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【第6章】密談
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マリエッタと二人、別室に案内されたルルナ。
不満げに頬を膨らませている。
「もう~、ユリウス様ともっとお話したかったのにぃ~」
ブーブーと文句を垂れるルルナに、マリエッタはにっこりと笑った。
だがその笑みは、まるで悪役令嬢の圧を纏ったような威圧感を帯びていた。
「ルルナさん。お願いがあるの」
「……なぁに?」
一転して警戒した表情を浮かべるルルナ。
「兄の、シリル・ルシアンの女性不信のリハビリをしてほしいの」
「……え? え? それって……」
ルルナはおずおずと口を開いた。
「もしかして……シリル様と結婚させてくれるってこと?」
マリエッタはすかさずピシャリと言い放つ。
「そんなはずないじゃない。お兄様には、私のお眼鏡にかなう素晴らしい淑女しか認めないわ。ただ――あなたの懐に入る“あの力”はすごいと思っているの。それはもう……奇跡レベルで」
「……はぁ?」
「だからこれは、治療。お兄様との結婚なんて、夢見ないで頂戴!」
バッサリと切り捨てられたルルナは、子どもじみた駄々をこねるように言い返す。
「なによそれー! ただの練習台じゃない! 嫌よ! 私は愛される主役になりたいの! 学園でもただカッコいい王子様に愛されたかっただけなのに、追放されて修道院送りになって……今度はシリル様との結婚もさせてくれないくせに、リハビリだけやれなんてー!!」
その言葉に、マリエッタの表情が一瞬で冷える。
「おだまり!!」
声が鋭く響いた。
「あなた、どれだけのカップルを引き裂いたか、わかってる? それが家同士の確執をどれだけ生んだか、想像ついてる? ――ついてないでしょ!
めちゃくちゃにしたその罪、償いなさい。これは奉仕よ!」
ルルナは小さく口を引き結び、目を伏せた。
だがその直後、マリエッタは一転してやわらかな声を出す。
「……それでもね、私はあなたを評価しているの」
「え……?」
「これはあなたの、才能だと思っているの」
「わたしの……才能?」
「そう。あなたにしかできないことがあるって、私にはわかる。
それに、これはあなたにとっても悪い話じゃない。なぜなら――」
その言葉の続きを語らないまま、密談は終了した。
女神像の前で他のメンバーが微妙な空気で待つなか、
2人はニコニコと部屋から出てきた。
マリエッタは笑顔で言う。
「これからルルナさんが案内してくれるんですって!楽しみぴょん☆」
不満げに頬を膨らませている。
「もう~、ユリウス様ともっとお話したかったのにぃ~」
ブーブーと文句を垂れるルルナに、マリエッタはにっこりと笑った。
だがその笑みは、まるで悪役令嬢の圧を纏ったような威圧感を帯びていた。
「ルルナさん。お願いがあるの」
「……なぁに?」
一転して警戒した表情を浮かべるルルナ。
「兄の、シリル・ルシアンの女性不信のリハビリをしてほしいの」
「……え? え? それって……」
ルルナはおずおずと口を開いた。
「もしかして……シリル様と結婚させてくれるってこと?」
マリエッタはすかさずピシャリと言い放つ。
「そんなはずないじゃない。お兄様には、私のお眼鏡にかなう素晴らしい淑女しか認めないわ。ただ――あなたの懐に入る“あの力”はすごいと思っているの。それはもう……奇跡レベルで」
「……はぁ?」
「だからこれは、治療。お兄様との結婚なんて、夢見ないで頂戴!」
バッサリと切り捨てられたルルナは、子どもじみた駄々をこねるように言い返す。
「なによそれー! ただの練習台じゃない! 嫌よ! 私は愛される主役になりたいの! 学園でもただカッコいい王子様に愛されたかっただけなのに、追放されて修道院送りになって……今度はシリル様との結婚もさせてくれないくせに、リハビリだけやれなんてー!!」
その言葉に、マリエッタの表情が一瞬で冷える。
「おだまり!!」
声が鋭く響いた。
「あなた、どれだけのカップルを引き裂いたか、わかってる? それが家同士の確執をどれだけ生んだか、想像ついてる? ――ついてないでしょ!
めちゃくちゃにしたその罪、償いなさい。これは奉仕よ!」
ルルナは小さく口を引き結び、目を伏せた。
だがその直後、マリエッタは一転してやわらかな声を出す。
「……それでもね、私はあなたを評価しているの」
「え……?」
「これはあなたの、才能だと思っているの」
「わたしの……才能?」
「そう。あなたにしかできないことがあるって、私にはわかる。
それに、これはあなたにとっても悪い話じゃない。なぜなら――」
その言葉の続きを語らないまま、密談は終了した。
女神像の前で他のメンバーが微妙な空気で待つなか、
2人はニコニコと部屋から出てきた。
マリエッタは笑顔で言う。
「これからルルナさんが案内してくれるんですって!楽しみぴょん☆」
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