#歌は世界を救う？～異世界おっさん探訪記～

2章 旅立ち

#111 おっさん（パ）、アルトの変化に気付く。

/* 前回のあらすじ */

おっさん（パ）たち、緊急指名依頼を受ける押し付けれられる。
おっさん（パ）、チェスに目を付けられる。
おっさん（パ）たち、再び中ボス部屋へ！

/* あらすじここまで */



緊急指名依頼を受けた押し付けられたおっさん（パ）一行、依頼物の提出を忘れずに済ませて、身の回りの品を補充してからはじだんへと向かう。

その足取りが重いというのは、誰も責められないことだろう。

1人おちんぎん～♪おちんぎん～♪ヌルテカクロピカおちんぎん～♪ミるだけラクラクおちんぎん～♪と楽し気に歌っているアルトわん娘系美少女を除く。

と言うか、怪しい歌詞は別として音程やら何やら普通に音痴じゃないことに今の今まで気付かなかったおっさん（パ）、不思議に思っていると



[それが担い手様自身の影響力ですわ]

[私たちの次に良く担い手様の歌を聴いていたので、歌い方を学んだ解呪されつつあるのでしょう]

[他の時も結構一人で歌ってるみたいっすよ、自分も結構好きっすね。　あの変な歌詞は別として]



と、精霊さんたちから言われるおっさん（パ）、そんなに顔に出ているんだろうかと訝しむ。


「そうなのか、でもそれってマズいんじゃ？　アーリア、その辺りどうなんだろう？？」

「今の歌くらいでどうにかなる、とは思いたくはないが用心するに越したことはないな」

「アルト、楽しんでいるところ悪いが人の居るところでは絶対に歌うんじゃないぞ」

「きっとろくでもないことになるに違いないからな」

「わかったのですよ～♪」


と、アーリアの諫言に対して調子を付けつつ返すアルト、こいつ絶対解ってないなとため息をつくおっさん（パ）一行。

結局、いつも通りエルからえびちりの刑を受けて身に沁みCHOUKYOUさせる・・・こととなりました。

重いアフロを左に右に、体もフラフラとさせてついてくるアフト（アルト＋アフロ）の様子を見つつ歩くパっさん（おっさん＋ゆるふわ毛先パーマ）一行はじだんへ着く。

前回来た際には感じられなかったが、こうして見ると何だか異様な雰囲気を感じるパっさん一行、しかも何だか


「何だか……ワセリン臭い気がしませんか？」

「ワカダンナもそう思ったか、実は私もだ。　奴を連想してしまいその影響かとも思ったが気のせいではなかったのだな」


そういう事を言われてはじだんを見ると、5階建ての塔が以前より若干黒ずんだ上に何だかヌルヌルテカテカしているようにも見える。

ぶっちゃけ触りたくないな、とパっさんたちが思うのも仕方がないが、緊急指名依頼の関係上行かない訳にもいかず、何だか臭うかぎ梯子を頑張って登り4Fへと戻る。


「中ボス部屋はここから３Fへ戻ってすぐ、だ。　解っているとは思うが気を抜くなよ！！」

「恐らく、ヤツならば既にこちらを補足していてもおかしくはないからな！」