α作家はΩ男子を嫁に迎える。

亀吉

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如月野秋

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 「……あの……。」
 野秋は反論に困っていた。
 実はこの社会はΩに対する偏見があった。それは昔ほどではないが、今の時代でも無くなったわけではなかった。Ωはα、βと呼ばれる性のものとは違い、圧倒的弱者であった。そのため、αの番を持たないΩはβと偽って生きていくのが一般的であった。
 Ωだとバレれば何をされるかは優に想像がつく。Ωは男女問わず種付けをされれば子供を孕み、生むことができる。さらに、Ωにはヒートと呼ばれる発情期があり、そのせいで活動範囲や時期が固定されてしまう。また、そのヒートのせいでフェロモンを発生させてしまい、望まない番契約やレイプ事件が起こることも少なくはない。
 しかし、被害者であるのはΩだけではなかった。そのフェロモンの匂いによって発情させられてしまうαもまた被害者だった。
 立場の弱い悪質なΩもこの社会にはおり、権力のあるαを狙って自身の体にヒートを促す誘発剤を打ち相手のαに無理やり自分のうなじを噛ませ番契約をさせることもあった。
 そのため、お互いがお互いに信頼できる人物にしか自分がα、β、Ωのいずれかの性であることを伝えてはならない暗黙のルールがあった。
 つまり、鏡が今ここで彼に対してこのはなしをするというのは失礼極まりないことであった。
 が、鏡は野秋が自分の性を発言するのを待っているように視線をはずすことをしなかった。
 野秋は困り果て、マスターである浅野に視線で助けを求めたが当の本人はニコニコと笑っているだけであった。
 もし、この三人の異様な回想を見ているものがいたのなら、鏡は間違いなくセクハラ的行為を野秋にしていることは間違いない。
 野秋は困惑するばかりだった。

 「かーがーみー!!」
 この状況から野秋を助ける声がやっと聞こえたのだった。
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