夢じゃなかった!?

Rin’

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マジェストーラ国立魔法学院 編入

水の都セルリアン~集え 嘆くモノの地へ3

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団長と呼ばれ、甲冑を装備した背の高い騎士はいきなり飛び込んで脇腹にぶつかり、倒れそうになったアーヤを瞬時に抱き止めてから心配そうに声をかけた。


「団長!この者、疾走しっそうの身体強化を使ってます、怪しいです!」

「む、確かに!祭りに乗じたスリではありませんか?」

「スリ?!ち、違います。急いでたので早く走れるようにしてもらっただけでっ。」


慌てて抱き止めた男から離れ、否定したがかえって怪しまれ二人の傭兵に詰め寄られる。


「嘘を吐くな。祭りには良くスリが横行される。急ぐようにぶつかるのはスリの良くある手口だ。」

「恐れ多くも見回り中の我らが団長を狙うとは。なんて奴だ。」

「だから、違いますってば!ちょっ、放してください!私は人を探してっ」

「暴れるな、逃げようとしても無駄だ。」

(人の話を最後まで聞かんかーいっ!)




「待て。お前達、そう決めつけるな。」

アーヤを拘束した二人に向けて制止する言葉がその場に響いた。



「しかし、団長。」

「疑わしきは尋問じんもんせよです。」


「ロイ、ムゲル、騎士として見極めをたがえるな。この者は、切迫せっぱくはしているが何か事情があるようだ。私が話を聞く間、黙っていろ。」 

「おい、お前…団長の質問に正直にお答えしろ。」

両腕を拘束されたまま、改めて自分がぶつかってしまった相手を見る。



「何か火急の事情がおありと見受けた。我らはこの国、マジェストーラの傭兵騎士団の者だ。見回り中だが力になれることはないか?」

(傭兵騎士団?この人なら…信用できる。)

日焼けした肌、燃えるような夕日サンセットオレンジ色の髪と目。その夕日のような瞳をじっと見つめ、アーヤの答えを男が静かに聞きわずかに眉をしかめた。

「私は、急ぎ闇の祝福場にいる知人に知らせなければならない事があります。騎士団の方にわざとぶつかるつもりはありませんでした。お願いです、近くにいるはずです。知人の所へ行かせて下さい。」

「闇の祝福場?ここは光の祝福場だぞ。」

「へ?!光?」

(闇の祝福場じゃないの?ってことは行き過ぎたー?!全力疾走して、まさか到着先を間違えるなんて。私のドジ、間抜け!)

サーーーっと血の気が引いた顔色となったアーヤ。


「…………。」

団長と呼ばれた男は何やら衝撃を受けたように押し黙る相手に違和感を覚えながら尋ねた。


「少年、名は?」

「…………。」


「こら、答えんか!」

「えっ?はい?!」


「私は傭兵騎士団、団長アシュレイ・サンバーンだ。君の名は?」

(信じてもらうには本当の名を教えるべき?でも。この格好だし。どうしよう…。)


「本当の名ではありませんが、この姿ではユーヤと名乗っています。」

「ほう…。何故わざわざ偽名と明かす?」

「貴方の誠意ある対応に私も誠実に答えたいから。」


しばしの沈黙の中、アシュレイとアーヤは見つめ合う。

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