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第三章 義姉 ―杉本 結衣―
【3】
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その言葉は、彼女を繋ぎ止めていた理性が完全に崩壊した合図だった。
拓海は、彼女の柔らかな肩を抱き寄せ、服裾からその肌に直接触れた。
(……柔らかい)
今、腕の中にいる結衣は「繊細な熱」を放っている。
そして彼女本来の甘い体臭に、初恋相手への慕情が混ざり合い、拓海の独占欲を激しく突き動かした
「……結衣さん、本当に、いいんですね」
「……お願い、拓海さん。私を、一人の女として扱って」
結衣の唇が、拓海の首筋に吸いつく。
その間に拓海は、彼女の服をゆっくりと脱がせていく。
現れたのは、翔との間に一子を設けているとは思えないほど、瑞々しく整った肢体だった。
拓海の手が、結衣の背中から腰へと滑り落ちる。その手が触れるたびに、結衣はビクンと身体を跳ねさせ、吐息を漏らす。
「あ……んっ、拓海さん……。そこ……そんなに強く触られたら……っ」
節くれ立った大きな手が、自分の柔らかな肌を蹂躙していく感覚。その刺激が、結衣の十年来の凪だった心を一気に震えさせ、布団が大きく波打ち、二人の体温が混ざり合った。
拓海も、かつて憧れたこの人のすべてを今、自分の支配下に置いているという優越感に震えた。
「……結衣さん、昨日見たものよりも……もっと凄いのを、してあげますよ」
「っ……あ、ああ……っ、拓海さん……っ!」
拓海は結衣の膝を割り、その最奥へと自身を沈めた。
結衣の反応を一つ一つ確かめるように、深く、重く、情念を刻み込む。
結衣の口からは、抑えきれない悦びの喘ぎが溢れ出す。
遠く久しくなった、自分を「一人の女」として、暴力的なまでの熱量で求めてくれる存在。
結衣は拓海の首に必死にしがみつき、彼の背中に爪を立て、自ら腰を突き上げた。
「すごい……拓海さんの、こんなに……っ、私……もう……っ!」
薄い布団という壁の中で、二人は名家のしきたりも、家族の絆も、すべてを忘れて、ただ一点の快楽へと溶け合っていった。
誰かがまだ近くにいるかもしれないというスリルが、彼らの感覚をさらに鋭敏にさせ、絶頂への速度を加速させていく。
激しい昂ぶりの後、布団の中には二人の吐息と、逃げ場のない熱気だけが濃密に淀んでいた。
結衣は拓海の逞しい胸に顔を埋めたまま、しばらくの間、小刻みに身体を震わせていた。
それは、生まれて初めて味わった「女としての充足感」に、心が追いつかないためだった。
「……はぁ、っ……拓海、さん……。すごかった……翔さんとは、あんなに……気持ちよくなったことがなかったわ」
結衣の声は掠れ、潤いを含んだ吐息となって拓海の耳をくすぐった。拓海は愛おしむように彼女の細い肩を抱き寄せ、その消えない熱を噛み締める。
「……俺も、あんなに無我夢中で腰を振ったのは初めてです。あんなにたくさん、出ちゃうなんて……」
「ふふ、そういってくれると。私も嬉しいわ……」
結衣は名残惜しそうに、拓海の胸板を指先でそっとなぞった。配送の仕事で鍛え上げられたその厚み、弾力、浮き出た血管。それは、最近すっかり腹が出て、自分を一人の女として扱わなくなった夫・翔の肉体とは、あまりにも対極にあるものだった。
「……拓海さんは、まだしばらくここに居るわよね?」
「ええ。今まで長期休暇を取っていなかったので、今回まとめて取得しましたから。しばらくはここで、ゆっくりする予定です」
「それなら……その。拓海さんが良ければ、また……こういう『マッサージ』をお願いしても良いかしら?」
彼女の言葉に、拓海はゴクリと唾を呑み込んだ。
清楚で家庭的な義姉が、夫の不在をこれほどはっきりと「好機」として捉えている。
その大胆な意思表示に、下腹部が再び熱を帯びるのを自覚した。
「……結衣さんがいいなら、俺はいつでもお相手しますよ。でも、本当に……いいんですか?」
「ふふ、ありがとう。だって、旦那様だって言っていたじゃない? 拓海“くん”を掃除や力仕事、何でも手伝わせろ……ってね。私、ちゃんと言いつけを守っているだけよ」
「はは、確かに。それじゃ、いつでも結衣さんを全力でお手伝いさせていただきますね」
「ええ。期待しているわ、拓海くん。……よろしくね」
結衣は拓海の耳元でそう囁くと、唇に一瞬だけ熱を落とした。それは、甘く、破滅的な共犯者としての誓いだった。
手早く服の乱れを直し、いつもの「完璧な義姉」の顔に戻った結衣は、艶やかな足取りで部屋を後にした。
独り残された部屋で、拓海は大きく息を吐き出した。
部屋にはまだ、結衣の柔らかな残り香が沈殿している。翔がいないこの数日間。迷宮のように入り組んだ古い日本家屋は、拓海と女たちが織りなす「不義の迷宮」へと、さらにその深さを増していこうとしていた。
