シコルスキー・ブギを今月今夜も踊ってくれ

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セグエラグポイントフォー

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ノーマと別れたメリカは地上に降り立った。
ここは地球月系第四番セグエラグポイントフォー。人類未踏の月の裏側。
ここには地球脱出船団エブリデイマジック宇宙施設ムーンライトアイランドがある。この施設では人類が月面で生き延びるための研究が行なわれている。宇宙船はこぶね地球月系第三番セグエスティゴポイントサードにある。ここからなら《はこぶね》まで半月ほどでたどり着けるだろう。月の裏から地球にたどり着くためには二か月近くかかる。その間に《はこぶね》が墜落する可能性は十分にある。
この月の基地からなら、他の《はこぶね》の位置が分かる。
月面歩行船、通称《月歩艦つきほかん》。人類が初めて作った月面移動用の小型船だ。船殻が薄いため、推進機関が脆弱。船殻を厚くして重心を高くすると船体が不安定になり、飛行中に分解する危険があった。
メリカは《ムーンライドアイランドステーション》に向かった。ステーションのゲートでIDカードを見せようとしたとき、背後から声をかけられた。
振り返ると、そこに一人の男が立っていた。
男は二十代後半だろうか。黒髪の長身痩躯で、白いワイシャツに黒いズボンを穿いている。彼は右手を胸にあてて一礼した。メリカは彼の顔に見覚えがあった。記憶の底を浚う。すぐに思い当たった。彼を見たのは初めてではない。
男は口を開いた。落ち着いた声で告げる。
――メリカ・リリスさんですね。
メリカの表情が凍り付いた。なぜ彼が私の名前を?混乱しながらもメリカは答えた。
彼の名を呼ぶ。
――アルコン人……、……ですか。
メリカは男を見据えた。男の目には懐かしさが宿っていた。男はメリカに言った。
――そうです。お久しぶりです。お元気そうですね。
メリカは動揺した。こんなことがあるはずがない。あり得ない偶然だ。目の前にいるのは間違いなく人間だった。だが同時に、彼はメリカを知っているようでもある。いや、知っているどころの話ではない。まるで旧友のような親しみが込められていた。……そんなわけがない。私が彼と会っている?ありえない。絶対にない!……いったいどこで? その時、メリカの心の中で閃光が走った。……そうだ、あの時の!
――……あぁ、なるほど。……そういうことですか。
そう呟いて、彼は納得したように微笑んだ。メリカは彼に問うた。
――いつ、ここへ? 彼は即答した。
――たった今ですよ。
それは、あまりにも自然な返事だった。一瞬、メリカは言葉を失った。……まさか、……信じられない。――メリカ・リリスさん、僕の名前はアルヴィン・ランフォードといいます。
アルヴィン・ランフォード……、……ランスロット。メリカの脳裏に過去の情景がフラッシュバックした。

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