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第1章
第01話「召喚、大失敗!」
さて、うまくいくでしょうか……。
果てしなく広がる白い空間。そこに白いローブを着た青年が立っていた。
円形の文字が刻まれた陣や、持ち込んだ様々なサイズの服の山を入念にチェックし、最後に宙に浮かんだ手のひらサイズの人形を不安そうに見つめる。
人形の手には、自身の金色の長髪から抜き取った一本の髪が握られていた。
「準備良し。あとはこれを媒体となる人形に埋め込んで……っと」
そのまま髪を人形の胸元に差し込むと、まるで意志を持ったかのように微かに震える。
「後は異世界から魂を召喚して、この人形に宿せば完成……と。なるほど」
隣で浮かんでいる書物が、その目線に合わせて自動的にページをめくっていく。
「ノクス、準備は整ったかしらぁ?」
突然耳元で響く男性の声に、ノクスと呼ばれた青年は思わず肩を跳ね上げた。
「うわっ! グリオール、驚かさないでください!」
光の中から現れたのは、白い服を着た、縮れ毛の黒髪にガタイの良いオネエ口調の男性――グリオールだった。
「びっくりするほど集中してたのぉ? 初めての守護者召喚だからしょうがないけどぉ」
グリオールはクスッと笑いながら陣を覗き込む。
「だ、段取りさえ守れば失敗するはずがありませんよ。た、多分!」
ノクスはそう言いながら鼻を鳴らす。強がってはいるが、明らかに不安げだった。
「はぁ……もう~仕方ないわねぇ。ほら、アタシの髪も使っときなさい。天人二人分の力なら安心でしょ?」
見かねたグリオールは自分の髪を一本取ると、人形の胸元に差し込む。
「あ、ありがとうございます。恩に着ます」
「にしても守護者召喚……ねぇ。ついにノクスにも出番が回ってくるなんて、あの予言もいよいよ現実味が増してきたわねぇ」
そんな呟きを尻目に、ノクスは陣にエネルギーを集めていく。
「いざ、我が守護者よ! 異世界の果てより、この地に来たれ!」
陣が光を放ち、人形が浮き上がると共に激しい風が吹き荒れた。
ノクスが手をかざすと、光の中で人形の姿が変わり始める。どんどん大きさを変え、やがて人の形になっていく。
そして光が収まったとき――陣の中央に現れたのは、まだあどけなさの残る顔立ちに、鍛え抜かれ、引き締まった体を持つ少年だった。
「んぐぉおおお~! んががが……っ」
陣の中心で、大の字になって裸で寝転ぶ、豪快にいびきをかくその姿はまさに野生動物のようだった。
「……これが、守護者?」
ノクスは訝しげにその姿を見つめる。
すると、隣にいたグリオールが驚愕の顔で一歩後ずさった。
「やだ……! ウソ……! コイツ……!」
「グリオール……?」
彼は少年の股間をガン見しながら、目を輝かせて大声を上げた。
「きゃあああっ♡ これは大物だわぁぁ~っ!!!」
「何を見ての感想なんですか……ゴホン! とにかく、これって本当に成功したんですかね?」
「アタシに聞かれてもねぇ……。この子を召喚したのはアンタでしょ?」
少年の胸が上下するたび、鍛え上げられた筋肉がわずかに震える。
「もう少し眺めたいけどぉ、とりあえず何か着せてあげたら?」
「そ、そうですね。一応、どんな体格の者が来てもいいように準備はしていましたが……」
後ろに積まれていた衣服の山から少年用の服を見繕い、唱えたのは服を着せる術。
すると、少年は光に包まれ、その衣服を身にまとった。
「あら、こんなところに服の山が。いつの間に用意してたの?」
「元々、どんな人間が現れても対応できるよう、色んなサイズの服を持ち込んでおいたのです。まさかこんな筋肉質な少年が来るとは思わなかった……」
「相変わらず用意周到ねぇ? アタシの時はイケメンだったから眼福するまでしばらく裸のまま過ごさせてたわぁ♪」
「貴方は逆に行き当たりばったり過ぎですよ……」
ノクスは少年に近づき、肩を揺する。
