夢じゃなかった！？

エスリアール王城 出会い

制服と飛び交う噂1

「制服の試着をする控え室はこちらです。

制服は、学院のイメージともなります。それぞれの色にはマジェストーラ国立魔法学院の生徒としてあるべき思想が込められているんですよ。」

テクテクとブラムの案内で移動するアーヤとエルシオン。

「どんな思いが込められているのかお聞きしても？」

「私も、気になります。」

「もちろん、ご説明します。白は誠実と礼節。

青みがかったシルバーグレーには常に冷静沈着な判断と集中力を。

淡い紫色はどんな困難も乗り越える強い意志が込められています。」


「なるほど。学院の理想やイメージが生徒の制服に込められていることをきちんと知ったら、その制服に身を包むことで、何だか気持ちも引き締まりそうですね。」


「ええ、制服の色にはきちんと学院の教育思想が土台にあることを新入生に教えています。」

「さあ、到着しました。ここと隣が試着合わせの控え室になります。まずはここの中へどうぞ。こちらはアーヤさんの試着用です。」

ガチャ


中に入ると、スタンド型のハンガーを吊るすあれが２つ並んでる。今さらだけど、ハンガーもこっちで普及されているんだ。Ｙシャツ、スカート、ジャケット、靴などがサイズ違いでズラッと並べてある。


「適したサイズの物を見つけられましたら、そのままご試着をしてみてください。姿見もありますから良かったらご利用ください。窓はない控え室なのですが、出入口は鍵が掛けられますからね。さて、エルシオン君、隣に行きましょうか。」

「はい。」

「では、アーヤさん慌てずゆっくり選んで大丈夫ですからね。ハンガーについている数字がサイズ順となってますから。もし、合わない物があれば教えてください。」

「はい、ありがとうございます。」


ガチャン


「さてと、まずはＹシャツからかな。」

いつもならSサイズかMサイズを選ぶんだけど、こちらのサイズっていまいちよくわからない。日本人より、大きいのかも。

たぶん、小さいサイズはこの数字が１から段々大きいサイズで並べてありそう。

良かった、年齢層が広いから同じ制服でもサイズは多そう。

う～ん。
私の肩幅ならこの辺のかな？２を手に取って姿見を見ながら鎖骨あたりにＹシャツをあてがってみる。

「よし、とりあえずこれをこっちに置いて、次はスカートかな。」

白いプリーツスカートの中でとりあえず一番小さい端の１スカートを選んで腰に当ててみる。

「うん、ガルシアちゃんと同じ位のスカート丈になるかな。足首のちょっと上だったし。スカートはこれを試着しよう。そういえば、素足じゃなかったな。カラーストッキングみたいなの履いてたよね。あ、あった。これだ。膝下位の長さなんだ。ウエストまでじゃなくて楽チンだね。」