強と仕事の合間を縫って家に帰れば家族サービスにも徹してくれる光生は良き夫であり父である。

「あらら…やっぱり寝落ちしちゃったか……」

「本当だ…ここ数日徹夜って言ってなかった?」

「うん。今日はやっと時間を作ったんだって…」

 家に帰って食事をして、待ち望んでいた羽織の子供の光矢の顔を見に子供部屋に入ったら、その子と一緒に今は夢の中……

「折角今日言おうと思ったのにね?」

「本当…疲れてるからしょうがないわね……」

 至極残念そうなまりと松花…

 羽織達三人は高等科卒業後、そのまま妻として家庭に入っている。母屋には光大と移って来た優季、霞が住んでおり光生達はそのまま別宅での子育て中だ。

「ね、二人共これ用意してたの?」

 羽織の手には写真が数枚…まり、松花と裏に書いてあるものだ。

「そうよ、もらって来てどっちがどっちか分からなくなるから名前書いちゃった!」

「フフッ流石にまだ小さいね~どっちかなぁ?」

「先輩のはおに良く教えてもらわないとね!」

「本当!はお君私今から緊張しちゃいそう…!相談乗ってね?」

「うん。勿論!」

 羽織の手には、小さな新しい家族の写真…思い掛けずまりと松花に同時に分かった嬉しい知らせ…忙しい光生は更に父として負うべきものができて来た。きっと今まで以上に頑張ると言い切るんだろうな…

 これを知ったら、光生はどんな顔をするだろう?どんな言葉で喜びを、労いをかけてくれるか三人共今からワクワクしている。

 家族が増える…大好きな人の、大切な人の自分達の家族…僕だけの家族じゃ無くて親友みたいな心の友の家族…

 これが僕達の望んでいた、僕達の道だ。






ーーーーーーーー

あけましておめでとうございます。

ここまでお読みくださった皆様ありがとうございました。

皆様の一年が素晴らしい年となります様にお祈り申し上げます。
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