十九歳に戻った村の書商は、契約した魔女と共に世界を書き換え、人類の頂点を目指す

kairo_arche

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エピソード9沈黙の書庫(前編)

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白柱の都市ギルドは、中央区のやや外れに存在していた。
白い石造りの三階建て。外観は整っているが、どこか威圧感がある。

扉を開けた瞬間、空気が変わった。

人の視線。
武器の重み。
そして、露骨な格付け。

「……冒険者と契約者の巣ね」

リナが小声で言う。

中は広く、壁には依頼書がびっしりと貼られている。
だが、注目を集めているのは中央の掲示板だった。

《都市防衛依頼》
《迷宮層安定化》
《魔力炉警備》

報酬は高い。
その分、危険度も高い。

「登録ですか?」

受付の女性が事務的に声をかける。

「はい。流浪の書商ですが」

「……書?」

まただ。
その単語が出るたび、空気が一瞬止まる。

「補助職ですね。ランクは最低からになります」

背後で、失笑が聞こえた。

「おいおい、書商だってさ」
「ここは戦場だぜ?」

トラヤウルスは黙っていた。
慣れている。
役に立たないと、何度も言われてきた。

だが、受付台に置かれた水晶球に触れた瞬間――

《スキル:〈書の刻印〉》
《分類:未定義》
《適性:解析・補助・成長型》

水晶球が、淡く光った。

「……?」

受付の女性が、初めて戸惑いを見せる。

「未定義……?」

周囲の冒険者たちも、ざわつき始めた。
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