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第1章『始まりの森編』

生存戦略

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 ……久しぶりに夢を見た気がする、内容は思い出せないが、夢を見たのは2年ぶりくらいだろうか。

 気を取り直して進化先を決めるか。

 イビルラーヴァは駄目だな、俺は悪党じゃない普通の人を殺せないだろう。それに討伐隊は俺が死ぬまで送り続けられるだろうから。

 とすると、ミミックラーヴァかプレデーションラーヴァのどちらかだが、どちらもランク:E-だしどちらにしようかな?

 ランク:E-だから……、ゴブリンや駆け出し冒険者より少し弱いのか。

 これから先、自分より強い相手と出会うのは殆ど確定していることだろう。いつも格下相手と戦えるなんて保証は無いのだから、プレデーションラーヴァでは格上と出会ったときに殺されてしまうだろう。

 だが、ミミックラーヴァを選べば強い敵と出会った時に隠れてやり過ごせるかも知れない……。

 よし!ミミックラーヴァに進化するとしよう。たとえ卑怯者と呼ばれても、死ぬことと比べたら些細なことだろう。


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【進化を開始します。………ミミックラーヴァに進化しました】

【進化に伴い、称号:[潜伏者]を獲得しました】

【進化に伴い、スキル:[ミミックLv1]が与えられます】

【進化に伴い、スキル:[過食回復Lv1]が与えられます】

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 スマートな蛇の様だった身体は縮み、黒色のナマコの様なずんぐりとした体型になった。

 ……結構気に入っていた姿だったのに。仕方ないか、ステータスを確認しよう。


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【ステータス】
ランク:E-
種族名:ミミックラーヴァ
個体名:未獲得
レベル:6/15
状態:正常

能力値
HP:58/164
SP:237/690(138×5)
MP:73/73
攻撃力:96(48×2)
防御力:22(44÷2)
素早さ:29
魔法力:28
魔防力:18(36÷2)

パッシブスキル
[●●●の悪戯EX][言語理解EX][限界突破EX][復讐の一撃Lv3][飢餓発作EX][毒耐性Lv4][麻痺耐性Lv4][禁忌Lv1][食い溜めLv5][悪食Lv6][万物可食EX][無慈悲Lv2][異貌魂魄Lv3]

アクティブスキル
[アイテムボックスLv2][念話Lv1][鑑定Lv4][殻篭りLv2][糸吐きLv3][脱皮Lv2][体当たりLv1][ミミックLv1][過食回復Lv1]

称号
[●●●に弄ばれる者][転生者][境界を越えし者][復讐の誓い][悪足掻き][絶望した者][引き篭もり][ハングリーラーヴァ][共食い][大食漢][腐肉漁り][全テヲ喰ラウ者][蹂躙肉塊][突然変異][潜伏者][頂きを目指す者]

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 かなりステータスが上がったな。SPは群を抜いているし……[食い溜め]のお陰だ。

 新しく獲得したのを確認するか、鑑定………。


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【称号】

[頂きを目指す者]
 頂点を志した者に与えられる称号。諦めたとき、この称号は剥奪される。

[潜伏者]
 影に潜むことに長けた者に与えられる称号。動きを止めることで探知系のスキル対する耐性が上昇する。

【スキル】

[体当たり]
 相手にぶつかる時に受けるダメージが減り、相手に与えるダメージを増加させる。スキルレベルが上昇するにつれ、効果も上昇する。SPを消費する。

[ミミック]
 スキル:[擬態][ステータス改竄][隠密]の効果を併せ持つスキル。スキルレベルが上がるにつれ、効果も上昇する。

[擬態]
 捕食した物の姿に擬態できる。消費するMPは自身と擬態する対象の体積の違いにより増加し、スキルレベルが上昇するにつれ、変化速度が速くなるとともにステータスの制限が緩和される。MPを消費する。

[ステータス改竄]
 表示するステータスを改竄できる。鑑定された時に相手の鑑定スキルよりもスキルレベルが高い場合、改竄した情報を表示する。MPを消費する。

[隠密]
 自身の気配を消すことができる。相手の探知系のスキルよりもスキルレベルが高い場合、探知されない。SPを消費する。

[過食回復]
 HPを回復できる。スキルレベルが上がるにつれ、効率が良くなる。SPを消費する。

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 今回の称号とスキルは、これからの軸になりそうだな。ミミックラーヴァを選んで正解だった。

 ……何気に[体当たり]なんてスキルをやっと獲得したんだな。こういうスキルって、もっと早く手に入るもんじゃないのか?
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