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第1章
第07話「初めての外出」
ノクスの目に映る街は、いつにも増して活気に満ちていた。天人たちが行き交い、買い物や談笑に興じている。
そんな賑わいの中、ちらりと後ろを振り返ると、ライガがキョロキョロと周囲を見回していた。
「……なぁ、ノクス。ここなんだ?」
「ここは地上とアルフレイルの中間地点ですよ。天人と地上人が唯一交流できる街なんです」
「ん? ちじょうじん??」
ライガが首をかしげる。
「……おっと、その説明がまだでしたね」
ノクスは軽く咳払いし、空を指差した。
「我々の住んでいる世界を“天界”と呼んでいましたよね? 天があるなら地もあります。天人達が済む世界より下にも別の世界があるのですよ」
補足するようにグリオールが露店を指差す。
「……で、地上人ってのはほら、あそこでお店構えてる人達よぉ。っていっても見た目や背格好はアタシ達とあまり変わらないんだけどねぇ~」
ライガは露店の商人たちが天人客相手に笑顔で品物を売っている様子をまじまじと見つめている。
「本当だ。確かにお前らと見た目あんま変わんねぇな」
「まぁ、違いは色々ありますけどね。……っと、その説明は歩きながらにしましょう。段取り良くタスクをこなさないと。まずはライガの服を見繕いますよ!」
広場の時計を見て、少し足を速めた。
◆◇◆◇
通りを歩きながら、ライガが声を上げた。
「なぁ、あいつら普通に店出してるけど、地上人でも天人に会えるのか?」
「あくまで地上世界の業者だけですよ。一般の地上人は転移ゲートを通る許可が下りませんから」
「……んぁ? 転移ゲート?」
「ほら、あれのことよ?」
グリオールが視線を向ける先には、大きな輪のような装置が時折光を放っていた。
「呼んで字のごとく、別空間からゲートを通って物資を運び込むの。服や素材は地上世界のほうが質がいいから、こうして交流地点が作られたのよぉ」
「ふぅ~ん? 地上人ってのは、俺たちみたいにここまで歩いて来てる訳じゃねーんだな」
ライガが納得したように頷くのを見て、ノクスは微笑む。
「ええ。この中継地点でさえ、かなり地上と距離がありますからね。それにしても、今日は何だかゲートの光が弱々しいですね……? 調子でも悪いんでしょうか?」
「あら、そうなの? アタシあんまり気にしたことなかったわねぇ」
「グリオール……。貴方はもう少し気にすべきですよ。僕の補佐役なんですから!」
「ま、良いじゃな~い? 細かいことは。とりま服屋に行きましょうよ~? ライガちゃんだって、いつまでもそんな恰好じゃ目立つでしょぉ?」
その提案に、ノクスも渋々うなずく。
「そうですね。せっかくならライガに自分で選んでもらいましょうか」
◆◇◆◇
「だから! それは下着だって言ってるでしょ! こっち、こっちにしなさい!」
「うるせぇ! そんな動きにくそうなの着られるか! もうこれで良いだろ!?」
小さな服飾店の中で、ライガとノクスが服を取り合う。怒声は店の外まで漏れ、他の客はすでに店を出ていた。
「アンタら、店の外まで声がだだ洩れよぉ~? ったく、自分で選ばせるって言ったくせに」
そうこうしているうちに、外で待っていたグリオールが呆れ顔で店内に入ってきた。
ノクスもライガも一歩も引かず、互いに棚から別の服を手に取っては大声で言い争いを繰り広げる。
「……それにしても、アイツまだ来ないのかしら~?」
グリオールが何かブツブツと呟く中、ノクスが一着の服をライガに押しつけた。
「ならこれ! これなら動きやすいですし、質も抜群ですよ!」
「いやだ!」
「もう、わがまま言わないで! じゃあこっちにしましょう! はい、決定!!」
「うるせぇっ! 触んな! 脱がすな! 着せるなぁぁっ!」
棚をひっくり返す勢いで繰り広げられる二人の攻防に、店主も遠巻きに彼らが勝手に決着をつけてくれることを祈るばかり、といった様子だ。
