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エスリアール王城 出会い
鑑定結果と黒蝶5
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「は、はい。学院長や先生にも色々と気にかけて頂いているので心強く思っています。」
“ああ、レオナルド学院長は王家の身内だから遠慮せず何かあれば頼ってやってくれ。筆頭魔法講師のラナ・ブラム先生がここにいたな。”
ヒラヒラ ヒラヒラ ピタ
今度はラナ先生の紅茶カップの取っ手に移動した。
“使い魔越しで失礼するよ。レオナルド君とは学院生の頃からの学友と聞くし、講師となってからも彼を支えてくれているようだ。身内として感謝している。ありがとう。”
「勿体ないお言葉でございます。誠に勝手ながら生涯の友と思わせて頂いておりますので、その分私の方が頼ってしまっている次第です。支えてもらっているのは寧ろ私の方かと。彼には迷惑をお掛けしております。」
“頼り、頼られ支え合う友か、よいではないか。これからも仲良くしておくれ。”
「はい。」
ラナ先生が蝶に向かって立礼したまま話している。あ、いつの間にかシオンさんも立って頭を下げていた。しまった、出遅れた。慌てて私も皆に習って立礼する。
“さて、長居をしてしまった。出先で引き留めてすまなかった。
月の雫も本物、噂に違わぬサトーさんも見れたし、ここにいる皆に話したいことも聞いてもらえた。今日はこれで退散するとしよう。”
ほっ……。一同は黒蝶の主が帰る意向を示したことに密かに安堵したが、それは一瞬で、長く続はかなかった。
“あ、そうだ思い出した。サトーさん達は2日後に国立魔法学院へ編入が決まっていると聞いた。あと少しで学院の開院記念を祝した休院日がある。
その際は我が城でゆっくり日本のことを語りたいものだ。そんなに畏まらなくてよい、面を上げて、サトーさん。他の皆も。”
開校記念みたいな休校日のことだろうか。恐る恐る顔だけ上げて聞いてみる。
「…開校記念日のような祝日と考えていいんでしょうか?」
“それで合っている。エルシオン・デュカーレ君とアーヤ・サトーさんへ迎えを出すから是非遊びに来てくれたまえ。他にも誘いたい者がいたら一緒に来てくれて構わない。もちろん、泊まりで。”
“トーヤ様、そろそろ。”
「え、お城に…泊まり?」
お城に誘われてしまった。しかもお泊まりで。決定事項…ですよね
“わかっている、今終える。すまない、こちらから話しかけておきながら少々立て込み始めたから先見を切り上げる。オーナー繋ぎをありがとう。
では、会える日を楽しみにしている。”
ヒラヒラ ヒラ パアーー
キラキラキラ… キラキラ……
「あ…消えた。」
羽ばたきと共に空中にヒラヒラ漂うと、青く輝いてからからキラキラと羽の輪郭から溶け散るように青と黒のスパンコールに変化。
最後にはもっと細かいラメパウダーに変化しながら散って音もなく消えた。
キラキラと光る粉が舞い散りながら儚く消える様は、なんとも幻想的でその場に居合わせた使い魔に見慣れた者達にでさえ、釘付けにさせる美しさがあった。
使い魔の創造は主の魔力、力量、思考力が影響される。
見る者を自然と引き付ける黒蝶の主、トーヤ・ナカータ・マジェストーラの人物像が垣間見えたかのようだった。
「すごい人から誘われてしまった…。」
同じ日本人の迷客で、一国の王になってしまった人。即位してから今は何代目の王様がいるんだっけ?オーナーが言ったような気がするけど頭を整理しないと。
声だけ聞いたらめちゃくちゃ若い印象だった。そう、30~40代位じゃないかと思う程に。声って一番老化が遅いと聞いたことがあるけど、年齢不詳な声だった。
よし。とりあえずイヤーフックも無事受け取れたし、鑑定結果もわかった。本物の月の雫だった。
黒いアゲハには驚かされたけど、元々ブルーローズに来たらこの月の雫を何か持ち歩き易いようにしたいのだったっけ…。
「あの、オーナーさん、この月の雫を普段部屋に置いておくのもどうかと思うので今後持ち歩くのには、何かいい方法がないでしょうか?価値がわかる人もいそうなので見えないようにしたいのですが…。」
「アーヤ様が身に付けるとして、ネックレスなどでしょうか?」
