心を求めて

hakurei

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強くいたい理由。

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「ねぇ、明日予定ある?」
いつもの様に授業をサボり時雨と話していると突然そんな事を言う時雨。
「予定?特にはないけど。」
「なら明日買い物付き合ってよ!」
「買い物だぁ?なんでまた…。」
「そんなの、思いつきよ。」
思いつきに付き合わされるのか…そう思わずにはいられなかった。
「めんどくさい、一人で行け。」
「いいじゃない、どうせ暇でしょ?こんな可愛い美少女からの誘いなのだから断る理由がないでしょ?」
自分で美少女言うか…。
「はぁ…まぁいいけど。」
「よし!じゃ駅前のベンチ付近に昼頃集合ね!」
「へいへい。」
特に予定もなく暇なので、めんどくさいが行くことにした。
そして次の日。
予定より早めに着いたのだが、
「随分と早いのな。」
先に時雨は待っていた。
「へへ、なんか早く着いちゃった。」
「んでどこ行くんだ?」
「ん、適当にショッピングよ、服見たり、甘い物食べに行ったりね!」
「流石女子って感じだな。」
そういえば時雨の私服は初めて見た、普段は制服姿だが、今回は当然私服。
時雨は綺麗な白のワンピースで彼女の金髪と上手くマッチしている。
正直綺麗だと思った。
私なんて適当なジーンズにシャツを着ただけのどこにでもありそうな服装だ…少し気にした方がいいのか?
でもめんどくさい、そう思った。
「とりあえず、近くのショッピングモールに行くよ!」
「はいよ。」
適当に返事をしつつ、時雨について行く。
ショッピングモールに着いて。
「ん~、いい物が見つからない…。」
「何をそんなに悩むんだ…。」
ショッピングモールの中の服屋に来て、かれこれ30分はたっている。
「だってー!せっかく来たんだもん、何か買いたいじゃん?」
「その気持ちは俺にはわからん。」
「でも可愛いの見つからないし、しょうがないからゲームセンターにでも行こうか。」
「唐突だなぁ…。」
「あ、一緒にプリクラ撮ろ!」
「…はぁ?」
「ほら!行くよ!」
「あ、ちょ…!」
強引に私の腕を引っ張り、ゲームセンターの中のプリクラ機に強制で入れられる。
「いやまてまてまて!俺は撮るなんて…。」
「はい、お金入れるよー。」
私の言葉を無視しながらお金を入れようとする時雨。
なんで自分まで…そう思わずにはいられなかった、私は時雨の腕を掴んで止める。
「…なによ…。」
「人の話を聞け自己中女!」
「ひっどい名前ね、でなに?」
「俺は撮らないぞ、撮るなら一人で撮れ」
「なんでよ、二人で撮った方が楽しいじゃん!なんでそんなに嫌がるのよ。」
「いやな、自分のブッサイクな顔を写真として残したくないんだよ…俺写真写り悪いし…。」
ほんとに私は写真写りが悪い。
「プリクラなんだから悪くても盛ればよくなるわよ?」
「知らん、俺は撮らん、ほら出るぞ」
強引に出ようとしたが…時雨は私の腕を再度掴む。
「ダメ、ほらお金入れるから撮るわよ。」
「おいやめろ!離せ!だぁあちくしょ!」
人の話を聞かずにお金を入れる時雨。
「ほら、撮られるわよ?」
「…チッ。」
諦めて撮ることにした。
こうゆう時どう撮ったらいいのかわからなかった私は棒立ちしていた。
そうして1枚、2枚と撮られる。
そして3枚目を撮るという前に…。
「むぅ……えい!」
突然時雨が私の腕に引っ付いてきた。
「ちょ!おま…!!」
私が動揺した時に…パシャ、っと写真が撮られた。
「はぁ…。絶対変な顔になったぞこれ…。」
「棒立ちよりマシよ!写真なのよ!写真ってのはいわば思い出なの!そんな写真を貴方は真顔と棒立ちで撮ろうとしたのよ!!あっりえない!」
「お、おう…すまん…。」
ド正論で何も言えなかった。
「まぁいいわ、いい顔が撮れてるから。」
