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第2章
第30話「本音」
満月が夜空を静かに照らしていた。その柔らかな月明かりが、部屋の窓から差し込み、ゲストルームをほのかに染めている。ノクスはその静かな部屋で、レオンに声をかけた。
「レオン君、ベッドの硬さは大丈夫ですか?」
ゲストルームとは言っても、室内にあるのは机とベッドだけの簡素な空間だった。レオンは静かに首を縦に振った。
「はい、問題ありません」
そう答えた彼は、少し間を置いてから、そっと自分の服の裾に視線を落とす。
「あの……この服、わざわざご用意くださり、ありがとうございます」
礼儀正しい声音に、ノクスは微笑みながら首を振った。
「ああ、気にしないでください。初めて守護者を召喚する時に、いろんなサイズの服を用意しておいたんです。まさか、こんな形で活用できるとは思いませんでしたが」
風呂から上がったレオンに渡したその服は、ぴったりと体に合っていた。
整った肩幅と、引き締まった胴回り。胸元の開いた部分からは鍛えられた胸筋がのぞく。ノクスは、そんなレオンの姿をついじっと観察してしまう。
(ふぅむ……こうして見ると、ライガだけじゃなく、レオン君にも着せ替えさせてみたくなってきますねぇ……♪)
妄想が表情に出てしまったのかもしれない。レオンが首を傾げ、こちらを見た。
「……? ノクス様、何か俺に粗相でも……」
はっとして、ノクスは慌てて手を振った。
「おっと、失礼! いえいえ、今日は本当に助かりましたよ、レオン君。特にライガの相手なんて、大変だったでしょう?」
その言葉に、レオンはわずかに視線を伏せる。
「……いえ」
それだけを返すと、彼は静かにベッドに腰を下ろした。
ノクスは用意していたティーカップにホットミルクを注ぎ、湯気の立つそれをレオンに差し出す。
「……どうぞ」
「……ありがとうございます。ノクス様」
レオンは両手でカップを持ち、一口含む。ふぅ、と小さく息をついた。
「どうしました? 何か、思い悩んでいるような……」
「……………」
レオンは何か言いたげに見えるが、きっかけを探しているようにも見えた。
「……僕ね、本音を言うと、ライガのこと、不安だったんです」
静かな部屋にノクスの声が響く。その口調には、自分でも珍しい迷いが混じっていた。
「………え?」
レオンが手元のカップを机に置き、じっとこちらを見つめる。
「小さな頃から僕は、勉強だけが全てでした」
ノクスは小さく笑うが、その表情はどこか自嘲的だった。
「周りの大人たちがそれしか僕に求めなかったから、そうしていただけかもしれませんね。勉強ができれば褒められる。だから、同年代の子どもたちと遊ぶとか、友達を作るとか……そういうことは、不必要だと感じていました」
夜空に輝く星を見つめた。
いつもと大して変わらないはずなのに、少しかすんで見える。
「他人に足を引っ張られるのが嫌で、計画通りに物事を進めることばかりに価値を置くようになって……効率と成果だけが大事だと信じていました。政務官になったのも、自然な流れだったのでしょう」
ノクスはふっと視線を上げ、レオンを見る。
「でも、レオン君はライガに浄化装置の説明をわかりやすく伝えたり、巨人を前に震えるあの子を励ましたり、いつも気にかけていました。その姿を見て、僕はずっと何か大切なものを見落としてきたのではないかと思うようになったんです」
レオンは表情を変えず、黙って聞いている。
「ライガには、最初どう接すればいいのか、正直わかりませんでした。彼はワガママで自由で、僕とは正反対。けれど一緒にいるうちに、その無鉄砲さの中の意思や大胆な発想が面白いと感じる自分がいました。一緒に居て疲れるのに、放っておけない。不思議な感覚です」
口調は、もう迷いよりも決意に近い。
「人は自分と違うもの、同調できないものから壁を作って避けたがる。けれど、あの子はその壁をいとも簡単に壊す。いくら作り直してもお構いなしにね。そうなると、だんだん壁を作るのが馬鹿らしくなって、気付けばあの子のペースですよ」
