夢じゃなかった!?

Rin’

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エスリアール王城 出会い

はじめてのショッピング~ズボンを求めて~3

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そして、アネルさん一押しはつやめく紺色の生地を土台に迫力ある青龍ブルードラゴンの刺繍が施されていた。

ドラゴンは渋めの濃い青系の糸が使われ、海の青さを思わせるマリンブルー、瑠璃色よりも暗い瑠璃紺、武士に好まれる勝ち色といわれるごく暗い紫みの青などで躍動感ある登り龍だ。 

濃い深みのある青系でキリッとしていて、まるで夜の海みたい。

対照的なこの2着を選び、最初に試着した組み合わせを一式アネルさんチョイスの方で色違いを購入することになったようだ。

にしても、チャイナ服風のこの民族衣装、本当に素敵だな。お、この黒いのもいい。刺繍の赤や金の派手な鳥は朱雀すざく?それとも不死鳥フェニックス?それか鳳凰ほうおうとか?
呼び方が違うだけで同じ生き物なのかな。

滑らかな漆黒の生地に鮮やかな赤い糸の濃淡と金糸も贅沢に使われ羽ばたき飛翔する鳥が
描かれている。きっと聖獣シリーズかな。
 
「アーヤ、気に入ったのあった?」

「はい、何着も選ばせて貰えました。」

「黒も似合いそうだね。」

「白と濃紺は試着して買うことになりました。これは、待ってる間に見ていただけです。」

「かして、それ。」

「?はい。」

シオンさんに黒服を渡すと、手に持ち直して私にあてがって眺めている。


「元の黒髪が更に引き立って、似合うよこれ。買わないの?」

「え?会計にアネルさん行ってますし、もう沢山です。」

「じゃあ、私が買ってあげる。」

「え?!そんな、シオンさんいいですよ。」

「遠慮しないで。一点くらい、黒系の服あった方がいいし、プレゼントさせて。」

「え~?何のプレゼントですか?!」


「…ズボンが履けた記念?」

「何ですか。その記念…。」


「じゃあ、これ買って来る。」

「ちょっ、ちょっと待って、シオンさん。シオンさんの物は買わないんですか?どうせ買うならシオンさんの買いたい物を…。」

「これが買いたい。」

「えぇー。」

「買って来るね。」

「………。」

行ってしまった。

ちなみに、気になるこちらのお金の単位は、1リル=1円。豪華なチャイナ服上下セットは8000リル。

もっと高額かと思った。意外とそうでもないと感じても、やはり他者に買って貰うのは何だか申し訳ない感が否めない。記念にという気遣いは嬉しいんだけど。

服屋を出てから、今度は靴屋に行き運動しやすい少年靴を探して一つ選んだ。

最後に忘れていた普通のカツラを売る店に寄ってセミロングの茶髪を買ってくれた。絶対に切らないでくださいねと頼まれ、必要に迫られい限りは伸ばすことを約束して、やっと安心した様子にアネルさんとリリアさんが落ち着いた。

その後は、皆で馬車に向かって歩き帰ることに。

広場に到着した頃には今日1日楽しかった思いを馬車に乗る前に一人ずつ顔を見ながらお礼を伝えたくなった。

「沢山、買い物しましたね。今日はとっても楽しかったです。アネルさん、リリアさん、シュナイゼさん、シオンさんありがとうございました。」

「勿体ないお言葉です。」

「私もアーヤ様と見て回れて楽しかったです。」

「出国日までにまた、外出したい時はいつでもお声をかけてください。」

「気分転換もできて良かったね。」


「はい。」


帰りの馬車では、うとうと眠くなり、城に着くまでいつの間にかシオンさんの肩に寄りかかり眠ってしまった。

揺られた馬車の中で見た夢は、過去に行ったケーキバイキングの店で誰かと沢山ケーキに囲まれて嬉しい気持ちになった夢を見た。


城に到着後、自室に戻ってから色替え薬の効果を解除する薬を飲んで見慣れた色に戻した。

はぁ…落ち着く~。日本人ならやっぱり黒だよね。

今日買った物は早ければ今日届く物もあり、遅くても明日には全て揃うとのことで、明日は買った一式の確認をしてから男装用の一式も試すことになった。アネルさん、リリアさんが組み合わせ等チェックしたいらしい。

夕食の後、いつもよりは早くお風呂を済ませて、密かにかんがえていた肩揉み計画を実行してアネルさんとリリアさんには改めてお礼を伝えた。

初めはおそれ多いと断られそうになったけれど、私がしつこくお願いしたので二人が折れてくれた。

やっぱり肩は凝っていて、少しでも楽になればいいなと思いながら揉むこと数分、終わってみれば肩凝りなどなかった様に軽くなったと二人には喜ばれ、私もほっこり嬉しくなった。

寝室に戻り、ベッドにゴロン。

明日は今日買った色々な物が城に届くのか。また、チャイナ服着れるのは楽しみだな。

優に今日の色々を話したかったけど、ベッドに横になったらもう…まぶたが重くて…もう…無理。

今日はこのまま寝よう。

メールだけ、明日電話するからと送信して私は力尽きて眠ってしまった。
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