夢じゃなかった!?

Rin’

文字の大きさ
240 / 599
エスリアール王城 出会い

鑑定結果と黒蝶5

しおりを挟む
「は、はい。学院長や先生にも色々と気にかけて頂いているので心強く思っています。」

“ああ、レオナルド学院長は王家の身内だから遠慮せず何かあれば頼ってやってくれ。筆頭魔法講師のラナ・ブラム先生がここにいたな。”

ヒラヒラ ヒラヒラ ピタ

今度はラナ先生の紅茶カップの取っ手に移動した。

“使い魔しで失礼するよ。レオナルド君とは学院生の頃からの学友と聞くし、講師となってからも彼を支えてくれているようだ。身内として感謝している。ありがとう。”

「勿体ないお言葉でございます。誠に勝手ながら生涯しょうがいの友と思わせて頂いておりますので、その分私の方が頼ってしまっている次第です。支えてもらっているのはむしろ私の方かと。彼には迷惑をお掛けしております。」

“頼り、頼られ支え合う友か、よいではないか。これからも仲良くしておくれ。”

「はい。」

ラナ先生が蝶に向かって立礼したまま話している。あ、いつの間にかシオンさんも立って頭を下げていた。しまった、出遅れた。慌てて私も皆に習って立礼する。

“さて、長居をしてしまった。出先で引き留めてすまなかった。

月の雫も本物、噂にたがわぬサトーさんも見れたし、ここにいる皆に話したいことも聞いてもらえた。今日はこれで退散するとしよう。”

ほっ……。一同は黒蝶の主が帰る意向を示したことに密かに安堵したが、それは一瞬で、長く続はかなかった。
“あ、そうだ思い出した。サトーさん達は2日後に国立魔法学院へ編入が決まっていると聞いた。あと少しで学院の開院記念を祝した休院日がある。

その際は我が城でゆっくり日本のことを語りたいものだ。そんなに畏まらなくてよい、おもてを上げて、サトーさん。他の皆も。”

開校記念みたいな休校日のことだろうか。恐る恐る顔だけ上げて聞いてみる。

「…開校記念日のような祝日と考えていいんでしょうか?」

“それで合っている。エルシオン・デュカーレ君とアーヤ・サトーさんへ迎えを出すから是非遊びに来てくれたまえ。他にも誘いたい者がいたら一緒に来てくれて構わない。もちろん、泊まりで。”

“トーヤ様、そろそろ。”

「え、お城に…泊まり?」

お城に誘われてしまった。しかもお泊まりで。決定事項…ですよね

“わかっている、今終える。すまない、こちらから話しかけておきながら少々立て込み始めたから先見を切り上げる。オーナー繋ぎをありがとう。

では、会える日を楽しみにしている。”


ヒラヒラ ヒラ パアーー 


キラキラキラ… キラキラ……
 

「あ…消えた。」


羽ばたきと共に空中にヒラヒラ漂うと、青く輝いてからからキラキラと羽の輪郭から溶け散るように青と黒のスパンコールに変化。

最後にはもっと細かいラメパウダーに変化しながら散って音もなく消えた。


キラキラと光る粉が舞い散りながら儚く消える様は、なんとも幻想的でその場に居合わせた使い魔に見慣れた者達にでさえ、釘付けにさせる美しさがあった。


使い魔の創造は主の魔力、力量、思考力が影響される。

見る者を自然と引き付ける黒蝶の主、トーヤ・ナカータ・マジェストーラの人物像が垣間見えたかのようだった。

「すごい人から誘われてしまった…。」


同じ日本人の迷客で、一国の王になってしまった人。即位してから今は何代目の王様がいるんだっけ?オーナーが言ったような気がするけど頭を整理しないと。

声だけ聞いたらめちゃくちゃ若い印象だった。そう、30~40代位じゃないかと思う程に。声って一番老化が遅いと聞いたことがあるけど、年齢不詳な声だった。


よし。とりあえずイヤーフックも無事受け取れたし、鑑定結果もわかった。本物の月の雫だった。

黒いアゲハには驚かされたけど、元々ブルーローズに来たらこの月の雫を何か持ち歩き易いようにしたいのだったっけ…。

「あの、オーナーさん、この月の雫を普段部屋に置いておくのもどうかと思うので今後持ち歩くのには、何かいい方法がないでしょうか?価値がわかる人もいそうなので見えないようにしたいのですが…。」

「アーヤ様が身に付けるとして、ネックレスなどでしょうか?」 

「ネックレスですか…。やっぱりそうなりますかね。」

う~ん、ネックレスあまり好きじゃないんだよな。でもしかたないのかな。う~ん…。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。 パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。 車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。 ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!! 相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム! けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!! パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~

土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。 しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。 そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。 両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。 女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...