小馬鹿にする様にニヤつく時雨。
「さぁ、盛り付けに入りましょ!あ、あと携帯ある?」
「ん?あるけど?」
「ちょっと貸してくれない?あ、あと少し外出ててちょうだい。」
「んぁ?まぁいいけど、はいよ。」
特に見られて困る物もないのでなんの抵抗もなく携帯を差し出す。
「え、すんなりと渡してくるのね。」
「見られて困る物もないしな、それと俺の携帯スペック低いからな?」
「あぁそれは構わないわ。ちょっとだけ借りるわよ。」
「はいよ。」
そう言ってプリクラ機を出る。
やっと解放された…そう思って背中を伸ばす。
数分たってから時雨も出てくる。
「おまたせ、はい携帯。」
「おう、んで何したんだ?」
「電源つけてみたらわかるわよ。」
ニヤニヤしながら言う時雨。
「全く何をしたん…だ…?」
電源をつけた瞬間、私は動揺した。
だって画面を付けたら…時雨とのツーショットが携帯の壁紙になっていたのだから。
「な、なんだよこれ!」
「いいでしょこれ、君の顔すっごく面白いし。」
笑いながら言ってくるが私が驚いたのはそこではない。
「なんでこんなの設定されてんだよ!」
「え?だって思い出は近くに置いとかないと、でしょ!」
「でしょ!じゃねーよ!今すぐ直せ!」
「え?嫌に決まってるじゃん、さっ!私クレープ食べたいから食べに行きましょ!」
「あっ!おい!待て!…くっそ…。」
私の言葉なんか聞こえてないと言わんばかりにスタスタと進む時雨に対して私は。
「ほんっと、めんどくさい女だな…。」
と苦笑混じりに呟くのだった…。
「あぁぁ~!クレープ美味しかったぁ!」
「俺の金使って食いやがって…。」
あれからクレープ屋によって、クレープを買おうとした時、なんとこの女は私に会計をさせたのだ。
「なぁんの事かしら!」
「はぁ…まぁいいけど。」
「えっへへ~、でも楽しかったわ、今日はありがとう!」
そう言われて私は苦笑しながら。
「俺も今日は充分楽しんだ、まぁ色々と疲れたとこもあったけどな。」
そう言った。
「あら?そんな疲れるようなことしたかしら?」
「誰のせいだと思ってるんです?」
「私のせいだと言いたいの?」
「その通りですけど?」
「ひっどいのー、私なぁんにもしてないのにぃ~。」
わざとらしく言う時雨。
「まぁいいけどよ。」
多少呆れながら言う。
「さぁぼちぼち帰りましょうか。」
「そうだな。」
クレープを食べながら雑談も交えていたため、意外と時間は過ぎていた。
そうして私達はショッピングモールを出た。
「お前の家ってどの道なんだ?」
「私はこっちの方よ。」
「ってことは途中まで一緒ぽいな。」
「あらそうなの?なら一緒に行きましょ。」
「あいよ。」
そうして2人で帰路を辿ってる時だった…。
「おい、あれ噂の不良野郎と金髪女じゃね?」
という声が聞こえた。
「ほんとだぁ!何?あの2人付き合ってる噂本当だったの?」
「かもな!正直あんな男の何がいいのかわからねぇけど!いざという時に逃げ出す様なひ弱な体してんぜ?」
その言葉が聞こえて私の足が止まった。
そうしてその男を睨みつけた。
「あ?なんだあの野郎?まさか俺の事睨みつけてねぇか?」
「まじ?馬鹿なのかぁ?(笑)」
「おいおい、ガンつけてねぇでこいよ。」
この時、私はもちろん腹が立っていた。
易々とその男の挑発に乗ってしまった。
「ちょっと!放っておこうよ!わざわざ関わる意味ないって!」
時雨のその言葉に男は。
「チッ、癇に障る奴らだな。」
あれだ、よく見るヤンキー面してる奴にある行動だな。
そうしてその男は私達の方に近寄ってくる。
「んだよ。」
ぶっきらぼうにそう言うと、男は。
「いちいちムカつく野郎だな、不良気取ってんじゃねぇぞ?」
「ブーメランって知ってるか?」
「あぁ??」
「ちょっとやめなさいって!ってあなた!?」
「知ってるのか?」
「え、えぇ、ちょっと…ね…。」
何かあるのかと思っていたが、答えがすぐ出た。
