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プロローグ
プロローグ 3
しおりを挟む俺がゴブリンになってから暫くの時が流れていた。
その間にゴブリン化について解ったのは、まず、性欲が高まるとゴブリンになってしまう。
性欲は我慢出来ないほど猛烈で、人間の女を犯したいという邪念に支配され、その性欲を発散すると人間に戻ることが出来た。
そもそも性欲が高まるとゴブリンになってしまう原因は判明していないが、間違いなく、あのゴブリンの黒い霧が俺の身体に吸い込まれたのが関係しているだろう。
あの黒い霧は、ゴブリンの魂だったのではと思う。
呪術師に相談して視てもらったが呪いの類はかかっていないと言われてしまった。
完全に人間に戻れない状況であり、もしかしたら、このゴブリン化と一生付き合わないといけないかもしれないが、それはそれで最悪ではなかった。
ゴブリンになると敏捷性や聴力が上がり、夜目が利くようになった。泥水や腐ったものを口にしても何とも無かった。
他に気配察知能力が高く、特に同族のゴブリンの気配を強く感じ取れた。ゴブリンが群れを作りやすい所以なのだろう。
ゴブリンもとより他の魔物からも滅多に襲われなくなった。襲ってくる奴もいたが以前よりは楽だった。
そして最大の恩恵は、性交をすると身体能力が若干向上することだった。
人間は鍛錬しないと強くなれないが、人間と性交するだけで強くなれた。
相手が強ければ、レベルの高ければ、その分、身体能力が上昇した。
しがない冒険者だった俺は、この能力をを利用して、自分の欲望を満たすようになった。
冒険者ギルドで、特に新米冒険者の動向を探り、討伐などに向かうところを見計らってつけ狙った。
隙を見ては襲いかかったり、またはゴブリンの巣に潜り込んでは、捕らえられている村人や冒険者を犯した。(その後、意識がある者は救い出してはいる)
ゴブリン形態の時は人間に対しての罪悪感を一切感じられなくなっていた。
やり過ぎたせいで俺のゴブリン形態は討伐対象として手配されてしまったが、普段(人間)の時は、街で人間として過ごしているので簡単に正体は見破られずに、動向を身近で探れているので簡単に見つかりはしないだろう。
いつからか俺は最初からゴブリンだったのではと思い始めるようになった。
ゴブリンが人間の皮を被っているだけに過ぎず、あの黒い霧は本当の自分をさらけ出してくれただけだったかもしれない。
ふと思う。
街の中ですれ違う人々やゴブリンの中に、俺と同じよう人間が紛れ込んでいるのではないかと。
そんなことを考えながら、俺は今日もゴブリンとなり冒険者を待ち構えていた。
いつか自分だけのハーレムな王国を築く夢を見ながら--
-to be continued-
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