「……さて、起きるか」
拓海はTシャツを被り、自分の中に漲る、使い切れないほどのエネルギーを自覚しながら、部屋を後にしたのであった。
拓海は、彼女の柔らかな肩を抱き寄せ、服裾からその肌に直接触れた。
(……柔らかい)
今、腕の中にいる結衣は「繊細な熱」を放っている。
そして彼女本来の甘い体臭に、初恋相手への慕情が混ざり合い、拓海の独占欲を激しく突き動かした
「……結衣さん、本当に、いいんですね」
「……お願い、拓海さん。私を、一人の女として扱って」
結衣の唇が、拓海の首筋に吸いつく。
その間に拓海は、彼女の服をゆっくりと脱がせていく。
現れたのは、翔との間に一子を設けているとは思えないほど、瑞々しく整った肢体だった。
拓海の手が、結衣の背中から腰へと滑り落ちる。その手が触れるたびに、結衣はビクンと身体を跳ねさせ、吐息を漏らす。
「あ……んっ、拓海さん……。そこ……そんなに強く触られたら……っ」
節くれ立った大きな手が、自分の柔らかな肌を蹂躙していく感覚。その刺激が、結衣の十年来の凪だった心を一気に震えさせ、布団が大きく波打ち、二人の体温が混ざり合った。
拓海も、かつて憧れたこの人のすべてを今、自分の支配下に置いているという優越感に震えた。
「……結衣さん、昨日見たものよりも……もっと凄いのを、してあげますよ」
「っ……あ、ああ……っ、拓海さん……っ!」
拓海は結衣の膝を割り、その最奥へと自身を沈めた。
結衣の反応を一つ一つ確かめるように、深く、重く、情念を刻み込む。
結衣の口からは、抑えきれない悦びの喘ぎが溢れ出す。
遠く久しくなった、自分を「一人の女」として、暴力的なまでの熱量で求めてくれる存在。
結衣は拓海の首に必死にしがみつき、彼の背中に爪を立て、自ら腰を突き上げた。
「すごい……拓海さんの、こんなに……っ、私……もう……っ!」
薄い布団という壁の中で、二人は名家のしきたりも、家族の絆も、すべてを忘れて、ただ一点の快楽へと溶け合っていった。
誰かがまだ近くにいるかもしれないというスリルが、彼らの感覚をさらに鋭敏にさせ、絶頂への速度を加速させていく。
激しい昂ぶりの後、布団の中には二人の吐息と、逃げ場のない熱気だけが濃密に淀んでいた。
結衣は拓海の逞しい胸に顔を埋めたまま、しばらくの間、小刻みに身体を震わせていた。
それは、生まれて初めて味わった「女としての充足感」に、心が追いつかないためだった。
「……はぁ、っ……拓海、さん……。すごかった……翔さんとは、あんなに……気持ちよくなったことがなかったわ」
結衣の声は掠れ、潤いを含んだ吐息となって拓海の耳をくすぐった。拓海は愛おしむように彼女の細い肩を抱き寄せ、その消えない熱を噛み締める。
「……俺も、あんなに無我夢中で腰を振ったのは初めてです。あんなにたくさん、出ちゃうなんて……」
「ふふ、そういってくれると。私も嬉しいわ……」
結衣は名残惜しそうに、拓海の胸板を指先でそっとなぞった。配送の仕事で鍛え上げられたその厚み、弾力、浮き出た血管。それは、最近すっかり腹が出て、自分を一人の女として扱わなくなった夫・翔の肉体とは、あまりにも対極にあるものだった。
「……拓海さんは、まだしばらくここに居るわよね?」
「ええ。今まで長期休暇を取っていなかったので、今回まとめて取得しましたから。しばらくはここで、ゆっくりする予定です」
「それなら……その。拓海さんが良ければ、また……こういう『マッサージ』をお願いしても良いかしら?」
彼女の言葉に、拓海はゴクリと唾を呑み込んだ。
清楚で家庭的な義姉が、夫の不在をこれほどはっきりと「好機」として捉えている。
その大胆な意思表示に、下腹部が再び熱を帯びるのを自覚した。
「……結衣さんがいいなら、俺はいつでもお相手しますよ。でも、本当に……いいんですか?」
「ふふ、ありがとう。だって、旦那様だって言っていたじゃない? 拓海“くん”を掃除や力仕事、何でも手伝わせろ……ってね。私、ちゃんと言いつけを守っているだけよ」
「はは、確かに。それじゃ、いつでも結衣さんを全力でお手伝いさせていただきますね」
「ええ。期待しているわ、拓海くん。……よろしくね」
結衣は拓海の耳元でそう囁くと、唇に一瞬だけ熱を落とした。それは、甘く、破滅的な共犯者としての誓いだった。
手早く服の乱れを直し、いつもの「完璧な義姉」の顔に戻った結衣は、艶やかな足取りで部屋を後にした。
独り残された部屋で、拓海は大きく息を吐き出した。
部屋にはまだ、結衣の柔らかな残り香が沈殿している。翔がいないこの数日間。迷宮のように入り組んだ古い日本家屋は、拓海と女たちが織りなす「不義の迷宮」へと、さらにその深さを増していこうとしていた。
「……さて、起きるか」
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