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エスリアール王城 出会い
酒は飲んでも飲まれるな3
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「はぁーー、アーヤ…。酔ってないのはわかったから、そろそろ解放してあげなさい。」
「うーにゅ…?むー。わかった!おに、じゃなかった。しおんしゃんも、ギューしてほしいんだね?」
「「え?」」ルヴァニレットとエルシオンが同時に固まった。
パッとルヴァニレットを解放したと思ったら、くるりと向きを変えてフラフラ椅子の横を回り込み、今度はエルシオンに笑顔で両手を広げ抱きついてきた。大胆にも膝の上に横向きで座りながら…。
「はい。どうぞ、ギュー。」
「………はぁ、はいはい。わかった。」
「しおんしゃんも、わらしと、なかよしでしょ、ギューは?」
「はいはい。」
「はいは、一回でいーの!」
「はぁーー、はい。」
「よろしい、もっと、もっとギューして。」
「…はい、これでいい?」
「うん。」
下手に逆らわない方が手を焼かないで済むか。はぁーー。
綾子の無防備で奔放な態度に内心ヒヤヒヤするエルシオンであった。
「そだ、なかよしどーしでギューだからしおんしゃんとるびぃーもギューを」
「「しない。」」
ルヴァニレットも綾子に振り回され調子を乱されていたが、最後の綾子の提案には息ピッタリ否を示した二人であった。
ことの次第を周囲が見守ってくれていたが、何とも微笑ましい様子を見るようで、皆が笑顔だ。ルヴァニレットは未だに、戸惑いを隠せない表情をしている。
異世界での酒は綾子の緊張を和らげるどころか、気を許せる相手に甘えたくなってしまうようだ。
異世界でのお酒に酔った綾子は以外と絡み酒だった。頭を撫でてやれば、うとうとしだしている。
「にぇむい…。るびぃく…まほー見せて。お…に…しゃもギューで…なかよし…。」
「アーヤ殿、じい様にもギューしてくれんか…。」
「あら、あなたずるいわ、私もしてほしいわ。」
「あの、ルヴィが我慢して触らせるなんて…。」
「珍しいものを見たな。」
眠ってしまった。酒は程々にさせないと、綾子が毎回こんな調子では大変だ。酔うと抱きつき癖があることがわかった。
「申し訳ありません。アーヤは飲み過ぎて酔って眠ってしまいました。このまま部屋に連れていきます。」
「そうしてやりなさい。」
「ルヴァニレット、アーヤもああ言っていたし、機会があれば魔法を見せてやってくれ。」
「………。貴方に言われるまでもない。」
エルシオンにそのまま横抱きで綾子は退室した。
二人が居なくなった晩餐の間では、綾子の拙い話し方や抱きつきが密かに皆の胸をキュンとさせていた。
ルヴァニレットに至っては、居なくなってからも一人、綾子の高かったぬくもりや抱きつかれた感触が残りしばらく鼓動がうるさく、無意識に胸を押さえていた。
「ちっとも、酒に強くないじゃないか。」
「うーにゅ…?むー。わかった!おに、じゃなかった。しおんしゃんも、ギューしてほしいんだね?」
「「え?」」ルヴァニレットとエルシオンが同時に固まった。
パッとルヴァニレットを解放したと思ったら、くるりと向きを変えてフラフラ椅子の横を回り込み、今度はエルシオンに笑顔で両手を広げ抱きついてきた。大胆にも膝の上に横向きで座りながら…。
「はい。どうぞ、ギュー。」
「………はぁ、はいはい。わかった。」
「しおんしゃんも、わらしと、なかよしでしょ、ギューは?」
「はいはい。」
「はいは、一回でいーの!」
「はぁーー、はい。」
「よろしい、もっと、もっとギューして。」
「…はい、これでいい?」
「うん。」
下手に逆らわない方が手を焼かないで済むか。はぁーー。
綾子の無防備で奔放な態度に内心ヒヤヒヤするエルシオンであった。
「そだ、なかよしどーしでギューだからしおんしゃんとるびぃーもギューを」
「「しない。」」
ルヴァニレットも綾子に振り回され調子を乱されていたが、最後の綾子の提案には息ピッタリ否を示した二人であった。
ことの次第を周囲が見守ってくれていたが、何とも微笑ましい様子を見るようで、皆が笑顔だ。ルヴァニレットは未だに、戸惑いを隠せない表情をしている。
異世界での酒は綾子の緊張を和らげるどころか、気を許せる相手に甘えたくなってしまうようだ。
異世界でのお酒に酔った綾子は以外と絡み酒だった。頭を撫でてやれば、うとうとしだしている。
「にぇむい…。るびぃく…まほー見せて。お…に…しゃもギューで…なかよし…。」
「アーヤ殿、じい様にもギューしてくれんか…。」
「あら、あなたずるいわ、私もしてほしいわ。」
「あの、ルヴィが我慢して触らせるなんて…。」
「珍しいものを見たな。」
眠ってしまった。酒は程々にさせないと、綾子が毎回こんな調子では大変だ。酔うと抱きつき癖があることがわかった。
「申し訳ありません。アーヤは飲み過ぎて酔って眠ってしまいました。このまま部屋に連れていきます。」
「そうしてやりなさい。」
「ルヴァニレット、アーヤもああ言っていたし、機会があれば魔法を見せてやってくれ。」
「………。貴方に言われるまでもない。」
エルシオンにそのまま横抱きで綾子は退室した。
二人が居なくなった晩餐の間では、綾子の拙い話し方や抱きつきが密かに皆の胸をキュンとさせていた。
ルヴァニレットに至っては、居なくなってからも一人、綾子の高かったぬくもりや抱きつかれた感触が残りしばらく鼓動がうるさく、無意識に胸を押さえていた。
「ちっとも、酒に強くないじゃないか。」
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