心を求めて

hakurei

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救われる。

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学校をサボり家でのんびりしていたが、特にすることも無く暇だったので散歩がてら外に出ていた。
たが、その選択は間違いだった事に気づいた時には遅かった。
「いやぁ、意外と一人って退屈なのよねぇ。」
「なんでお前がいるんだよ…。」
散歩途中でまさかの私の事を噂した張本人がいた。
「ん?いや、私も学校はそこまで行かないのよ。」
「はぁ…それはまたどうして…。」
「…まぁ、色々あるのよ…。」
歯切れ悪くそう言うクラスメイトの女。
「ふーん、いじめとかか?」
「…!」
適当に聞いてみたがまさかの的中、図星を突かれ表情に出る女。
「おいおい、まじかよ…大丈夫かよあの学校…。」
「い、いや、まだ私何も言ってないじゃない!」
「お前の反応見りゃあわかるっての。」
「…。」
「んで、その相手は誰だ?」
「え?な、なんで?」
「いや気になっただけだ。」
「あ、そうなの…えっとその相手は…。」
私は相手が誰なのかを聞き、立ち上がる。
「じゃ、帰るわ。」
「え?あ、うん…。」
「そういやお前、名前ってなんだ?」
「あ、私は二 結月(したなが ゆずき)。」
「そうか。じゃ明日学校に来てくれ、じゃ。」
「え?ちょ待って!」
そう呼び止められたが、私は無視しながらその場を後にするのだった…。
次の日、私は普通に登校した。
だが、教室には行かずに学校をうろうろとしていた。
「ん?」
私は足を止めた。
「やっぱり、そうなるよな。」
そういって私はまた足を動かす、その場所に向かって。

_______________

彼に学校に来いと言われたから来たものの、結果は最悪だ…。
いつも私に付きまとう連中が案の定絡んでくる。
私が何をした?私の何が悪いの?
考えても考えてもわかったのは、わからないということだけ。
だから最近は考えることをやめた。
今だけ耐えようと、あとこの年だけ耐えれば学校が変わるから。
ひたすら耐え抜かないと。
私という人間が壊れる前に…。
そう思いながら周りの怒声や笑い声に耐えていると…。
「こんな隠れた場所で1人囲んでダセェ真似してるなぁ。」
っと、聞き覚えのある声がした。

_______________

予感的中。
二は学校裏の人目のつかない場所で男数人に囲まれていた。
「あんたら、影でコソコソいじめてるくらいなら真面目に勉強でもしてたらどうだ?」
「は?なんだよお前。」
「やめとけよ、時雨のいじめを誰が止めたと思ってるんだ?」
「…?!」
そいつはハッと瞠若し。
「わかった!もうやめる!」
そういいそいつらはそそくさとその場を去っていった。
「はぁ…そんなすぐ逃げるくらいならこんな事すんなよな。」
っと呟いて。
「大丈夫か?」
そう座り込んでる彼女に言葉をかけた。
「え、えぇ…なんとか…貴方、何者なの…?」
「まぁ謎に他の連中からは恐れられてるらしいからな。」
この時の私は学校中で恐れられ、忌み嫌われていた。
まぁクラスの現状は変わったのだが、それでも他のクラスからしたらただの不良という認識な上に元々いた不良達を潰してきたため恐れられるのは必然なのだろう。
ただ私はただ守ってきただけなのにな…。
「まぁこれでしばらくは大丈夫だろ。」
「う、うん…ありがとう。」
「…別に、ただの気まぐれさ。」
そう言って私はその場を離れ、教室に向かうのだった。

_______________

彼に助けられてから、私のいじめは完全に消え去った。
彼には感謝の気持ちでいっぱいだったが…その感謝の気持ちよりも上に出てくる感情があった。
それは恋心。
彼に助けられてから、私は彼に惹かれてしまった。
彼の強さと性格に、完全に惹かれてしまったいた。
助けられた女性はその助けてくれた男性に恋をするというのは結構有名な話だが、あながち間違ってないのだと思った。
だがきっと彼はもう1人の少女にきっと惹かれている。
だから私はこの気持ちをしまい込み、彼の事を見守る事にした。
助けられた私が彼の気持ちを否定する訳にはいかない、だから次は私が彼を助け、サポートする。
そう心中で決めたのだった…。
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