「おーい、起きてください! 君、召喚されたんですよ!」
その瞬間、少年の眉がピクリと動いた。ゆっくりと目を開け、寝ぼけながら周囲を見回す。
「う、んん……? ここ……どこだ?」
目をこすりながら、ぼんやりとした様子で問いかける。
「……やっと目を覚ましたわね。本当に図太い神経だこと」
グリオールも呆れ顔で呟いた。
少年が返事をしたことに、ノクスは安堵の表情を浮かべる。
「あなたは僕が召喚した守護者です。そして君にとってここは異世界になります」
「守護者? 何の話だ……??」
少年は眉をひそめ、大きく伸びをした。
ノクスは引きつった笑顔を浮かべ、慌てて言葉を続ける。
「えっと、その……あなたは守護者として召喚されたんです! 名前は……?」
「んぁ? 俺の名前……? ええっと……、ライガ」
そして首をかしげながら続けた。
「んん~? あれ、変だな。ライガって名前以外何も思い出せねぇぞ?」
その言葉に、ノクスは驚きのあまり声を上げた。
「記憶が……ない? いや、でも、召喚された者はその瞬間に自らの役目を理解しているはず……!」
グリオールは少し考えこみ、小さくつぶやく。
「ね~ぇ? これってもしかして、召喚事故ってやつじゃない?」
「……え? 召喚事故!?」
ノクスは驚き、顔色を変えた。
◆◇◆◇
「自分の髪を入れた人形を魔方陣の中央へ……。うん、手順に間違いはない……。ふむふむ」
ノクスは召喚に使った本を睨みつけながら呟く。
その間、ライガはテーブルに並べられた料理を夢中で頬張っていた。
ナイフやフォークなど目もくれず、肉を直接かぶりつく様は、まるで野生児そのものだ。
「やっぱり、あの子は召喚の際に記憶が抜け落ちちゃったみたいねぇ」
冗談めかすように言いながらも、グリオールの視線は鋭い。
「でも言葉や会話は通じてるし、最低限の知能はあるみたい。けれど突然異世界に呼ばれて、あれだけ平然としてる子も珍しいわ。普通はパニックになるものなのに」
「え……。やっぱりそうなんですか?」
ノクスが眉をひそめる。
「そりゃそうよぉ! いくら役目を頭で理解してても、当事者からすれば何の前触れもなく見知らぬ土地に誘拐されたようなものなのよ?」
確かに、自分に立場を置き換えてみれば最初は混乱して当たり前だ。
「家族や恋人の名前を呼んで泣く子もいれば、元の世界に返せと逆ギレする子もいる。大体どの召喚主も、その対応に手を焼くの」
グリオールの言う通りだ。
異世界人だって、自分が生きてきた世界がある。ノクスは改めてその重責を痛感した。
「うちの子だって、最初はかなり落ち込んでたわねぇ」
「とは言ったものの……。手順通りの方法で召喚事故が起きたケースなんて聞いたことがありません。何か別の要因が……?」
最初に決めた段取りや計算が狂うことが、何よりも苦手だった。
ノクスはますます混乱してしまう。
「まぁ、召喚自体は成功したみたいね。アタシは用事が溜まってるから一旦お家に帰るけど。また様子を見に来るわね?」
グリオールはノクスを心配しつつも、パチンと指を鳴らし、光に包まれて消えていく。
「……おい! 肉無くなったぞ! もっと食わせろ!」
テーブルの肉料理を食べ尽くし、さらに要求する声が聞こえてくる。
「わ、分かりましたよ……」
ノクスが指を鳴らすと、空間に豪華な料理が現れた。
「うぉ! すげぇ~! 肉だ!」
「ええ、ステーキに野菜、ケーキにフルーツの盛り合わせもありますよ」
ライガは鉄板の上でジュウジュウと音を立てるステーキを頬張るのに夢中で、説明など耳に入っていない。ノクスの眉がピクピクと動く。
「えっと……。食べ過ぎないでくださいよ?」
そう言いながら指を鳴らすと、自分用の椅子と淹れたての紅茶が目の前に現れる。
(それにしても、こんな子が本当に守護者としての素質があるのだろうか……? いや、何かしら強い魂であることは間違いないはず……)
そんな事を考えながら、紅茶を手に取った。
――ドゴッ!