しばらく言い合いを続けた後、ようやく店内は静かになった。
「……あら? あらまぁ!」
グリオールの視線の先には、黒い服に身を包んだライガの姿があった。
素肌に袖のない上着、ジッパー付きで動きやすそうなデザインだ。短パンに黒色で統一された服は、ライガの野性味を引き立てている。店内の明かりが服の艶やかな黒を映し、服の隙間から見え隠れしているライガの筋肉が一層目を引く。
「へぇ~、素敵♪ 似合ってるじゃない」
「……ふんっ!」
ライガはそっぽを向いたまま腕を組む。だが、鏡越しに自分の姿をちらりと見て、口元が微かに緩んだ。
「ふふ、気に入ったのぉ?」
「……う、うるせぇなっ!」
グリオールがからかうように言うと、ライガは慌てて鏡から目を逸らした。
「はぁ、やれやれ。とりあえずこれなら街に出ても大丈夫でしょう。では店長、この服一式頂けますか?」
「はい、毎度あり~! ええっと、この服なら……魂力はこのくらいですかね」
「うう……。結構な出費……。いやしかし、あれはあれでカッコいいし……ブツブツ」
ノクスは手から光る雫を落とし、店主がそれを受け取る。
ふと、ライガの訝しげな視線に気づいた。
「なぁ、それ何やってんだ……?」
「あら? もしかしてまだ魂力については教えてもらってないのかしら?」
「……ああ、そういえば」
ノクスは広場の空いているベンチを指差した。
「丁度良い機会ですね。説明はあそこでしましょうか」
◆◇◆◇
「さて、と……」
ベンチに腰掛けると、ノクスは少し力を込めて手をパッと開く。
「これが魂力です。アルフレイルでは欠かせないエネルギー源なんです」
ノクスの手のひら、その中央に小さな光の粒がいくつもフヨフヨと浮いていた。その光は淡く揺らめきながら、柔らかな温かさを周囲に漂わせる。
「この魂力と呼ばれているものは、アルフレイルに無くてはならないもので、様々なエネルギーの元となるのです」
グリオールがその説明を補足するように、ノクスの手に集まった光を指さす。
「でもねぇ? この力の根源って、実は地上人の魂なの」
「地上人の……?」
ノクスはコクリと頷くと、続けた。
「地上の人間は死後、アルフレイルを経由して次の命に生まれ変わります。その際、膨大なエネルギーをこのアルフレイルに生み出すのです。僕たちはそのエネルギーを行使しているに過ぎません」
ライガは腕を組んで黙り込み、説明に耳を傾ける。
「ライガちゃん。召喚された際にノクスから一通りの説明は受けたと思うけど、疑問に思わなかった? 何故地上人がいるのに、わざわざ異世界から守護者を召喚しているのか」
「そういえば……。何でだ?」
「地上人を守護者にしちゃうと、魂が転生できなくなっちゃうのね。そうなると、転生する際のエネルギーも生み出せなくなるのよぉ」
「んん~? つまりどういうことだ?」
いまいち理解しきれていない様子に、見かねたノクスは広場の中央にある水浴び場を指さした。
「ではライガ。あそこの水を皆がコップ一杯ずつ、どんどん入れて持っていけばどうなりますか?」
「そんなの……決まってんだろ? 水が無くなっていく……。あ!」
合点がいったとばかりにポンと手をたたく。
「そうです。地上人だって毎日のようにバタバタ死んでいる訳ではありません。彼らの魂を守護者にしてしまっては、やがて魂の循環が途絶えてしまう。そこで異世界人の魂を使うことで、循環を妨げることなく守護者を得ることにしたのです」
「ふぅ~ん……」
相変わらず半信半疑のようだが、その仕組みを徐々に理解し始めたのか質問を続ける。
「まぁ異世界人の召喚ってのが必要な理由は分かった。でさ、その魂力ってので服を貰ってたのは?」
「魂力には様々な使い方があるんですよ。例えば……」
そう言いながらゴソゴソと懐から何かを取り出す。
それは手のひらサイズの精巧な人形――いや、ライガを模した“人形”だった。
