【完結】とりあえず泣かずにそこにいてもらえますか?婚約破棄まで行く前に、話が聞きたいので。

BBやっこ

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帰宅後

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「ふぅ。今日は大変だった。」

身分差があると余計に拗れる。女の嫉妬も入ると余計だった。


「最初はね、女生徒が王子様と話していたと言うだけの
可愛い嫉妬からだったらしい。

平等とはいえ話しかけられないのに、侯爵家である私が何故!
男爵令嬢ごときがって。


そんな事なら、自分から話しかければ良いのにね?婚約者だし。」

私の話相手は、無関心に視線を外す。


「けどねえ。その後も拗れたねえ。男爵令嬢も話を聞くのが上手い。

王子様の興味を惹かれるのもわかる。控えめだけど話す内容がないわけじゃない。
彼女は、話相手として面白いよ。領地の事も詳しく知って、

令嬢の話じゃない。良い意味でよ?」

ドレスや花より、聞きたい事はある。

「婚約者同士で当たり障りのない話での交流中の段階かな。」
やっと私に瞳を向けてくれた。

「男爵令嬢は、恋愛感情より畏れ多いって気持ちが大きい。弁えた態度の範疇だよ。

どうしても、王子様を盗る女にしたいんだね?
ちゃんと見えないのかな。


“王子様の婚約者として本人に目にかけてもらいたい”
敵視する人間を男爵令嬢に定めたんだねえ。その子を諌めれば勝ち?」

側に来た話相手を見ながら

「涙を流して訴えたって、令嬢なら泣かずに訴えてみせてよねえ。

とりあえず泣けば良いって、子供じゃない?
侯爵家の彼女、演技過剰なんだよ。


今度、『情緒不安定なようですので、一度お帰りいただいて構いません』
って言っていいかな?

あの嘘泣き、止まるかも。」


相手も疲れるよという愚痴めいた話にも
にゃーんと声をかけて相手をしてくれる。


「癒してくれてありがとう。」


とりあえず、侯爵家の令嬢との婚約破棄より
素直な会話をしてもらえないか、要望を学生会から出す。

『王子様、婚約者様をちゃんと構って!』


そう湾曲に伝えられれば、国が安泰とか?

その一端を担うのが私かもしれない。


「にゃー」

「それはないか。」


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