その瞬間、勢いよく飛んできた骨がノクスの顔面に命中する。
「……がぶふぁっ!? あっつぅぅぅうう!!??」
「んぁ? ひゅまん、ふぇがしゅへっは」
骨付き肉を豪快に食べ終わって適当に投げ捨てた物が当たったようだ。
「~~~っ!! いえ、いえ、いえ! 大丈夫です! 別にこの日のために新調した服が汚れるくらい、全然気にしませんよ? ええ、ぜんぜ……」
その瞬間、ホールケーキが顔面に直撃した。
「べっ!? ぶっ!?? ぼばふはっ!?」
次々と料理が飛んでくる。魚のグリル、フルーツの盛り合わせ…。ノクスの顔面は、もはや芸術作品のように食べ物で塗り固められた。
「んん~、はぁ~! 食った食ったぁ!!!」
ライガは満腹になり、満足げに背を伸ばす。
「ふぅ~……、はぁっ!」
ノクスは必死に顔を拭きながら、やっとのことで笑顔を作った。
「さて、満腹になったのなら、話の続きを……」
「んが~! ぐぅおお~……んががが……」
しかし、目に入ってきた光景は、椅子に座ったままぐっすり眠る少年の姿だった。
「こんな……こんな無茶苦茶な守護者が当たるなんて……。これは、失敗したかもしれない……」
ノクスは嘆きのあまり、ガックリと肩を落とすのだった。
果てしなく広がる白い空間。そこに白いローブを着た青年が立っていた。
円形の文字が刻まれた陣や、持ち込んだ様々なサイズの服の山を入念にチェックし、最後に宙に浮かんだ手のひらサイズの人形を不安そうに見つめる。
人形の手には、自身の金色の長髪から抜き取った一本の髪が握られていた。
「準備良し。あとはこれを媒体となる人形に埋め込んで……っと」
そのまま髪を人形の胸元に差し込むと、まるで意志を持ったかのように微かに震える。
「後は異世界から魂を召喚して、この人形に宿せば完成……と。なるほど」
隣で浮かんでいる書物が、その目線に合わせて自動的にページをめくっていく。
「ノクス、準備は整ったかしらぁ?」
突然耳元で響く男性の声に、ノクスと呼ばれた青年は思わず肩を跳ね上げた。
「うわっ! グリオール、驚かさないでください!」
光の中から現れたのは、白い服を着た、縮れ毛の黒髪にガタイの良いオネエ口調の男性――グリオールだった。
「びっくりするほど集中してたのぉ? 初めての守護者召喚だからしょうがないけどぉ」
グリオールはクスッと笑いながら陣を覗き込む。
「だ、段取りさえ守れば失敗するはずがありませんよ。た、多分!」
ノクスはそう言いながら鼻を鳴らす。強がってはいるが、明らかに不安げだった。
「はぁ……もう~仕方ないわねぇ。ほら、アタシの髪も使っときなさい。天人二人分の力なら安心でしょ?」
見かねたグリオールは自分の髪を一本取ると、人形の胸元に差し込む。
「あ、ありがとうございます。恩に着ます」
「にしても守護者召喚……ねぇ。ついにノクスにも出番が回ってくるなんて、あの予言もいよいよ現実味が増してきたわねぇ」
そんな呟きを尻目に、ノクスは陣にエネルギーを集めていく。
「いざ、我が守護者よ! 異世界の果てより、この地に来たれ!」
陣が光を放ち、人形が浮き上がると共に激しい風が吹き荒れた。
ノクスが手をかざすと、光の中で人形の姿が変わり始める。どんどん大きさを変え、やがて人の形になっていく。
そして光が収まったとき――陣の中央に現れたのは、まだあどけなさの残る顔立ちに、鍛え抜かれ、引き締まった体を持つ少年だった。
