2 / 5
顔だけ
しおりを挟む
「メリッサ!君が僕の運命だ」
男が女に向き、膝を付いて求愛する。
そこはあるパーティを少しだけ抜け出した場所。
噴水と庭園には明りが灯されている。
パーティの音楽が流れ、花の香りも感じられた。
そんなロマンチックなシチュエーション
男とは会ったばかりの、名前くらいしか知らない仲
夢物語のような出来事に、舞い上がるのも経験のなさゆえか。
それが見ている側だとこんなにも白けると実感している女がひとり居た。
(良くこんなところで告白めいたことをするもんだ。)
この男は演出の効果をわかっている。
パーティを少しだけ抜け出す場所。暗がりではない、そのいかがわしさ
を回避しつつ、ちょっとだけとその冒険心をくすぐる。
ダンスの音楽が流れる距離で、盛り上がりと女への安心感を与え
自分が清廉潔白であるかのように見せる。
その手腕は、役者顔負け。
心理的にもわかってやっていたとわかる手慣れた様子だった。
いつものように、女を口説き落とせると確信した笑みを隠して
跪くまま男は今日の標的に笑顔を向けて、決まる寸前。
口説いていると、他の女が登場にしばし視線を向けた。
(ちっ間の悪い。)
あまり人が来ないとは言え、パーティの最中にゼロとはいかない。
気を利かせ、男女2人のと分かれば当然、避けてくれるものだ。
(よっぽど性格悪い女か?)
顔を見ると、まあまあ良い。ドレスのセンスは古いがな。
じっと僕の顔を見ているので
僕に気があったとか?昔捨てた女かもしれない。
しかし、見覚えがない。
(誰だ?)
まあまあの女なら、後で声をかけてやっても良い。
今はメリッサだ。
そう向き直り、頷かせようと知らない女から気を逸らすと
後ろから女の声が届いた。
「次は、『薔薇の花のように美しいが。手折る事を許して
僕の側で咲いて欲しい』って言うわ。
劇の『薔薇の君』のセリフの使い回しね。」
メリッサが女の方に気を取られた。余計な事を!
「信じられないでしょ?顔だけは良いし、悪い噂は家で消しているのよ。」
「何を言っているんだ、君は?」
僕の方を見ない!なんだこの女?!
「そのセリフ言われたのを3人ほど知ってるけど、紹介しましょうか?
派閥もいろいろよ。」
完全なる善意で、別に信じてもらえなくても良いと気負っていない様子と
男の憤怒の豹変に、メリッサという子は引いている。
「あの、これで…」
と言い残し、逃げていった。
違う男女の組みが残ったのだった。
男が女に向き、膝を付いて求愛する。
そこはあるパーティを少しだけ抜け出した場所。
噴水と庭園には明りが灯されている。
パーティの音楽が流れ、花の香りも感じられた。
そんなロマンチックなシチュエーション
男とは会ったばかりの、名前くらいしか知らない仲
夢物語のような出来事に、舞い上がるのも経験のなさゆえか。
それが見ている側だとこんなにも白けると実感している女がひとり居た。
(良くこんなところで告白めいたことをするもんだ。)
この男は演出の効果をわかっている。
パーティを少しだけ抜け出す場所。暗がりではない、そのいかがわしさ
を回避しつつ、ちょっとだけとその冒険心をくすぐる。
ダンスの音楽が流れる距離で、盛り上がりと女への安心感を与え
自分が清廉潔白であるかのように見せる。
その手腕は、役者顔負け。
心理的にもわかってやっていたとわかる手慣れた様子だった。
いつものように、女を口説き落とせると確信した笑みを隠して
跪くまま男は今日の標的に笑顔を向けて、決まる寸前。
口説いていると、他の女が登場にしばし視線を向けた。
(ちっ間の悪い。)
あまり人が来ないとは言え、パーティの最中にゼロとはいかない。
気を利かせ、男女2人のと分かれば当然、避けてくれるものだ。
(よっぽど性格悪い女か?)
顔を見ると、まあまあ良い。ドレスのセンスは古いがな。
じっと僕の顔を見ているので
僕に気があったとか?昔捨てた女かもしれない。
しかし、見覚えがない。
(誰だ?)
まあまあの女なら、後で声をかけてやっても良い。
今はメリッサだ。
そう向き直り、頷かせようと知らない女から気を逸らすと
後ろから女の声が届いた。
「次は、『薔薇の花のように美しいが。手折る事を許して
僕の側で咲いて欲しい』って言うわ。
劇の『薔薇の君』のセリフの使い回しね。」
メリッサが女の方に気を取られた。余計な事を!
「信じられないでしょ?顔だけは良いし、悪い噂は家で消しているのよ。」
「何を言っているんだ、君は?」
僕の方を見ない!なんだこの女?!
「そのセリフ言われたのを3人ほど知ってるけど、紹介しましょうか?
派閥もいろいろよ。」
完全なる善意で、別に信じてもらえなくても良いと気負っていない様子と
男の憤怒の豹変に、メリッサという子は引いている。
「あの、これで…」
と言い残し、逃げていった。
違う男女の組みが残ったのだった。
3
あなたにおすすめの小説
今さら泣きついても遅いので、どうかお静かに。
阿里
恋愛
「平民のくせに」「トロくて邪魔だ」──そう言われ続けてきた王宮の雑用係。地味で目立たない私のことなんて、誰も気にかけなかった。
特に伯爵令嬢のルナは、私の幸せを邪魔することばかり考えていた。
けれど、ある夜、怪我をした青年を助けたことで、私の運命は大きく動き出す。
彼の正体は、なんとこの国の若き国王陛下!
「君は私の光だ」と、陛下は私を誰よりも大切にしてくれる。
私を虐げ、利用した貴族たちは、今、悔し涙を流している。
あなたが後悔しても、私の愛はもう戻りません
藤原遊
恋愛
婚約者のアルベルトは、優しい人だった。
ただ――いつも、私より優先する存在がいただけで。
「君は分かってくれると思っていた」
その一言で、リーシェは気づいてしまう。
私は、最初から選ばれていなかったのだと。
これは、奪われた恋を取り戻す物語ではない。
後悔する彼と、もう戻らないと決めた私、
そして“私を選ぶ人”に出会うまでの、静かな恋の終わりと始まりの物語。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
愚か者の話をしよう
鈴宮(すずみや)
恋愛
シェイマスは、婚約者であるエーファを心から愛している。けれど、控えめな性格のエーファは、聖女ミランダがシェイマスにちょっかいを掛けても、穏やかに微笑むばかり。
そんな彼女の反応に物足りなさを感じつつも、シェイマスはエーファとの幸せな未来を夢見ていた。
けれどある日、シェイマスは父親である国王から「エーファとの婚約は破棄する」と告げられて――――?
何故、わたくしだけが貴方の事を特別視していると思われるのですか?
ラララキヲ
ファンタジー
王家主催の夜会で婚約者以外の令嬢をエスコートした侯爵令息は、突然自分の婚約者である伯爵令嬢に婚約破棄を宣言した。
それを受けて婚約者の伯爵令嬢は自分の婚約者に聞き返す。
「返事……ですか?わたくしは何を言えばいいのでしょうか?」
侯爵令息の胸に抱かれる子爵令嬢も一緒になって婚約破棄を告げられた令嬢を責め立てる。しかし伯爵令嬢は首を傾げて問返す。
「何故わたくしが嫉妬すると思われるのですか?」
※この世界の貴族は『完全なピラミッド型』だと思って下さい……
◇テンプレ婚約破棄モノ。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
〔2026/02・大幅加筆修正〕
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる