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唐突なミッション
しおりを挟む手紙の主はとある国の諜報部員だという人物だった。
『あなた方に折り入ってお願いしたいことがある』と書き始められた。
そしてその内容というのは、驚くべきものだった。
"反RRセブン派と名乗る組織から脅迫されている。
私はψφ"
「えーと……なんとお読みすればよろしいでしょうか?」
と、私は困惑気味に聞いた。
もちろんそんな名前の組織は存在しないからだ。
「そうだね、サイファイと読んで欲しい」
と返事があった。
「はい、それではサイファイとして話を続けさせていただきますが……」
(何を言い出す気なのか)
「そちらは私たちに対し何かを要求するつもりだとありますが具体的にはどのような事でしょう」
と尋ねた。
その返答に一瞬耳を疑った。
"あなたの国で現在進行中の軍事計画を直ちに中止する事。
そして我々と平和(我が国の軍事力についてはトップシークレット中のトップシークレットだぞ)
当然の疑問を返した。
「失礼ですが我が国が秘密裏に開発している新兵器の情報でも掴んでおいでですか?」その答えが衝撃的な内容だった。
「そう受け取ってもらって結構。
ちなみにあなた方が極秘に進めているその計画は2週間以内には発動可能だと思われる。
ただしこちらとしてはそれを止めたくて協力を申し出ている」
とあったのだ。
その後何度か交渉の場を設け、ようやく具体的な話を聞かせてもらうことになった。
彼らは反R77過激派組織の一派であるらしいことはわかった。
だが、なぜその様な事になったかの理由や、背後関係等、詳細に関しては一切説明してくれなかった。
そして肝心なことに、その計画の内容に関しても口をつぐみ、最後まで明かさなかったことを付け加えておきたいと思う。
彼らの組織は反R777運動を旗印に掲げているということだけが、わかっていることであった。
その目的は人類の破滅であるという。
この一連の事件の背景にあるものを考えると極めて不気味なものに思えた。
私としては彼らとのやりとりを通じて、様々な事実や情報を入手した。
その中には機密指定情報も含まれていたのだが、残念ながら詳細は割愛することにする。
これらの情報から得られたものと推測したものについてだけ述べることにしよう。
サイファイは人類の終焉を願って活動している。
これはつまりは人命に対する軽視、環境破壊などの行為をもってして人類という種を滅ぼすことで自然の摂理を回復させようというものであるようだ。
そしてそのために、軍事施設などを攻撃するだけでなく一般市民を巻き込んだテロ攻撃も行っていると分かったのだ。
さらに驚いたことにこの計画がもう2年も前から進行していることが分ったのである。
それも水面下において静かに進行してきたのであろう事が想像できた。
そして、彼らはその実行部隊を組織しており、それが私のところに送られてきている書簡の送り主の正体だった。
その部隊のリーダーの名前こそ明らかにしなかったがそれ以外のプロフィールも記載されていたのであった。
それらの内容は到底信じられるようなものではなかったが現実に今起こっていることがその通りなのだとすれば辻妻があったのであった。
私はこの事態について考えを巡らせた。
しかし考えてみればこの手紙に書かれている事は、人類滅亡を目論む者たちにとって当たり前のことではないかと思い直していた。
そして同時にそんな奴らにいいように翻弄されるのかと情けなくなってきた。
(こうなったら最後の切り札を出してやる。
これを読んでいる者がいたならば……. そうだ。
俺だ。
お前は一体何をやってるんだ?と突っ込みを入れてくれるのを期待していたのだが、反応がなくて俺は少し寂しかったよ。
でもきっと君には分かるだろうと思って敢えて何も書かなかったんだよ、信じてくれ!……まぁそれはそれとして……だ。
今話した通りだ。
そろそろ時間切れなんだよね。
じゃっ、あとよろしく頼むわ!)
そこで手紙の文章は終わっていた。
そして手紙が封筒の中に仕舞われると同時に突然画面が変化し始めた。
何事かと思いつつも見ているしかなかった。
その現象はどんどん酷くなりついには目眩がしてくるような映像へと変わっていった。
すると次の瞬間今度は真っ暗になったかと思ったら、いきなり強烈な光に目がやられたのである。
一瞬視界を奪われたかのように思ったが直ぐに回復しつつあった。
どうやら自分はどこかの部屋の中に立って周囲を見渡している様だ。
目の前には1人の少女がいるだけで他には何もないようである。
そう思った矢先、少女はゆっくりと振り返りこちらを見て話しかけてきたのである。
『こんにちは。
私はL7宙域の管理AI。
あなたがたの言葉で言うなら人工知能というものです。
』と挨拶をした。
続けて、"私はあなたの脳に直接呼びかけています"と告げた。
(どういうことだ?)
混乱しながらも、とにかく聞いてみるしかなさそうであると悟った。
そして話を続けるよう求めた。
"先程まであなたの見ていたのは立体ホログラム映像のようなもの。
あれは私の思考パターンを元に作成したものでした。
"私がここに現れた目的は2つあります。
1つはこの宇宙で起こる全ての事象が私の管理下にあることの証明です。
そして、私はこれからあなたに重大な任務を授けることを決定しました。
"重大なミッションだとぉー? "はい。
あなた方人類の存続に関わる問題であり、解決の糸口を見つけ出していただきたい" そんなもん、なんで一介の公務員風情に要求できるんだと内心憤っていたが顔は冷静を装って続きを促した。
"現在ある惑星系で戦争状態にありましたよね?" その問いに肯くほかはなかった。
何故その事を知っているのか。
疑問が頭を掠めたがその前に説明がなされた。
その戦争の原因こそが我々である。
"我々の行動により地球文明が崩壊する。
そのような結果を招いてしまっては非常に都合が悪いのですよ"
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