「ネックレスですか…。やっぱりそうなりますかね。」
う~ん、ネックレスあまり好きじゃないんだよな。でもしかたないのかな。う~ん…。
“ああ、レオナルド学院長は王家の身内だから遠慮せず何かあれば頼ってやってくれ。筆頭魔法講師のラナ・ブラム先生がここにいたな。”
ヒラヒラ ヒラヒラ ピタ
今度はラナ先生の紅茶カップの取っ手に移動した。
“使い魔越しで失礼するよ。レオナルド君とは学院生の頃からの学友と聞くし、講師となってからも彼を支えてくれているようだ。身内として感謝している。ありがとう。”
「勿体ないお言葉でございます。誠に勝手ながら生涯の友と思わせて頂いておりますので、その分私の方が頼ってしまっている次第です。支えてもらっているのは寧ろ私の方かと。彼には迷惑をお掛けしております。」
“頼り、頼られ支え合う友か、よいではないか。これからも仲良くしておくれ。”
「はい。」
ラナ先生が蝶に向かって立礼したまま話している。あ、いつの間にかシオンさんも立って頭を下げていた。しまった、出遅れた。慌てて私も皆に習って立礼する。
“さて、長居をしてしまった。出先で引き留めてすまなかった。
月の雫も本物、噂に違わぬサトーさんも見れたし、ここにいる皆に話したいことも聞いてもらえた。今日はこれで退散するとしよう。”
ほっ……。一同は黒蝶の主が帰る意向を示したことに密かに安堵したが、それは一瞬で、長く続はかなかった。
“あ、そうだ思い出した。サトーさん達は2日後に国立魔法学院へ編入が決まっていると聞いた。あと少しで学院の開院記念を祝した休院日がある。
その際は我が城でゆっくり日本のことを語りたいものだ。そんなに畏まらなくてよい、面を上げて、サトーさん。他の皆も。”
開校記念みたいな休校日のことだろうか。恐る恐る顔だけ上げて聞いてみる。
「…開校記念日のような祝日と考えていいんでしょうか?」
“それで合っている。エルシオン・デュカーレ君とアーヤ・サトーさんへ迎えを出すから是非遊びに来てくれたまえ。他にも誘いたい者がいたら一緒に来てくれて構わない。もちろん、泊まりで。”
“トーヤ様、そろそろ。”
「え、お城に…泊まり?」
お城に誘われてしまった。しかもお泊まりで。決定事項…ですよね
“わかっている、今終える。すまない、こちらから話しかけておきながら少々立て込み始めたから先見を切り上げる。オーナー繋ぎをありがとう。
では、会える日を楽しみにしている。”
ヒラヒラ ヒラ パアーー
キラキラキラ… キラキラ……
「あ…消えた。」
羽ばたきと共に空中にヒラヒラ漂うと、青く輝いてからからキラキラと羽の輪郭から溶け散るように青と黒のスパンコールに変化。
最後にはもっと細かいラメパウダーに変化しながら散って音もなく消えた。
キラキラと光る粉が舞い散りながら儚く消える様は、なんとも幻想的でその場に居合わせた使い魔に見慣れた者達にでさえ、釘付けにさせる美しさがあった。
使い魔の創造は主の魔力、力量、思考力が影響される。
見る者を自然と引き付ける黒蝶の主、トーヤ・ナカータ・マジェストーラの人物像が垣間見えたかのようだった。
「すごい人から誘われてしまった…。」
同じ日本人の迷客で、一国の王になってしまった人。即位してから今は何代目の王様がいるんだっけ?オーナーが言ったような気がするけど頭を整理しないと。
声だけ聞いたらめちゃくちゃ若い印象だった。そう、30~40代位じゃないかと思う程に。声って一番老化が遅いと聞いたことがあるけど、年齢不詳な声だった。
よし。とりあえずイヤーフックも無事受け取れたし、鑑定結果もわかった。本物の月の雫だった。
黒いアゲハには驚かされたけど、元々ブルーローズに来たらこの月の雫を何か持ち歩き易いようにしたいのだったっけ…。
「あの、オーナーさん、この月の雫を普段部屋に置いておくのもどうかと思うので今後持ち歩くのには、何かいい方法がないでしょうか?価値がわかる人もいそうなので見えないようにしたいのですが…。」
「アーヤ様が身に付けるとして、ネックレスなどでしょうか?」
「ネックレスですか…。やっぱりそうなりますかね。」
う~ん、ネックレスあまり好きじゃないんだよな。でもしかたないのかな。う~ん…。
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