レオンはその冗談めいた言葉にも真剣に耳を傾けていた。
「……今まで独りだった僕の元に、ライガが現れて、君も隣にいてくれた。それが偶然か必然かはわからないけれど、僕にとってはきっと運命だったのでしょう」
ノクスは少し照れたように笑い、静かに頭を下げた。
「本当に感謝しています。僕が気づけなかったことを、君たちが教えてくれたから」
直後、レオンがわずかに目を伏せたように見えた。姿勢はいつも通りだが、心の奥で何かが動いている気配をノクスは感じた。
「俺はただ、ライガのためにやったことが、あなたにとって良いことなら、それで満足です」
その言葉が、まるで自分に言い聞かせているように響く。
「それに、レオン君がライガを見守る姿を見ると、僕ももっとライガのことを考えなければと感じます」
レオンはしばし黙り込んだ。目の奥に何かを探すような光が宿る。
「僕にも、ライガと主従関係以上の……絆のようなものが出来れば良いのですが」
レオンが小さく頷く。
「ライガとノクス様の間には、絆のようなものが芽生えている……と感じます」
「ありがとうございます。それを言うなら君とライガにも絆を感じますよ」
ノクスは微笑む。
「性格こそ正反対ですが、似たところもあります。そういえばあの子の部屋に行きましたよね? 本がたくさんあったでしょう。最近は絵本に興味を示しています」
「絵本………」
「ええ。絵本を通じて文字も覚えてきています。レオン君も、夕食のマナーや料理の知識を図書館で学んだと話していましたね?」
「……はい。本は好きです。料理以外にも、歴史を学ぶのが好きなので、天界には無い地上界の資料を自分で集めたりしています」
「ああ、やっぱり。そういうところも似ていますよ。それに、君がライガに見せる表情はまるで――」
そこまで言った時、レオンが強く言葉を返した。
「違います、違うんです! 俺は、アイツを――……」
部屋の静けさを破る声に、ノクスは目を見開く。レオンの表情は険しく、強い感情がにじんでいるように見えた。
「レオン君……」
名を呼ぶと、彼は深く息を吸い、落ち着きを取り戻したように見えた。
「……すみません、取り乱しました。」
「大丈夫ですよ」
少し間を置いて、レオンが言った。
「俺は、きっと傷付けてしまう。俺が居ることで、ライガの居場所が無くなってしまうかもしれない」
ノクスは眉をひそめる。
「あの、それはどういう……」
しかし、レオンは答えず、硬く握った手を見つめていた。
「俺には、守れない。この肉体がある限り……! 本当は、こんなの間違ってるって分かっているのに!」
言葉の途中で、声がかすれる。
ノクスはそれ以上追及せず、ただ静かに夜空へと目を向けた。
――輝く星々が、冷たい光で瞬いている。
「僕はきっと、あの子にはこれからも散々苦労させられるでしょうね」
「ノクス、さま……?」
「でも、その度に僕はもう独りじゃないと実感できるのです。苦労するのも、騒がしいのも、あの子が居ればこそですしね」
視線の端で、レオンの表情がわずかに変わったように見えた。
その意味は分からないが、さっきまでの硬さが少し和らいだ気がする。
「それは、ライガにとっても一緒だと思います」
レオンが眉をひそめる。
「ライガに……とっても?」
ノクスは小さくうなずき、言葉を続けた。
「人は、孤独に耐えられないんです。一人のほうが気楽だと言う人もいるでしょうが、本当はどうなんでしょう? 眠れない時、誰かの温もりを求めたことは? 誰も信じられないと泣いた時、慰めてくれる存在を探したことは?」
レオンの視線が揺れ、口元がわずかに引き結ばれる。
「急がなくても良いんです。誰かを待っているのも、探しに行くのも自由。だけど、自分は独りで良いと思う事だけはいけません」
「いまのライガはもう……孤独ではないんですね?」
「ええ、僕が居ます。もしライガが孤独だったら、僕が必ず手を差し伸べますよ」
その瞬間、レオンが勢いよく近づいてきた。
何が起きたのか理解する前に、ノクスは正面から抱きしめられていた。
「……ありがとう、ございます!」