「忘れるわけねぇよなぁ!なんせ!最初にこいつに絡んだのは俺なんだからなぁ!」
「…あ?」
「いやな?こいつ転校初日から金髪なんだぞ?転校に合わせて染めたんだよ、ふざけてると思わねぇか?だからよ、ムカつくらさっさと黒に戻してこいって言ってやったんだ、だがこいつは元からこの髪色だとパチこきやがる!元から金髪の日本人がいるわけねぇだろうが!だから俺は優しさで常識を教えてやったのによぉ!こいつは口答えしかしねぇで…」
「もう黙れよ。」
男の話を遮った。
だが理解出来たこの男はクソ野郎だ。
「あ?」
この時の私は、この男に本気で腹がたっていた。
「てめぇの勝手な決めつけでこいつは…時雨は意味もねぇいじめにまで発展してんだぞ!ふざけるのもいい加減に…」
そこまで言って…。
「ぐっ…!」
私は男に殴れた、その勢いで私は地面に倒れた。
「うるせぇんだよ、俺に楯突くな。」
「ちょっと!何も手を出す必要ないでしょ!」
時雨が私の方によりながら叫ぶ。
「あ?知らねぇよ、こいつが弱ぇクセに俺に突っかかってきたのが悪ぃんだ、いざという時に女1人助けも出来ねぇ弱虫が人に楯突くなって事だ!チッ…腹立つからもういっぺん殴らせろ。」
「ちょ!やめて!」
時雨が男の腕を掴んで止めに入る。
「邪魔だクソ女!」
「キャッ!」
その男は…時雨の顔を叩いた…。
そこで、私の怒りが頂点に達した。
ムクリと体を起こす。
「…。」
無言で男に殴りかかった。
そうして男の顔面に拳が入る。
「あが…!」
今度は男が倒れ込む。
「ちょ、ちょっと!何ムキになってんのよ!」
男と一緒にいた女がそう叫ぶ。
「ムキになってるだと?それはこっちのセリフだ、それにこいつは男としてやってはいけない事をした。」
「は、はぁ?」
「どんな状況であれ男が女に手を挙げていいわけがねぇんだよ。」
「うるせぇよ…弱虫が!イキってんじゃねぇ!」
そういいながらまた殴りかかってくるが…私はその拳を避けて…。
「ぐはっ…!」
逆に私の拳が男の腹に入った。
その衝撃で男は蹲る。
そんな男の状態など無視して私は男の髪を引っ張りあげる。
「ガッ…ガァ!」
「お前言ったよな、女1人守れない奴が人に楯突くなって…ならお前はそれを成し遂げられるって事だよな?」
そうして一緒にいた女の方を見る。
「ちょ、待ってよ…。」
声を震わせながら後退る女。
「ま、待ってくれ!悪かった!俺が悪かったからそいつには手を出すな!」
「はぁ?お前が自分で言っただろ?ならそれを成し遂げろ、俺は過去自分が弱くて後悔した、過去の自分は弱すぎた、過去俺もいじめを受けていた、だから俺は弱いものいじめをする奴を嫌って対抗するようになった、俺は強くなくちゃいけないんだよ。」
「…ふ、ははっ、ははははは!!!」
男が急に笑いだす。
「なんだお前!お前もいじめられてたのかよ!傑作だな!ふははははは!!!」
「…チッ!」
舌打ちをして私は男に蹴りを入れてた。
「ガハッ!!ゴホッ…。」
「てめぇ…ふざけるのもいい加減に…!」
そういい男に再度殴りかかろうとしたのだが…その腕が止められた。
男に…ではない。
「もう、やめてよ…!」
そう聞こえて、振り向いた、そこには…。
私の腕を止めながら叫び、涙を流す時雨がいた。
「もう…大丈夫だから…帰ろうよ…ね…。」
私はそんな時雨を見て、冷静さを取り戻した。
「…ごめん、でも少し待ってくれ。」
そう言って女の方に向かう。
「な、なに!」
震えながらまた後退る女。
「この男は捨てな、あんたも見たろ、こいつは腹がたったら容赦なく女にも手を挙げるクソ野郎だ、あんたの為にもこの男とはすぐ別れろ、縁を切れ、それだけだ。」
そういい時雨の方に戻り、帰ろうとする…が。
「てめぇ…後々後悔させてやるからな…。」
そう男に言われた。
がっ、そんな男の言葉を無視して、帰路を辿るのだった…。
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