「あっ、それは……っ!」
その時、野生の勘が働いたのか、それともこれから自分に起こる事態を察知したのか、ライガの表情が一気に引きつった。
そんな賑わいの中、ちらりと後ろを振り返ると、ライガがキョロキョロと周囲を見回していた。
「……なぁ、ノクス。ここなんだ?」
「ここは地上とアルフレイルの中間地点ですよ。天人と地上人が唯一交流できる街なんです」
「ん? ちじょうじん??」
ライガが首をかしげる。
「……おっと、その説明がまだでしたね」
ノクスは軽く咳払いし、空を指差した。
「我々の住んでいる世界を“天界”と呼んでいましたよね? 天があるなら地もあります。天人達が済む世界より下にも別の世界があるのですよ」
補足するようにグリオールが露店を指差す。
「……で、地上人ってのはほら、あそこでお店構えてる人達よぉ。っていっても見た目や背格好はアタシ達とあまり変わらないんだけどねぇ~」
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「まぁ、違いは色々ありますけどね。……っと、その説明は歩きながらにしましょう。段取り良くタスクをこなさないと。まずはライガの服を見繕いますよ!」
広場の時計を見て、少し足を速めた。
◆◇◆◇
通りを歩きながら、ライガが声を上げた。
「なぁ、あいつら普通に店出してるけど、地上人でも天人に会えるのか?」
「あくまで地上世界の業者だけですよ。一般の地上人は転移ゲートを通る許可が下りませんから」
「……んぁ? 転移ゲート?」
「ほら、あれのことよ?」
グリオールが視線を向ける先には、大きな輪のような装置が時折光を放っていた。
「呼んで字のごとく、別空間からゲートを通って物資を運び込むの。服や素材は地上世界のほうが質がいいから、こうして交流地点が作られたのよぉ」
「ふぅ~ん? 地上人ってのは、俺たちみたいにここまで歩いて来てる訳じゃねーんだな」
ライガが納得したように頷くのを見て、ノクスは微笑む。
「ええ。この中継地点でさえ、かなり地上と距離がありますからね。それにしても、今日は何だかゲートの光が弱々しいですね……? 調子でも悪いんでしょうか?」
「あら、そうなの? アタシあんまり気にしたことなかったわねぇ」
「グリオール……。貴方はもう少し気にすべきですよ。僕の補佐役なんですから!」
「ま、良いじゃな~い? 細かいことは。とりま服屋に行きましょうよ~? ライガちゃんだって、いつまでもそんな恰好じゃ目立つでしょぉ?」
その提案に、ノクスも渋々うなずく。
「そうですね。せっかくならライガに自分で選んでもらいましょうか」
◆◇◆◇
「だから! それは下着だって言ってるでしょ! こっち、こっちにしなさい!」
「うるせぇ! そんな動きにくそうなの着られるか! もうこれで良いだろ!?」
小さな服飾店の中で、ライガとノクスが服を取り合う。怒声は店の外まで漏れ、他の客はすでに店を出ていた。
「アンタら、店の外まで声がだだ洩れよぉ~? ったく、自分で選ばせるって言ったくせに」
そうこうしているうちに、外で待っていたグリオールが呆れ顔で店内に入ってきた。
ノクスもライガも一歩も引かず、互いに棚から別の服を手に取っては大声で言い争いを繰り広げる。
「……それにしても、アイツまだ来ないのかしら~?」
グリオールが何かブツブツと呟く中、ノクスが一着の服をライガに押しつけた。
「ならこれ! これなら動きやすいですし、質も抜群ですよ!」
「いやだ!」
「もう、わがまま言わないで! じゃあこっちにしましょう! はい、決定!!」
「うるせぇっ! 触んな! 脱がすな! 着せるなぁぁっ!」
棚をひっくり返す勢いで繰り広げられる二人の攻防に、店主も遠巻きに彼らが勝手に決着をつけてくれることを祈るばかり、といった様子だ。
しばらく言い合いを続けた後、ようやく店内は静かになった。