声がわずかに震えている。
ノクスの肩越し、レオンの目元がきらりと光ったのが見えた。
それが涙なのかどうか、確かめる前に抱擁の力がさらに強まった。
「レオン君、ベッドの硬さは大丈夫ですか?」
ゲストルームとは言っても、室内にあるのは机とベッドだけの簡素な空間だった。レオンは静かに首を縦に振った。
「はい、問題ありません」
そう答えた彼は、少し間を置いてから、そっと自分の服の裾に視線を落とす。
「あの……この服、わざわざご用意くださり、ありがとうございます」
礼儀正しい声音に、ノクスは微笑みながら首を振った。
「ああ、気にしないでください。初めて守護者を召喚する時に、いろんなサイズの服を用意しておいたんです。まさか、こんな形で活用できるとは思いませんでしたが」
風呂から上がったレオンに渡したその服は、ぴったりと体に合っていた。
整った肩幅と、引き締まった胴回り。胸元の開いた部分からは鍛えられた胸筋がのぞく。ノクスは、そんなレオンの姿をついじっと観察してしまう。
(ふぅむ……こうして見ると、ライガだけじゃなく、レオン君にも着せ替えさせてみたくなってきますねぇ……♪)
妄想が表情に出てしまったのかもしれない。レオンが首を傾げ、こちらを見た。
「……? ノクス様、何か俺に粗相でも……」
はっとして、ノクスは慌てて手を振った。
「おっと、失礼! いえいえ、今日は本当に助かりましたよ、レオン君。特にライガの相手なんて、大変だったでしょう?」
その言葉に、レオンはわずかに視線を伏せる。
「……いえ」
それだけを返すと、彼は静かにベッドに腰を下ろした。
ノクスは用意していたティーカップにホットミルクを注ぎ、湯気の立つそれをレオンに差し出す。
「……どうぞ」
「……ありがとうございます。ノクス様」
レオンは両手でカップを持ち、一口含む。ふぅ、と小さく息をついた。
「どうしました? 何か、思い悩んでいるような……」
「……………」
レオンは何か言いたげに見えるが、きっかけを探しているようにも見えた。
「……僕ね、本音を言うと、ライガのこと、不安だったんです」
静かな部屋にノクスの声が響く。その口調には、自分でも珍しい迷いが混じっていた。
「………え?」
レオンが手元のカップを机に置き、じっとこちらを見つめる。
「小さな頃から僕は、勉強だけが全てでした」
ノクスは小さく笑うが、その表情はどこか自嘲的だった。
「周りの大人たちがそれしか僕に求めなかったから、そうしていただけかもしれませんね。勉強ができれば褒められる。だから、同年代の子どもたちと遊ぶとか、友達を作るとか……そういうことは、不必要だと感じていました」
夜空に輝く星を見つめた。
いつもと大して変わらないはずなのに、少しかすんで見える。
「他人に足を引っ張られるのが嫌で、計画通りに物事を進めることばかりに価値を置くようになって……効率と成果だけが大事だと信じていました。政務官になったのも、自然な流れだったのでしょう」
ノクスはふっと視線を上げ、レオンを見る。
「でも、レオン君はライガに浄化装置の説明をわかりやすく伝えたり、巨人を前に震えるあの子を励ましたり、いつも気にかけていました。その姿を見て、僕はずっと何か大切なものを見落としてきたのではないかと思うようになったんです」
レオンは表情を変えず、黙って聞いている。
「ライガには、最初どう接すればいいのか、正直わかりませんでした。彼はワガママで自由で、僕とは正反対。けれど一緒にいるうちに、その無鉄砲さの中の意思や大胆な発想が面白いと感じる自分がいました。一緒に居て疲れるのに、放っておけない。不思議な感覚です」
口調は、もう迷いよりも決意に近い。
「人は自分と違うもの、同調できないものから壁を作って避けたがる。けれど、あの子はその壁をいとも簡単に壊す。いくら作り直してもお構いなしにね。そうなると、だんだん壁を作るのが馬鹿らしくなって、気付けばあの子のペースですよ」
レオンはその冗談めいた言葉にも真剣に耳を傾けていた。
