9 / 13
「タイムリミット」
しおりを挟む
椿姫 菜白(つばき なしろ)、彼女は私たちのクラスの委員長だった。そして瓦礫の中から見つかった生徒のひとりでもあった。
ーーー
「菜白~!!次の移動教室…どうする?」
紗倉が菜白に抱きついてそう言った。
「あまりひっつきすぎないでください紗倉さん。」
「あ~、ごめんごめん笑」
笑いながら謝る紗倉は、渋々菜白から距離をとる。
「全く…紗倉さんはもう少し部をわきまえて下さい。それと…紫乃さん、制服のネクタイはきちんとしてください。お見苦しいですよ。」
菜白は、目ざとくも私がネクタイを外している事も指摘した。
「あ、ゴメン…つい暑くてさ、外してたわ」
「まっ…最近の秋は暑いですから、しょうがないですね…」
菜白は呆れたように言った。
ドサッ…
視界の端で何かが倒れるような音がした。
「紗倉!!ちょっとアンタしっかり!!」
先ほどまで菜白の後ろにいたはずの紗倉が廊下の床に倒れていたのだ。
「あ、ゴメン…何だか朝から熱っぽくて…心配させてごめんね紫乃…」
紗倉の額を触ると、少し熱があった。私は急いで菜白と一緒に紗倉を抱えて、保健室へと向かった。いつも保健室にいる養護教諭は不在だったため、菜白が職員室に養護教諭を探しに行った。そして私は紗倉の肩を持って出入口手前のベッドに座らせた。
「あは…ホント…ごめんね紫乃」
紗倉は、元気なさげな顔を上げて私に謝った。
「そんな事はいいから、寝てて紗倉」
「ありがとう…紫乃。…あとでアイス奢るよ」
ベッドにゆっくりと横たわった紗倉は、そういうとスっと眠りに落ちた。
私は布団を優しくかけて、菜白が帰ってくるのを待った。それからしばらくして、菜白が養護教諭と担任を連れて戻ってきた。
その後、私と菜白はその場をあとにして、移動先の教室に向かった。
次の授業のあと、担任から紗倉が早退したことを知らされた。私は放課後、菜白と共に、紗倉の家へと向かった。
ーーー
私はモズの高鳴きで目が覚めた。
横には、相も変わらずぐっすりと眠る紗倉が居た。
「紗倉…アンタの事は…私がどうにかするから…」
私は優しく、紗倉の顔にかかった髪の毛をかき分けた。
すると紗倉がうっすらと目を開けた。
「あれ…紫乃?…どうしたの?」
紗倉はゆっくりと言った。
「ううん、懐かしい夢を見てて、ついアンタの事が心配になって、顔を見てただけよ」
私は顔を逸らして、ウソをつきながら、眠そうな紗倉にそう伝えた。
「私は大丈夫だよ。心配してくれてありがとう紫乃…怖かったんだね、大丈夫だよ。」
紗倉は重い身体を起こし、私に抱きつき目を見て言った。
「うん…こわかった…」
モズが窓の近くを飛んで行った。
まだ残暑を感じる秋風が、窓の隙間から私たちの頬を撫で下ろす。
「紗倉、今日は出かけない?」
「うん…行こう紫乃」
ーーー
「菜白~!!次の移動教室…どうする?」
紗倉が菜白に抱きついてそう言った。
「あまりひっつきすぎないでください紗倉さん。」
「あ~、ごめんごめん笑」
笑いながら謝る紗倉は、渋々菜白から距離をとる。
「全く…紗倉さんはもう少し部をわきまえて下さい。それと…紫乃さん、制服のネクタイはきちんとしてください。お見苦しいですよ。」
菜白は、目ざとくも私がネクタイを外している事も指摘した。
「あ、ゴメン…つい暑くてさ、外してたわ」
「まっ…最近の秋は暑いですから、しょうがないですね…」
菜白は呆れたように言った。
ドサッ…
視界の端で何かが倒れるような音がした。
「紗倉!!ちょっとアンタしっかり!!」
先ほどまで菜白の後ろにいたはずの紗倉が廊下の床に倒れていたのだ。
「あ、ゴメン…何だか朝から熱っぽくて…心配させてごめんね紫乃…」
紗倉の額を触ると、少し熱があった。私は急いで菜白と一緒に紗倉を抱えて、保健室へと向かった。いつも保健室にいる養護教諭は不在だったため、菜白が職員室に養護教諭を探しに行った。そして私は紗倉の肩を持って出入口手前のベッドに座らせた。
「あは…ホント…ごめんね紫乃」
紗倉は、元気なさげな顔を上げて私に謝った。
「そんな事はいいから、寝てて紗倉」
「ありがとう…紫乃。…あとでアイス奢るよ」
ベッドにゆっくりと横たわった紗倉は、そういうとスっと眠りに落ちた。
私は布団を優しくかけて、菜白が帰ってくるのを待った。それからしばらくして、菜白が養護教諭と担任を連れて戻ってきた。
その後、私と菜白はその場をあとにして、移動先の教室に向かった。
次の授業のあと、担任から紗倉が早退したことを知らされた。私は放課後、菜白と共に、紗倉の家へと向かった。
ーーー
私はモズの高鳴きで目が覚めた。
横には、相も変わらずぐっすりと眠る紗倉が居た。
「紗倉…アンタの事は…私がどうにかするから…」
私は優しく、紗倉の顔にかかった髪の毛をかき分けた。
すると紗倉がうっすらと目を開けた。
「あれ…紫乃?…どうしたの?」
紗倉はゆっくりと言った。
「ううん、懐かしい夢を見てて、ついアンタの事が心配になって、顔を見てただけよ」
私は顔を逸らして、ウソをつきながら、眠そうな紗倉にそう伝えた。
「私は大丈夫だよ。心配してくれてありがとう紫乃…怖かったんだね、大丈夫だよ。」
紗倉は重い身体を起こし、私に抱きつき目を見て言った。
「うん…こわかった…」
モズが窓の近くを飛んで行った。
まだ残暑を感じる秋風が、窓の隙間から私たちの頬を撫で下ろす。
「紗倉、今日は出かけない?」
「うん…行こう紫乃」
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
思いを込めてあなたに贈る
あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる