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献上

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そして男は後日、もう2つを献上する事になった。

「あら、ありがとうございます」

「女が徒党を組めば一番強いんだよ」

「舐めんなよ?」

ひとりを選ばせ競わた結果得るものが、林檎一つでは割に合わない。

そんな決まった結果より、自身の要望が通るようにお願いした。

そこに争いはないものの、否とも言えない圧はあった。
敵対心を持たれてしまったのだ。


ただ、黄金の林檎をそれぞれ手にする事で手打ちとなる。


男は誤った、そして謝る。地に額が付くほど謝ったらしい。

怖かったとのちに友人に語る。

「ああ、なぜひとつだけしか持って来なかったのか。
美しい女は強いのだ。」

そしてこの話をネタに呑む中、美しい男にも
林檎をくれとニッコリ頼まれるのだった。


それをどうすれば良い帰結になるか、考える。

まあそれが成長の代価だったのだと友人は思った。
その相談にも、乗るつもりで手元の酒を追加したのだった。
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