「……今まで独りだった僕の元に、ライガが現れて、君も隣にいてくれた。それが偶然か必然かはわからないけれど、僕にとってはきっと運命だったのでしょう」
ノクスは少し照れたように笑い、静かに頭を下げた。
「本当に感謝しています。僕が気づけなかったことを、君たちが教えてくれたから」
直後、レオンがわずかに目を伏せたように見えた。姿勢はいつも通りだが、心の奥で何かが動いている気配をノクスは感じた。
「俺はただ、ライガのためにやったことが、あなたにとって良いことなら、それで満足です」
その言葉が、まるで自分に言い聞かせているように響く。
「それに、レオン君がライガを見守る姿を見ると、僕ももっとライガのことを考えなければと感じます」
レオンはしばし黙り込んだ。目の奥に何かを探すような光が宿る。
「僕にも、ライガと主従関係以上の……絆のようなものが出来れば良いのですが」
レオンが小さく頷く。
「ライガとノクス様の間には、絆のようなものが芽生えている……と感じます」
「ありがとうございます。それを言うなら君とライガにも絆を感じますよ」
ノクスは微笑む。
「性格こそ正反対ですが、似たところもあります。そういえばあの子の部屋に行きましたよね? 本がたくさんあったでしょう。最近は絵本に興味を示しています」
「絵本………」
「ええ。絵本を通じて文字も覚えてきています。レオン君も、夕食のマナーや料理の知識を図書館で学んだと話していましたね?」
「……はい。本は好きです。料理以外にも、歴史を学ぶのが好きなので、天界には無い地上界の資料を自分で集めたりしています」
「ああ、やっぱり。そういうところも似ていますよ。それに、君がライガに見せる表情はまるで――」
そこまで言った時、レオンが強く言葉を返した。
「違います、違うんです! 俺は、アイツを――……」
部屋の静けさを破る声に、ノクスは目を見開く。レオンの表情は険しく、強い感情がにじんでいるように見えた。
「レオン君……」
名を呼ぶと、彼は深く息を吸い、落ち着きを取り戻したように見えた。
「……すみません、取り乱しました。」
「大丈夫ですよ」
少し間を置いて、レオンが言った。
「俺は、きっと傷付けてしまう。俺が居ることで、ライガの居場所が無くなってしまうかもしれない」
ノクスは眉をひそめる。
「あの、それはどういう……」
しかし、レオンは答えず、硬く握った手を見つめていた。
「俺には、守れない。この肉体がある限り……! 本当は、こんなの間違ってるって分かっているのに!」
言葉の途中で、声がかすれる。
ノクスはそれ以上追及せず、ただ静かに夜空へと目を向けた。
――輝く星々が、冷たい光で瞬いている。
「僕はきっと、あの子にはこれからも散々苦労させられるでしょうね」
「ノクス、さま……?」
「でも、その度に僕はもう独りじゃないと実感できるのです。苦労するのも、騒がしいのも、あの子が居ればこそですしね」
視線の端で、レオンの表情がわずかに変わったように見えた。
その意味は分からないが、さっきまでの硬さが少し和らいだ気がする。
「それは、ライガにとっても一緒だと思います」
レオンが眉をひそめる。
「ライガに……とっても?」
ノクスは小さくうなずき、言葉を続けた。
「人は、孤独に耐えられないんです。一人のほうが気楽だと言う人もいるでしょうが、本当はどうなんでしょう? 眠れない時、誰かの温もりを求めたことは? 誰も信じられないと泣いた時、慰めてくれる存在を探したことは?」
レオンの視線が揺れ、口元がわずかに引き結ばれる。
「急がなくても良いんです。誰かを待っているのも、探しに行くのも自由。だけど、自分は独りで良いと思う事だけはいけません」
「いまのライガはもう……孤独ではないんですね?」
「ええ、僕が居ます。もしライガが孤独だったら、僕が必ず手を差し伸べますよ」
その瞬間、レオンが勢いよく近づいてきた。
何が起きたのか理解する前に、ノクスは正面から抱きしめられていた。
「……ありがとう、ございます!」
声がわずかに震えている。
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