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そっかあ、今じゃないんだ。

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議会で怒られた。

婚約者に近づきすぎ、そんなの“はしたない”って。


なんで?
だって、私おはなししてただけなのよ。

「間違ってるよ!」

涙が溜まけど、訴える。

「間違いは、正さなきゃ。だって私は、当然の事をしただけだもの。

おはなしするのも、プレゼントを贈られるのも悪い事じゃないわ?
困っている時に助けてくれる存在も嬉しいものよ!」



“それが貴族社会には通じない”


それをフルールは理解できない。

いや、フルール以外が理解できないものを見た。


その視線が怖くなった。
「王子様、助けて!」


そして、フルール・メイカーは学園を去った。


彼女教会へ入るよう勧められ、同意が得られた。


ざまあ見ろと言った者
そうなるかと得心がいった者


「王子様が迎えにきてくれるわ」


そう若い教会預かりの女が言っているのを

静かに肯定するのが、教会のシスター達だった。
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