「……あら? あらまぁ!」
グリオールの視線の先には、黒い服に身を包んだライガの姿があった。
素肌に袖のない上着、ジッパー付きで動きやすそうなデザインだ。短パンに黒色で統一された服は、ライガの野性味を引き立てている。店内の明かりが服の艶やかな黒を映し、服の隙間から見え隠れしているライガの筋肉が一層目を引く。
「へぇ~、素敵♪ 似合ってるじゃない」
「……ふんっ!」
ライガはそっぽを向いたまま腕を組む。だが、鏡越しに自分の姿をちらりと見て、口元が微かに緩んだ。
「ふふ、気に入ったのぉ?」
「……う、うるせぇなっ!」
グリオールがからかうように言うと、ライガは慌てて鏡から目を逸らした。
「はぁ、やれやれ。とりあえずこれなら街に出ても大丈夫でしょう。では店長、この服一式頂けますか?」
「はい、毎度あり~! ええっと、この服なら……魂力はこのくらいですかね」
「うう……。結構な出費……。いやしかし、あれはあれでカッコいいし……ブツブツ」
ノクスは手から光る雫を落とし、店主がそれを受け取る。
ふと、ライガの訝しげな視線に気づいた。
「なぁ、それ何やってんだ……?」
「あら? もしかしてまだ魂力については教えてもらってないのかしら?」
「……ああ、そういえば」
ノクスは広場の空いているベンチを指差した。
「丁度良い機会ですね。説明はあそこでしましょうか」
◆◇◆◇
「さて、と……」
ベンチに腰掛けると、ノクスは少し力を込めて手をパッと開く。
「これが魂力です。アルフレイルでは欠かせないエネルギー源なんです」
ノクスの手のひら、その中央に小さな光の粒がいくつもフヨフヨと浮いていた。その光は淡く揺らめきながら、柔らかな温かさを周囲に漂わせる。
「この魂力と呼ばれているものは、アルフレイルに無くてはならないもので、様々なエネルギーの元となるのです」
グリオールがその説明を補足するように、ノクスの手に集まった光を指さす。
「でもねぇ? この力の根源って、実は地上人の魂なの」
「地上人の……?」
ノクスはコクリと頷くと、続けた。
「地上の人間は死後、アルフレイルを経由して次の命に生まれ変わります。その際、膨大なエネルギーをこのアルフレイルに生み出すのです。僕たちはそのエネルギーを行使しているに過ぎません」
ライガは腕を組んで黙り込み、説明に耳を傾ける。
「ライガちゃん。召喚された際にノクスから一通りの説明は受けたと思うけど、疑問に思わなかった? 何故地上人がいるのに、わざわざ異世界から守護者を召喚しているのか」
「そういえば……。何でだ?」
「地上人を守護者にしちゃうと、魂が転生できなくなっちゃうのね。そうなると、転生する際のエネルギーも生み出せなくなるのよぉ」
「んん~? つまりどういうことだ?」
いまいち理解しきれていない様子に、見かねたノクスは広場の中央にある水浴び場を指さした。
「ではライガ。あそこの水を皆がコップ一杯ずつ、どんどん入れて持っていけばどうなりますか?」
「そんなの……決まってんだろ? 水が無くなっていく……。あ!」
合点がいったとばかりにポンと手をたたく。
「そうです。地上人だって毎日のようにバタバタ死んでいる訳ではありません。彼らの魂を守護者にしてしまっては、やがて魂の循環が途絶えてしまう。そこで異世界人の魂を使うことで、循環を妨げることなく守護者を得ることにしたのです」
「ふぅ~ん……」
相変わらず半信半疑のようだが、その仕組みを徐々に理解し始めたのか質問を続ける。
「まぁ異世界人の召喚ってのが必要な理由は分かった。でさ、その魂力ってので服を貰ってたのは?」
「魂力には様々な使い方があるんですよ。例えば……」
そう言いながらゴソゴソと懐から何かを取り出す。
それは手のひらサイズの精巧な人形――いや、ライガを模した“人形”だった。
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