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渚海音(ナギサ)
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『…今月18日の午前6時45分頃、神奈川県真鶴町沖合で漂流している1人の遺体を発見したという通報があった。詳しく調べてみると、付近で漁をしていた遊漁船に乗った漁師が発見したようだ。湘南海上保安署が身元や死因を調べているが、特に目立った外傷もなく、性別は、女性で年齢は20~40代、身長164cm。紺色のTシャツに黒色のズボンを着用しているという。今後も身元の詳しい調査を続けていくとの事です。以上…県内のニュースでした。次のコーナーに行きたいと思います。長谷川さ~ん…』
「最近水難事故多いわね~アンタも気をつけなさいよ湊(みなと)。」
私が座っているソファの後ろから母の声がした。
「分かってるよ。」
私はそう言いながら、リモコンを手に取り、チャンネルを変えた。
「あら、今見てたのに…」
母の残念そうな声が聞こえた。
「私、もう学校行くからね」
椅子にかけてある通学バックを手に取り、玄関へ向かった。
「あれ?姉ちゃん、もう学校行くの?」
ローファーを履いていると、後ろの階段から眠たそうにして降りてきている弟がいた。
「そうよ、凪も早く準備しないとまた遅刻するよ?」
私はつま先を玄関の床に押し付けた。
「分かってるよ姉ちゃん」
弟はそう言うと気だるそうな顔をしてリビングに向かった。
玄関の扉を開けるとリビングの方から、母と弟の声がしてきた。
「またやってる」
私はそう一言こぼして、家を出た。
まだ7月の月末というのに、真夏のように暑苦しい。目の前にある自転車のロックを外し、サドルにまたがる。そしてペダルを踏み込んだ。
学校に着くと、いきなり誰かに後ろから抱きつかれたた。
「やーい!捕まえたよ~みっち~」
私は顔を背に向け、声がした方を見た。彼女は、真邊 涼(まなべ すず)。私のクラスメイトであり、後ろの席に座る幼なじみだ。
「もう…そんなことしてたら遅刻するってば!急ぐぞ~すず!」
私と涼は、足早に教室へ向かった。
ー窓の外を見あげると、少し早めの入道雲が遠くの空にあった。
すると、後ろからペンでつつかれた。
「何?すず」
私は小声で後ろに声をかけた。
「ほら、あれ。弟くんじゃない?」
「え?どこよ」
「あれだよ、ゴール付近にいるじゃん。おっ今シュート打ったよ~あちゃー入らなかったかードンマイ弟くん!」
涼は、校庭でサッカーをしている弟を見ながら、ひとりで小さく騒いでいた。
「全く…アイツのどこがいいのよ、ぶっきらぼうでだらしなくて、口を開けば眠いだのウザイしか言わないのに」
私は、目線を黒板に戻し、涼に向けてそう口にした。
「それって親しい間柄にしか見せない顔ってやつじゃん。いいなぁ。みっちーの弟くん欲しいよぉ」
そんなことを言う涼に対し、先生が涼の名前を呼んだ。
「おい真邊、次の文章読んでみろ」
「えー、どこですかー?」
後ろから聞こえてきた涼の声は、面倒くさそうだった。
「ちゃんと話を聞いとけよ真邊。ここの文章は…」
先生は少し注意をすると、私たちに背を着けるように黒板にチョークを突き立てた。
「涼にあげれるならあげたいわよあんなヤツ。」
私は小さくそう言って、また視線を窓の外に向けた。その時、風が吹いて、目の前にあった束ねたカーテンが開いて風に煽られる。私はそれを見ながら、「海に行きたいな…」そう呟いた。
ーーー
放課後、私は自転車を押しながら、1人で帰路に着いていた。すると、後ろから声がした。振り返ると、涼がいた。
「何1人で帰ってるのよ!みっちー!」
小走りで私の元に近寄ってきたすずはそう言って、私の自転車の後ろに乗った。
「ちょっと…降りてよ」
私がそう言っても、すずは知らん顔を続ける。仕方なく私もサドルに跨り、ペダルを思い切り漕ぐ。
「最近水難事故多いわね~アンタも気をつけなさいよ湊(みなと)。」
私が座っているソファの後ろから母の声がした。
「分かってるよ。」
私はそう言いながら、リモコンを手に取り、チャンネルを変えた。
「あら、今見てたのに…」
母の残念そうな声が聞こえた。
「私、もう学校行くからね」
椅子にかけてある通学バックを手に取り、玄関へ向かった。
「あれ?姉ちゃん、もう学校行くの?」
ローファーを履いていると、後ろの階段から眠たそうにして降りてきている弟がいた。
「そうよ、凪も早く準備しないとまた遅刻するよ?」
私はつま先を玄関の床に押し付けた。
「分かってるよ姉ちゃん」
弟はそう言うと気だるそうな顔をしてリビングに向かった。
玄関の扉を開けるとリビングの方から、母と弟の声がしてきた。
「またやってる」
私はそう一言こぼして、家を出た。
まだ7月の月末というのに、真夏のように暑苦しい。目の前にある自転車のロックを外し、サドルにまたがる。そしてペダルを踏み込んだ。
学校に着くと、いきなり誰かに後ろから抱きつかれたた。
「やーい!捕まえたよ~みっち~」
私は顔を背に向け、声がした方を見た。彼女は、真邊 涼(まなべ すず)。私のクラスメイトであり、後ろの席に座る幼なじみだ。
「もう…そんなことしてたら遅刻するってば!急ぐぞ~すず!」
私と涼は、足早に教室へ向かった。
ー窓の外を見あげると、少し早めの入道雲が遠くの空にあった。
すると、後ろからペンでつつかれた。
「何?すず」
私は小声で後ろに声をかけた。
「ほら、あれ。弟くんじゃない?」
「え?どこよ」
「あれだよ、ゴール付近にいるじゃん。おっ今シュート打ったよ~あちゃー入らなかったかードンマイ弟くん!」
涼は、校庭でサッカーをしている弟を見ながら、ひとりで小さく騒いでいた。
「全く…アイツのどこがいいのよ、ぶっきらぼうでだらしなくて、口を開けば眠いだのウザイしか言わないのに」
私は、目線を黒板に戻し、涼に向けてそう口にした。
「それって親しい間柄にしか見せない顔ってやつじゃん。いいなぁ。みっちーの弟くん欲しいよぉ」
そんなことを言う涼に対し、先生が涼の名前を呼んだ。
「おい真邊、次の文章読んでみろ」
「えー、どこですかー?」
後ろから聞こえてきた涼の声は、面倒くさそうだった。
「ちゃんと話を聞いとけよ真邊。ここの文章は…」
先生は少し注意をすると、私たちに背を着けるように黒板にチョークを突き立てた。
「涼にあげれるならあげたいわよあんなヤツ。」
私は小さくそう言って、また視線を窓の外に向けた。その時、風が吹いて、目の前にあった束ねたカーテンが開いて風に煽られる。私はそれを見ながら、「海に行きたいな…」そう呟いた。
ーーー
放課後、私は自転車を押しながら、1人で帰路に着いていた。すると、後ろから声がした。振り返ると、涼がいた。
「何1人で帰ってるのよ!みっちー!」
小走りで私の元に近寄ってきたすずはそう言って、私の自転車の後ろに乗った。
「ちょっと…降りてよ」
私がそう言っても、すずは知らん顔を続ける。仕方なく私もサドルに跨り、ペダルを思い切り漕ぐ。
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