カルムの混沌なる幻花

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カルムの混沌なる幻花

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カラスになって、何日、何週間、何ヵ月、何年経ったのか分からくなって来た。
こういう兆候が現れるのは、そろそろ人間に戻らないとヤバイと言う事。
そしてなぜカラスの幻術を俺が使っているのか、その理由も今はもう想い出せない。
左羽に力が入らない。何処で傷を負ったのかなんて覚えていない。
俺の死は、カラスで終了だ。











人間の世界を旅していた。
人間の世界の平行世界でも旅を続行し。
人間の世界の平行世界線の片隅でも旅を遍歴した。


いつ頃からそうしていたのか。
1人旅だったし、2人旅の時もあった。
主人との長く続く旅路の時代もあった。
それらは全て憶えている。が、頭が記憶を開いてくれない。
体感として分かってはいても、記憶が想い出してくれない限り、なかった事、になっている。



地面へ落下した。
石畳に激突したはずだが、想ったよりダメージが無いのは、まだ幻術の力が失われてはいないのか。

優しい両手に拾われた。
手当てなんてしなくていいと、言ったが、声になったのはカラスのくちばしから出る弱い息だった。

サリティスと、俺を助けてくれた少年は自己紹介をしてくれた。
サリと呼んでいいよ、と満面で輝く笑顔を惜しげもなく見せてくれて俺の両羽を心地良さげに撫でている。黒い羽が気に入ったのだろうか。
紫色の髪は緩やかな癖毛で細い肩まで掛かっていた。瞳は青色で、まだ汚される前の子供、の無垢さがあった。

貧民街で暮らしている少年。
まだ、誰からの手もつけられていない。
心ない大人から、精神も身体もまだ穢されていない。
サリもまた、金の為と生きる為と飢えの為に、親から体を売る様に言われるか、娼館に売られるか、人買い商人に買われるか、影の商会に倶窟性奴隷として攫われるか。






始めから貧民街としてあったのじゃない。
普通の街として人間達は暮らしていた。
そのうち。体が脆弱な者、金のない者、仕事に就けなかった者、他人には言えない罪を犯した者、集団で盗みを絶えずする者、殺人をした者、らがこの区域を目指して寄せ合ってしまい、この貧民街が成り立ってしまった。

貧民街に生まれてしまった子供達は、早い段階で、善良では生きていられないと覚悟する。

サリはまだ、大人にも子供にも汚されていなかった。

加護は1人に1つ。
2つの加護は果報者。
加護を剥奪されるのは罪人。

子供だとしても、神が敷いた秩序の上を歩かない人間は、剥奪される。

国教とされている2神教。
初代王の建国に携わっている。
お互いが両性具有神であり、お互いが男性神同士であるのを選択された神。
初代王は民が2神を途絶えさせず未来永久永劫詠華の信仰をするのを、約束した。
その証しとして、最初に生まれた男の赤ん坊と女の赤ん坊を生け贄にした。



加護と言うのは民の生育番号。
何番が、2神の指す方向から落ちてしまったのか辿れる様に。
額の加護印の紋様はフェイクだ。
加護を剥奪されると紋様は消える。
とされているが。
番号はそのまま額にある。
人間には見えないだけだ。



サリは生まれた時は1つだが。
後付けの加護があり、2つの加護持ちだ。
2つの加護持ちは、額が数字の羅列でいっぱいになる。
のではなく、数字が消え、花のように見える幾何学模様が額にうかぶ。
王家の印に、その花が採用されている。
王家の紋様は、聖剣と聖槍が交差し背後に2つの白ユリがある。


後付けされる加護は滅多になく、珍しい。

それは、神がその人間を好ましく想い。
輪廻転生を確約し、魂の格が上がり、天の国への門が常に開かれているのを指す。

サリ本人は気づいていない。
神の啓示はすでに成されていたのだが。

サリは、何か、に邪魔されていて、気づけていなかった。

何かとは、母親に取り憑く悪意と言う名の執念だったり、住んでいる部屋自体に残る、前の住んでいた若い女性自殺者からの残滓としての確執、母親が商売で寝ていた客達が引き寄せた成長する怨念、成長し蔓延る呪詛の類い。

悪の思念を意識をせずに自然に薙いでしまえるサリは。
自分でも知らない内に生体エネルギーを消耗させられていた。
その為に、焦がれていた神の返答を見過ごしていた。


 




