【完結済み】破滅のハッピーエンドの王子妃

BBやっこ

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舞台裏

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長い。

王の呼びつけは、いつものことだ。
私の役目であり、鎧姿で馳せ参じた。

「よく来た。お前には国を滅ぼしてもらう」
いつものように告げられる。
その長い長い話に、気を飛ばしてしまいそうになるのを止まる。

話が長いのには理由があるらしいと以前聞いて、その分長くなった経験から
沈黙を守るのが正しい姿勢だと理解した。


なぜこのように長い話が必要なのですか?と問うた時には、

『己れがすぐに国を攻め落とすからだ』とおっしゃる。

単騎で攻め落とせるからこそ私が行くのでしょうに。

兵の被害も、その国の民に被害が出ることなく
国の王族を落とす。

それが私の役目だ
我が王のために力を奮い

我が王は、民のために力を示される。

しかし、
この攻めいる前の話しの長さは承服しかねる。
とりあえず聞いていればいいので、御前に控える。
この重い鎧姿は騎士の私は、
待機に慣れているため平気なのだが、私より周りが気を揉んでいる。

周りが気を遣ってくれるが案外涼しいのでお構いなく。
私の黒の重装備は、畏怖の象徴。
実際は私の威厳をつけるためという情けない理由だが
それを外国のものが知ることはない。

私の見た目で侮られるのは、私個人は構わないのだが
「謀られた」、「油断した」などの言い訳が返ってくるのが実情だ。

我が王からの使いとして、この姿は重要な意味を持つ。

王からの採決
その執行を担う者

それが黒の騎士
【死の使い】、【黒の悪魔】と呼ばれているのも知っている。

そんな自己を省みていれば
やっと本題に入った王の話。

「あの国さあ。子供達に、てえ出したんだわあ。」

これは勘違いされやすいが、王は怒っている。激怒だ。


怒りに任せないために、こんな口調になってらっしゃるが
年も年上で千単位のお年を召している。

話の長さが年齢と比例するかは分からないが、王は
為政者だ。


その決定は絶対
それに従うのが俺の役目。


「仰せのままに」

その足で
彼の国へ攻め入った。


王も王子も始末したが、


王妃がいない。

王子が王となる期間中で、未来の王妃がいるはずらしい?
今は王子妃なのか。ややこしいが仕方がない。

子供たちを巻き込んだ事件は、元王子の凶行。
そのツケを払わせるのに、王になったとしても逃れられるものではない。


私はまず、政務の王座に雪崩こんだ。
刑の執行

死して幕とはならない。

その首はもらい受ければ、衣の上にあった権威は地に落ちる。

まあその首は、喋るけどな。
ただ殺すなんて効率の悪いことをするわけない。

魔術的なあれこれで、我が王が全てを罪人に問う。
そして、奪ったモノに懺悔を。その報いの果てに絶望を。


その始まりを見送り、


最期の王妃になる者を探す。
中庭で会ったその佇まいに私は戸惑った。

彼女は罪人か?
罪を認めぬ者か?

私にはそうとは見えない。
幾人もの王族に最後を突きつけた私に


見抜けぬ罪だろうか?
私はその王妃と問答した。側で泣く女を居ないものと扱う。

王妃だと言った女は
罪の色に染まらず、ただ役目を告げるだけ。

その姿は王族でも、私が刈り取る罪人ではない。
そう判断した後、



私は我が王の御前に戻る。




「彼女の情報はなかったぞ?」

その王の言葉に

早々に王の話に切りをつけたいと思ってしまった。
王妃と名乗った女は何者だったのだろうか?

長い王の話が、長くなる前に御前を退く。



今は早く
彼女に会いに行きたい。
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