「んぐぉおおお~! んががが……っ」
陣の中心で、大の字になって裸で寝転ぶ、豪快にいびきをかくその姿はまさに野生動物のようだった。
「……これが、守護者?」
ノクスは訝しげにその姿を見つめる。
すると、隣にいたグリオールが驚愕の顔で一歩後ずさった。
「やだ……! ウソ……! コイツ……!」
「グリオール……?」
彼は少年の股間をガン見しながら、目を輝かせて大声を上げた。
「きゃあああっ♡ これは大物だわぁぁ~っ!!!」
「何を見ての感想なんですか……ゴホン! とにかく、これって本当に成功したんですかね?」
「アタシに聞かれてもねぇ……。この子を召喚したのはアンタでしょ?」
少年の胸が上下するたび、鍛え上げられた筋肉がわずかに震える。
「もう少し眺めたいけどぉ、とりあえず何か着せてあげたら?」
「そ、そうですね。一応、どんな体格の者が来てもいいように準備はしていましたが……」
後ろに積まれていた衣服の山から少年用の服を見繕い、唱えたのは服を着せる術。
すると、少年は光に包まれ、その衣服を身にまとった。
「あら、こんなところに服の山が。いつの間に用意してたの?」
「元々、どんな人間が現れても対応できるよう、色んなサイズの服を持ち込んでおいたのです。まさかこんな筋肉質な少年が来るとは思わなかった……」
「相変わらず用意周到ねぇ? アタシの時はイケメンだったから眼福するまでしばらく裸のまま過ごさせてたわぁ♪」
「貴方は逆に行き当たりばったり過ぎですよ……」
ノクスは少年に近づき、肩を揺する。
「おーい、起きてください! 君、召喚されたんですよ!」
その瞬間、少年の眉がピクリと動いた。ゆっくりと目を開け、寝ぼけながら周囲を見回す。
「う、んん……? ここ……どこだ?」
目をこすりながら、ぼんやりとした様子で問いかける。
「……やっと目を覚ましたわね。本当に図太い神経だこと」
グリオールも呆れ顔で呟いた。
少年が返事をしたことに、ノクスは安堵の表情を浮かべる。
「あなたは僕が召喚した守護者です。そして君にとってここは異世界になります」
「守護者? 何の話だ……??」
少年は眉をひそめ、大きく伸びをした。
ノクスは引きつった笑顔を浮かべ、慌てて言葉を続ける。
「えっと、その……あなたは守護者として召喚されたんです! 名前は……?」
「んぁ? 俺の名前……? ええっと……、ライガ」
そして首をかしげながら続けた。
「んん~? あれ、変だな。ライガって名前以外何も思い出せねぇぞ?」
その言葉に、ノクスは驚きのあまり声を上げた。
「記憶が……ない? いや、でも、召喚された者はその瞬間に自らの役目を理解しているはず……!」
グリオールは少し考えこみ、小さくつぶやく。
「ね~ぇ? これってもしかして、召喚事故ってやつじゃない?」
「……え? 召喚事故!?」
ノクスは驚き、顔色を変えた。
◆◇◆◇
「自分の髪を入れた人形を魔方陣の中央へ……。うん、手順に間違いはない……。ふむふむ」
ノクスは召喚に使った本を睨みつけながら呟く。
その間、ライガはテーブルに並べられた料理を夢中で頬張っていた。
ナイフやフォークなど目もくれず、肉を直接かぶりつく様は、まるで野生児そのものだ。
「やっぱり、あの子は召喚の際に記憶が抜け落ちちゃったみたいねぇ」
冗談めかすように言いながらも、グリオールの視線は鋭い。
「でも言葉や会話は通じてるし、最低限の知能はあるみたい。けれど突然異世界に呼ばれて、あれだけ平然としてる子も珍しいわ。普通はパニックになるものなのに」
「え……。やっぱりそうなんですか?」
ノクスが眉をひそめる。
「そりゃそうよぉ! いくら役目を頭で理解してても、当事者からすれば何の前触れもなく見知らぬ土地に誘拐されたようなものなのよ?」
確かに、自分に立場を置き換えてみれば最初は混乱して当たり前だ。
「家族や恋人の名前を呼んで泣く子もいれば、元の世界に返せと逆ギレする子もいる。大体どの召喚主も、その対応に手を焼くの」
グリオールの言う通りだ。
異世界人だって、自分が生きてきた世界がある。ノクスは改めてその重責を痛感した。
「うちの子だって、最初はかなり落ち込んでたわねぇ」
「とは言ったものの……。手順通りの方法で召喚事故が起きたケースなんて聞いたことがありません。何か別の要因が……?」
最初に決めた段取りや計算が狂うことが、何よりも苦手だった。
ノクスはますます混乱してしまう。
「まぁ、召喚自体は成功したみたいね。アタシは用事が溜まってるから一旦お家に帰るけど。また様子を見に来るわね?」
グリオールはノクスを心配しつつも、パチンと指を鳴らし、光に包まれて消えていく。
「……おい! 肉無くなったぞ! もっと食わせろ!」
テーブルの肉料理を食べ尽くし、さらに要求する声が聞こえてくる。
「わ、分かりましたよ……」
ノクスが指を鳴らすと、空間に豪華な料理が現れた。
「うぉ! すげぇ~! 肉だ!」
「ええ、ステーキに野菜、ケーキにフルーツの盛り合わせもありますよ」
ライガは鉄板の上でジュウジュウと音を立てるステーキを頬張るのに夢中で、説明など耳に入っていない。ノクスの眉がピクピクと動く。
「えっと……。食べ過ぎないでくださいよ?」
そう言いながら指を鳴らすと、自分用の椅子と淹れたての紅茶が目の前に現れる。
(それにしても、こんな子が本当に守護者としての素質があるのだろうか……? いや、何かしら強い魂であることは間違いないはず……)
そんな事を考えながら、紅茶を手に取った。
――ドゴッ!
その瞬間、勢いよく飛んできた骨がノクスの顔面に命中する。
「……がぶふぁっ!? あっつぅぅぅうう!!??」
「んぁ? ひゅまん、ふぇがしゅへっは」
骨付き肉を豪快に食べ終わって適当に投げ捨てた物が当たったようだ。
「~~~っ!! いえ、いえ、いえ! 大丈夫です! 別にこの日のために新調した服が汚れるくらい、全然気にしませんよ? ええ、ぜんぜ……」
その瞬間、ホールケーキが顔面に直撃した。
「べっ!? ぶっ!?? ぼばふはっ!?」
次々と料理が飛んでくる。魚のグリル、フルーツの盛り合わせ…。ノクスの顔面は、もはや芸術作品のように食べ物で塗り固められた。
「んん~、はぁ~! 食った食ったぁ!!!」
ライガは満腹になり、満足げに背を伸ばす。
「ふぅ~……、はぁっ!」
ノクスは必死に顔を拭きながら、やっとのことで笑顔を作った。
「さて、満腹になったのなら、話の続きを……」
「んが~! ぐぅおお~……んががが……」
しかし、目に入ってきた光景は、椅子に座ったままぐっすり眠る少年の姿だった。
「こんな……こんな無茶苦茶な守護者が当たるなんて……。これは、失敗したかもしれない……」
ノクスは嘆きのあまり、ガックリと肩を落とすのだった。
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