左羽の傷も癒えた。
名残惜しいが。
カラスとしての擬態幻術も1度解かないとならない。
人間として、サリに近づく為にも。

俺は、サリの今後がどうなるのか知りたいと想った。
俺と関わりを持ってしまった人間には、不幸な最後や悲しみの感情など蓄積させて欲しくないと、俺の心のどこからか聞こえてくる。
以前、人間として生きている時にでも経験したらしい誰かへの想いが、込み上げて来る。
以前の俺は、関わった人間を不幸な目にでも合わせたのだろうか。
俺の記憶はまだ扉が閉じたままで、俺が望んでも開かない。
神の管轄にでもなったのか。



サリの頬に、助けてくれた感謝の意を込めて、チークキスを贈る。
サリも、カラスのくちばしに、自分の頬をゆっくりとよせてくれた。




カラスの擬態幻術から解放された俺は。
この世界での、人間の体をまだ持っていなかった。
生きている人間に入れない事もないが。
後で面倒に巻き込まれる確率が高い。

ゼロから始めるには気も乗らない。
死んだばかりの人間を見繕うか。



貧民街の裏路地に、仲間割れで殺されたらしい若い男の死体が転がっていた。
中に入る。
死体の持ち主は地の国にでも行ったのか。精神内は何もいなかった。
、、、残留思念さえ微塵も残ってない。


神の干渉が窺える。
お気に入りがよそ見を始めたから介入せざるを得ないのか。
サリは、どちらの神の、幼な子なのだろう。
2神、どちらにも気に入られてるのか。




手順を踏まないといけないのは、分かっている。が、なぜか気が急く。
サリの周りが、良くない気配で満たされるように仕組まれている。
元人間の怨みの集合体が、成長し続け意志を持ちだし同類になりそうな糧を取り込もうとしている。

貧民街に古くから根付いている悪霊の類いは、普段ならまばらに散っている物なのだが。

サリの母親をターゲットにしているのか、仲間に引き摺ろうと群がる隙を探している。







この世界の最強権力を味方に付けた方が早いと考え。
教会の人間に面会を申し込んだ。

どの時代の教会も王族の頭上に座りたがる。
この世界の教会も王族と同等の権力を持ち肩を並べ、更に頂点を極めようとしていた。

、、、、、、、、、、、よく飽きないな







俺は、記憶の扉は閉ざされてはいるが。
自分が人間ではない事。
神の、御使いとしての任務を遂行していた事。
何かの事案で同期達からはぐれてしまった事。
は、基本情報のような扱いで頭の中に留められている。
こういう記憶をこそ扉の最奥に閉じ込めておいて欲しいのだが。






俺が入った人間の体の両手10本の指がしだいに黒く変色していく。
そしてこの10本だけがなぜだか動かせない。
動こうとしない。
カラスの時、指は動いていたし獲物を捕らえられていた。
この人間の体が背負っていた無数の刺し傷や痣やタトゥーは消去可能だったが、指の黒色は消えず、10本だけが動かない。


この世界の人間にまぎれるには必要不可欠である変幻なのか。
こういうのをこそ基本情報に入れておいて欲しい。
術式まみれの手袋で、黒い10本の指は問題なく動かせてはいるが。









トップに立つ若い教士統括者が言った。

正教会。と、新しい呼び方にしている。皆からは抵抗感の声は無かったからこれが正式な名称となるね。

俺の出現を不審に想わず、面会を許し、俺の黒い10本の指を確認すると教会、ではなく正教会、だと訂正させられた。

教会に保管してある預言の書に、俺の事が載っていると言う。

今から、100年くらいの後の未来の話しかと予想していたんだが。
と、言う。

その預言の書は誰の著者名になっているのか聞こうとすると、まだその時ではない、とにこやかに拒否された。
預言の書は、他にどんな事が書かれているのか聞いてもはぐらかされた。
逆に、知らないのか、と問われた。


正教会の若い男性教士統括者は、俺を改めて見直すと。

風貌が正教会向けではないね。
と、俺の顔を見てそう評した。

サリティスの手助けを望むと。
見返りは?
と、言う。

神の意向も関わる案件に、人間が要求をするのか?


正教会トップの若い男性教士は、本当に人間なのだろうか?

落ち着き感が死闘を足場に選ばされた熟練の、魔術の真髄に行き着いてしまった暗殺師、を連想させ、隣で俺を怯えながら、会話の行く末を安じている年上の側使いよりも場数を多量に捌いていそうだ。


見返りは、俺の労働力、となった。

俺が生きている限り、有効、なのだそうだ。

謎解きの様なもの言い。
俺と対峙してても、どこか憐れみを込めた目線。
これまでの俺とこれからの俺がどうなるのか、把握しているらしい。
預言の書にでも書かれていたのか。


権力を持つ人間が言ってくる。
先に結果を話してしまうが、悪いことには至らないよ。
2神様の御心を射止めてしまわれた、滅多には育たない、良き子供、だからね。


正教会のトップにこれからも居座るらしい若い教士は、油断ならない様子を垣間見せながらも、俺の両手の握手を求めた。





サリと母親を離した。
母親の体にあった小さいはずだった病気は、取り憑かれていた悪意達によって無惨に広げられ、寿命を削られていた。
田舎にある正教会の病院で診てもらっている。
サリには、母親の状況が落ち着いてから会わせた方がいいだろう。



王族へのご機嫌伺いの為。
貢ぎ物の中に、側小姓の1人としてサリの派遣が決まった。
王子と閨の相手をするサリを想像してしまったが。

この時代の王族の小姓とは、今はただの側使いの意味合いでしかないよ。

と、正教会の表裏で活躍しているのだろう、あのトップ教士が笑いを堪えながら言う。

俺がそういう反応をするのを、見越して楽しんでいるらしい。

さらに苦笑しながら。
心配しなくても王子の閨の相手は、王子が生まれる前から高位貴族達が輝かしい美姫を国内や隣国から仕入れているよ。
そして生まれる前から婚約者も男女共に沢山揃えられ準備されている。
王子は自身の性の扱いに生まれる前から困ってはいない。
体の純潔が、2神様から保証付きのサリティス様の方へお目が行くには何年もかかりますよ。
その間に、サリティス様は2神様の御膝下へ清らかな純潔のまま参れます。
わざわざ王族へサリティス様を差し出すのは、王族への繋ぎがある事を、悪徳を働こうとする者らへの牽制です。
何時、何処で、何かしらが、サリティス様の純潔を穢そうと、狙っているかは分かりませんからね。

俺は、2神の膝下へ行く、との発言に心が揺らいだ。
それはサリの、この世界で授かった寿命を生き終えてからのはず。
話す言葉はまるで、王族への謁見が済んだらすぐにでも2神の下へ行って良い、と聞こえる。

すぐに死んで良い、と。

サリは短命ではない。
普通に年数を育てられる寿命を担っている。
2神がサリに途中介入しているからと言って、1人の人間がイレギュラーで純然たる世界から居なくなってしまうのは、同じ世界の編み目が1つズレ、同じ世界の平行世界、それに伴ない続かされる平行世界線が、また何度でも繰り返し産み落とされてしまう事態にも堕ち得る。


それらは複雑怪奇を呼び醒ます根源的な源因。因果律をさらに高みへと押し上げてしまう要因子。
推奨すべき行為ではない。
サリを身近に置きたいのが2神の望みだとしても。

しかしそれを実行してしまうのもまた、神々であるのを、いつかの俺は、分からされていた。



神に目を付けられてしまった憐れな魂。
大いなる祝福とか良き子供と、さも誉れの様に言われるが。
人間としては死ねない事を指している。

神に愛玩されるだけの日々。
それは人間にとって、良い事とは想えないのだが。

けれど、サリはそれをこそ願っていたか。
夜の神に魅せられてしまい。
夜の神を想う事で、貧民街で純潔を保ち生きてこれた。
これ以上貧民街に人間の世界に、置かなくても良いとの、2神のご判断か。









今の俺の、体と言語と動作に、どうチューニングをすれば違和感なくサリに受け入れられるのか。
戸惑い、迷っている。
、、、、、。


この顔が1番の原因であるらしい。




サリの周りを効率良く、機動性を重要視した。
丁度良い死体だと、安易に中に踏み込んでしまったが。
2神がこの体に細工をするとは考えなかった。
器として、構造過程細胞から造り変えられている様だ。
俺との波長も、時間を進めて行く事にピッタリと秒での間合いが正確無比に出揃う。

