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あたしは伝説の食材
目覚めた時は茉莉花茶の香り
しおりを挟む『四ノ宮って、なんでそんなにデブなんだよ』
『力士みてぇ~笑』
『アハハ!!クマにも勝てそうだな』
「もーー!!酷いよ!!男子!!、お菓子よこせーーー!!!」
でも……確かにあたし、なんでこんなに太ってるんだろう?
『神美は太ってないのよ?、貴女はね……選ばれた人間なの』
お母さんに毎日言われた言葉を鵜呑みにしたあたしは、気付けばワガママボディへと成長していた。
でも────
「食べる事って幸せなのよねぇ~~♪」
それは本心なの?──────
そう思えば思うほど、誰かに問いかけられた気がした。
本当は、細くてスタイルが良い子が着れるような可愛い服を沢山着て、オシャレして恋がしたい。
でも───あたしには一生無理な気がする
「あら、やっと起きた」
「あ……………」
神美が目を開けると、温かみのある雰囲気を持った美しい女性が微笑んでいた。
(綺麗な女の人……)
コポポポ…と、湯呑らしき物に何かが注がれた音。とても心地が良く、そして何より良い香り……。この香りは何処かで嗅いだことがある────かなり身近にある物だった気がした
「陛下が貴女の事をとても心配してらしたわ。」
「陛下……?」
「天下の白龍帝の背中にお乗りなられたのは、龍仙女様と貴女だけよ?」
はい──と手渡され、湯呑に注がれていたのは茉莉花茶だった。
白龍帝?───
聞き慣れない名前だった
「あ、ありがとう…ございます!、すっごい喉乾いてて…助かります!」
ごきゅごきゅと喉を鳴らして美味しそうに呑む神美の姿に、口許を抑えながら
「あははっ、凄い呑みっぷりねぇ」
何ともその容姿から似つかわしくない笑い方をしたのだ。
「ふふっ、私の名前は柘榴。陛下の正妃の側仕えと、後宮の妃達に仕える侍女達の教育係をしている女官長をしているわ」
「あたしは四ノ宮神美ですっ!高校生やってます!」
「こうこうせい?……聞いた事のない役職だわ。」
「や、役職とかそんなんじゃないんだけど!?。普通の学生だよ?、柘榴ちゃんって何歳?」
「私は、25歳よ」
「と、年上なの~~!?あたしと同い年くらいだと思ってた…」
「それくらい、私って若く見えるのよねっ♪嬉しいっ」
ガチャ────……
柘榴が飛び跳ねながら喜んでいると、室内の重い扉がゆっくりと開き、その隙間から徐々に光が射し込んだ。
「柘榴── 龍仙女の仙子は目覚めたか?」
「あ……」
全開になると、神々しい雰囲気を漂わせた青い瞳の青年が立っていた。
(夢で…助けてくれた、めちゃくちゃ美形の男の子……)
「ってことは、コレは夢じゃない!?」
「この通り、元気に目覚めました」
「そうか……良かった───」
(な、なんて綺麗なお顔なの……──マトモに見られないよ!!)
「気分はどうだ?、…神美と申していたな?」
「は…はい……だ、だいじょう───」
ぐっぎゅるるるるるる~~!!────
「あ──」
四ノ宮神美は、少しふくよかな女子高生
その見た目通りの天真爛漫な性格は
時に人を困惑させ
「な…───」
時に人の心を躍らせて、いつの間にか笑顔にさせている
「っ…~~!あははは!!」
そんな普通の女の子が、自分と伝説の五匹の龍に向き合う物語である────
「お、お腹空いちゃった…」
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