夢じゃなかった!?

Rin’

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エスリアール王城 出会い

魔法と贈り物1

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「シュナイゼさん、今日は午後からドレスの仕上がり最終チェックの試着を頼まれてるのですが、それ以外はダンスの練習を夕げの前にシオンさんとしたいんです。あと、ルヴィくんの都合がいい時間で魔法見せて貰いたいんですよね。出かける時の付き添いまたお願いします。」
「承知しました。」

「まず、朝げでルヴァニレット様に伺って、それからエルシオン様にダンスのことを出さずとも今日もお願いしたい旨をお伝えすれば、その場で察して頂けるでしょう。」
「わかりました。そうします。」

結局、ルヴィくんは朝ご飯のあとお茶をしてからならいいと言ってくれた。
毎日、決まった時間や気分でティータイムとかやっぱりセレブ、いや王族ですね。

皆さんの前なので、お兄ちゃん呼びは封印して、今日もお願いしたいんですと伝えただけで、いいよ。好きな時においでとOKを貰えた。流石お兄様エスパーですね。

ルヴィ君が席を立つのに合わせてついて行く。サラサラのブロンドをなびかせて歩く後ろ姿も颯爽として、リアル王子様なんだなーと改めて思う。私の斜め後ろにリアル護衛騎士様もいます。イケメンが一杯。もちろんお兄ちゃんもですがね。皆さん近くにいると少し緊張もしますが、観賞させて頂けるだけで心が潤います。


何度も足を運んで、近所の公園感覚の中庭。四角い空だけどいい天気です。鮮やかな蝶々が今日もいる。体が微妙に筋肉痛痛だけど気分的にはルンルンだ。

ベンチに座らせて貰って、メガネを外して準備万端!ルヴィ君がメガネを外した私をじっと見つめて何故かため息?うん?変な顔してたかな。

シュナイゼは、ため息の理由を何となく察していた。

綾子がまるで、なついた小動物のような表情と態度でテクテクついて来て、ベンチに座ってからも自らイソイソとメガネを外して準備万端、誉めて?しっぽを振るような態度も期待に満ちた顔も端から見たら正直可愛い以外の何者でもなかった。

ルヴァニレットが魔法の前に綾子を観察していたが、こちらの視線に気づいても、どうしたの?と首を無意識に傾げる様子も胸が苦しくなり、ため息という深呼吸が必要になった。たかが魔法を見せるということだけなのに、自分との逢瀬を待ち望んでいたと思ってしまう。

「アーヤ、魔法…今から見せてやるからその後シュナイゼと自分の見方みかたの比較してみろ。」
「わかりました。」

「精霊フルールよ、天空より降り注げ。フラワーレイン」音もなく、光の粒々がルヴィくんの緑オーラに吸収されるように集まり、呪文らしき言葉を言い出したらルヴィくんの足元に円形の陣が現れた。おー、リアル魔法陣!黄緑色です。光ながら拡大したかと思えば足元から消えてルヴィくんの右手に集まりミニ魔法陣からお花?手のひらにはすみたいな花が見えてから光と共に空に上がって消えた。

フワ… ポト… ポト…
フワ… ポト… ポト…

空を見上げていたら、私のいるベンチの上から花が降ってきた。
手のひらサイズから小さい蕾、様々な花が茎までの長さもまちまちな状態でどれも咲いたばかりのような新鮮さだ。

名前はわからないけれど、知ってる花で例えるならピンクのちょっと大きいラナンキュラス、薄紫の雪割安一華ゆきわりいちげ、薄ピンクのアセビ、白のアスター、青のトルコギキョウ、サーモンピンクのバラ、とにかく沢山の花が、雨のように降り注ぐ。花々と共にフローラルな香りに包まれた。

受け止められた両手の中の大小様々な綺麗な花やスカートの上もベンチの周りも花に囲まれてうっとり酔ってしまいそう。なんて贅沢な魔法だろう。花の一つ一つから優しい感じも伝わってくる。

次挿し絵入ります。

タイトル
空からの贈り物
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