俺は、サリの周りでうろつく悪意達を掃除したい、それだけだ。
2神の意向を阻止するとか、サリを2神から離そう等とは考えてもいない。
ただ、サリがこれからも生きて行くこの世界で、何らかの手助けが可能ならばと、想った。
サリが早く天に召されるのを願っているのではない。
恙無く、寿命の真っ当をして欲しい。だけだ。

俺の生命保持率は、人間の寿命よりある。
人間の世界の100年を俺達は1時間程度にしか感じない。人間の体の中での生活を体験すると良くわかる。

100年の未来とは、どんな夢物語、なのか、と。










サリと俺の相性は悪いのかも知れない。
、、、いや。悪い。

人間は自分を害さない者、味方と信じる者に愛称で呼ぶ事を許可する。
サリが、俺の愛称びを許可するのは取り引き、と位置づけているからだとよく分かる。
いつも胡乱げな眼差しで俺を見てくる。
俺の髪先から爪先まで値札を貼り付けて回りそうな気概。
サリは、上から目線で俺との会話を進める傾向がある。
舐められない様にと有力者の物腰で俺に対抗しようとする。
俺はサリの敵ではないのだが。

俺の言動にはまだ違和感が残っているのだろうか。
サリと仲良くしたいだけなのだが。
カラスの頃の俺が懐かしい。





辻馬車の年老いた馬が。
夜の神の眷属の気配に化けてサリに悪い感情を引き出させようと、横槍を仕掛けていた悪霊共を蹴散らそうと憤慨してくれた。
いくつかは屋敷にまで来ようとしていたが。
馬は2神に恩義でもあったのか。
俺は、手袋に囲われ術式に浸っている左手で、そいつらを誘い握り込み圧縮させ空気に帰した。




屋敷は正教会の物だ。
色々な使い方をしている物件だそうだ。
屋敷内にいる男女の側使いらは、正教会の信者の中でも信頼度が高い人間達と言うが。
正教会をわざわざ選び、生涯も捧げようと意気込み入信までしてくれた人間に、優劣をつけなくても。

正教会に入信したら、もう抜けられ無いと聞く。
途中で気が変わったから、との脱会は許されないと。

神でさえ、今まで普通に接していた人間に、気が変わったからと途中で介入するのだが。

正教会が信者にそこまで厳しいのは、教会内で巻き起こる、いかなる時でもお馴染みの、派閥の争いの影響なのか。
トップ教士の姿がよぎる。








サリは、屋敷に初めて来た夜。
通されていた客間のソファーに、母親の胎内に居た頃のように体を円め込み、倒れていた。
1本の黒ユリを、抱きしめたまま。
辻馬車の周りを、残りのいくつかの悪意の残骸が引っついていたから、その影響だろう。
サリの為に用意した寝室に運ぶ。

黒ユリを、サリの体から離した。





サリが母親と暮らしていた部屋とは程遠く。
王族や貴族らが御用達の家具類の、場所を競り合う頻度が激しい。
こんな所では気も休め無いと想うのだが。
屋敷に配属された信者の側使いは、サリの事を考えてくれていない。

ベットだけは柔らかく、細すぎなサリの体を静かに横たえた。

両腕に抱えたサリは軽く。
食事を、満足に食べられない日が何日続いていたのだろう。
俺が見繕った古着を着てくれているが、少しサイズが合わなかったか。

古着のボタンと上下を取りはずしながら、サリの薄い体を、露わに開いて行く。
虐待の形跡はなかった。
心臓部に左手の手袋を取り、置く。
俺の左手は今、2神との開栓が出来る状況にある。
サリの生体エネルギーを補充しなくては。
サリに祓い屋ほどの力量は無い。
日常的にサリの成長と共に増す生体エネルギーの削減は、空腹とは別にサリの体力を徐々に消耗させていく。

左手から流れ、サリの全身に浸透してゆく2神からの暖かいエナジーは。
サリの生気の無かった頬を上気させ。
白かった体に、微かに血の巡りを這わせ明るさを差してくれた。
素肌の弾力も少年の体に相応しいものとなる。

しかし、母親から絞められた、細い首に残る無数の指の痕は。
その当時よりさらに鮮明に、より明確に、サリの首に今も巻き付いている。
祓い屋には見えない。人間には見えない。
首を絞めた痕は、鏡では消えた事になっている。
母親の悪意で練られたその指痕は、サリから離れようとはしない。
2神のエナジーがサリを流れていても、ソレは消えない。

