子狐のウエディング

Sigune.

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第3章

第13話

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 Aチームの鬼はレオだ。鬼はチームの中からランダムで2人が選出される。缶の前でかがみ込んで目を手で覆う。デイドリームが普段からしていた遊びなのでやたらと親近感がある。もう1人の鬼はノエというらしい。おそらくデイドリームよりも若い。高校を卒業したばかりだろうか。最近は高校卒業したばかりの18歳・19歳のヒーローも増えている。今は事例がないが、これからは高校生ヒーローも誕生するかもしれない。


 Bチームにはアーヴィング、ジェイコブ、アシュリー、エリッサ、カーター、カヤ、ティファニー、ダンテの8人がいるらしい。それぞれがどんな能力を持っているのかがすごく楽しみだ。

 レオがライオンに変身した。普通のライオンよりも一回りくらい大きい。デイドリームはレオが変身した姿を2回見たことがある。だから、驚かなかった。

 周りはというと、「おぉー!」と歓声をあげる者もいれば、「キャー!」と黄色い声なのか恐怖から来る声なのか分からない声を発する者もいた。おそらく恐怖の声だろうが。


 アーヴィングが缶を蹴って試合が始まった。アーヴィングはシンプルな増強型の個性のようだ。缶が広い会議室の真ん中から一気に端まで飛んでいった。

 レオがライオンの姿で缶を取りにいく。10秒ぐらいで帰ってきた。その間、それよりも驚く出来事があった。

 ノエが空中浮遊して、隠れている人を見つけ始めたのだ。それはさすがにずるいと思うが、ルールでダメとは言ってないし、それ相応の能力を使ってくるだろうから良いのかもしれない。

 早々2人が見つかり、あっさり捕まった。これはすぐ終わるだろうと思ったが、どうやら一筋縄ではいかないようだ。

 エリッサが透明になった。これで見つからない。缶蹴りやかくれんぼなどの隠れる
ゲームにおいてこれほど強い武器はない。

 早速その能力を使って、エリッサは缶を蹴った。


 2人が復活した時、レオの後ろのビルに怪しい人影が現れた。誰も気づいていない様子だ。デイドリームはとっさに怪しい人影に向かって走り出した————
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