サリが引き留めているのか。
唯一の母親との絆、として。

サリ、、、、、、











俺は男性体を選んで、この体に入ってしまったが。
女性体の方を、選ぶべきだったか。
俺は人間の性にこだわりは無い。
その性の特徴を活かしきれば良いと考える。

ゼロから人間の体を造作しても、あの時の俺はサリを最優先事項として捉え。
やはり男性体の方を選ぶか。

俺達は性、と言う物を持っては生まれない。
けれど。男性、女性どちらの性にもなれる。
男性、女性、どちらの体にも反発感は無く入り込める。

この世界の人間は、生まれる前から性を固定されてしまう。
自分では選べない。
サリの性が女性だったら。
母親との共鳴心度が今以上にサリの命を蝕み昂まり合い重なり合い、依存重複の成れの果てに迅速に、親子は貧民街にあるいつもの後景のひとつとして、死んでいた。




母親とは別種類の女性体に入ったら。
人間の女性体をゼロから造作したら。
サリの首を絞め無い。
サリを優しく見守る女性体に。

、、、、サリの母親も最初は優しかったのかも知れない。
貧民街が、サリの母親を変化させた。
悲しみの果てへと、苦しみの向こう岸へ渡るようにと、追い詰めた。






2神は、貧民街をそのままにして置くつもりなのだろうか。
神々によってこそ、覗き視る事が可能な普遍未来。
その未来を見透しても尚。
貧民街をこそ、王国には必須な条件として、存在してもらわなければならず。
王国の基礎、基盤として位置付けられ組み込まれ、良く滑べる歯車の稀少な部品の1つとして有らねばならない様、存在を義務付けられてでもいるのだろうか。

神々の成す事に異議を唱えるつもりは無い。が。




貧民街には、サリの様な境遇の人間達が沢山いる。

サリだけが悲しい命運にあるわけでは決してない。

カラスの俺を助けてくれたのがサリでなかったら。
俺は、教会に行こうとしただろうか。

いつの時代も最強権力に明け暮れる人間達を、もう観察したくも無い。
それを押し除けてさえ、俺はサリのこの後が気になってしまっている。


サリに、傷を癒やしてくれた礼を述べ、謝辞の籠った品を贈り、サリから離れればいいだけなのに。

何が俺をサリに止め置くのだろう。


サリは、どこにでもいる人間達の1人なのに。
どこの時代にでもいたであろう只の人間なのに。



サリに執着する、俺のこの想いは、何処から来る、感情、なのだろう。











この屋敷に来てからのサリは、半ば投げやりになっていた。
いつ殺されてもいい、と暗に遠回しな言葉で言ってくる。
サリを俺が殺すなんて‼︎

、、、俺の顔や言動が、まだサリを混乱させているのか。

サリは幼い頃、貧民街の裏路地辺りで切り刻まれた死体でも目撃したのだろう。

死体は刻まれる物、との認識があるらしい。
五体満足な死体もあるのだが。
、、、貧民街では無縁な話しか。




貴族の、茶の集会や夜会所に、サリを連れて行きたくはなかった。
貴族こそ負のエネルギーに塗れている。
それらは、貴族達だけでは飽き足らず、サリを目指し周囲に漂いだす。知らずにサリは自身の生体エネルギーを使用して散らしてしまう。
時間が経つとまた懲りもせず、現れようとし始める。
貴族間で流通している負のエネルギーはかくもしつこい。想わず睨め付けてやった。


正教会、トップ教士からの指令で。
貴族社会と縁がなかったサリを慣れさせる為に、正教会が援助していると言っていた貴族の茶会に行く事になっている。

招待されていた貴族屋敷の広い前庭に馬車が停止し。先に降り、片手を差し出していた俺を無視し。
サリは、馬車の踏み板に両足を乗せることなく、馬車内から軽やかに踏み板を乗り越え着地してしまった。
俺を振り返って傲慢に笑んでいる。
悪戯を楽しんでいる。

作法に反する行動だった。
馬車の踏み板を使わないのは、下品な行為とされている。

、、、しかし、それを見てしまっていたあるご婦人は、想わずな笑顔でサリを頼しげに見て。
それを同時に見てしまっていたサリより年下の、華美なドレスに着られている少女達が、さっそくサリについての噂を好意的に論じ合っていた。
「教会の預かり子?うそっっ?」
「貧民街から来たとか言ってたの誰⁉︎」
「下品にも野蛮にも感じられない」
「上品で優美だわ!」
「どこか刹那さも感じてしまう、、、」
「ある貴族の落とし種とか?」

、、、もう少し、、、、、
音量を控えて欲しい。
、、、、、、、、。





サリは文字を俺からではなく、正教会の信者から教わっている。
トップ教士が派遣した。
その他に、貴族社会に出る為の、礼儀作法、会話の作法。こと細かく分かれる体の動かし方、発声の仕方。別々の専門の信者がサリに教えに来る。
、、、俺も学んだ方がいいのか、、、。






サリは俺から、学集所の時のように文字を習おうとはしない。
派遣された信者は言葉も巧みで、警戒していたサリの心をとき、文字習得も支障無く進んでいる。
俺はなぜか、文字を教えるのは俺でないといけない、と決め付けていた。
俺が教えていた時とは違い、サリに、しかめた表情などはまったく無く、嬉しそうに文字の練習を勤しんでいる。
俺でなくても良い事だったか。
、、、、、、。





貴族との会合が増えていくが。
それに比例する様に、サリの生体エネルギーも減らされていく。
ある夜、湯浴み中にサリが浴槽に沈んでいるのを側使いの女性に発見された。
報告を聞きながら執務室を飛び出し浴室へ向かい。サリは、無駄に長い脚付き浴槽の縁に上半身を出されたばかりだった。
俺の着ていた高価な布の服など構わず、サリを浴槽から引き上げ抱える。
浴湯を飲んでいる様子はない。
サリの寝室へ急ぐ。


サリの全身の水滴を消した。息はしているが俺の声にも反応が無い。
俺の黒い両指が2神のエナジーを受容しているのが分かる。
湯で濡れた手袋を外すと、10本の指は黒さを失っていた。それと入れ違う様に両手にエナジーが充ちたりていく。両手を隙間なくサリの体に這わせる。2神のエナジーがサリの体中を巡り、硬ばっていた体を和らげてゆく。


俺は、自分の意識が、神によってすり替えられるのを感じた。
今、俺の体の中に居るのは、2神だった。

俺の体を操作し、乗っ取っている。
サリの体に優しく両手で触れている。
サリの唇に優しいキスをしている。
両手はサリの下腹部に移動し、まだ未経験な性器に柔らかく刺激を与えている。
最奥に密かに、いまだ与えられる形を知る術もない蕾みは、間を置いては少しづつ距離を伸ばす指を無碍に出来る筈もなく。しっとりと、ゆっくりと受け入れていく。
胸にある飾りは俺の舌の水分を余す事なく吸っていく。
サリの、貧民街の頃よりはいくらかは健康的になった体を抱きしめた。
2神に、両指に、エナジーを隈なく巡らされた体は執拗な愛撫に耐えきれなく。



サリの首に、この時でさえ巻き付いて離れない指痕を喰む。悲しげな吐息が聞こえた。




2神がサリの体に与える行為の最中、俺の体は乗っ取っられては居るが俺の感覚がなくなりはしなかった。
感覚は残り、2神が俺の体で感じたサリの感触も、俺は共有してしまっている。
2神はなぜ、俺の感覚径路を排除しないままで、サリの純潔を、体を求めたのか。
人間の体でサリを感じたいと、考えたのか。




夜の神に心酔し、純潔である事を自身に課していたサリ。
自分の体を今、2神が抱いている、と、感じているのだろうか。
どの部位を陽の神が請け負い、夜の神はどの部位でサリに涙を滲ませたのか等、想い出したくない。

まして正教会の持ち家で。
サリの寝室に術を施しているとはいえ。
神祗や祭壇、祭儀の場、等ではなく。

俺も加わっているとは、、、、、、、。











サリは、別の教会の預かり子が気にかかるらしい。
城まで走っている強者だ。

王子の宮での集いも飽きて来たのか、サリは最後までは見ずにこの日も他の側使い達と帰っていた。
俺はサリと一緒には帰らず、その預かり子が今日披露する、詩の暗唱、と言うのに興味を引かれた。
あのトップ教士も。
お勧めの、儚い一片の詩、ですよ。

と、意味深な笑顔で俺を見る。

1番最後に呼ばれた、預かり子が暗唱したのは。

侵略され文化や言語を奪われた、今は亡き古の国家の言葉で綴られた。

、、、、、、、、、官能小説、、、、、
だった。

今ではもう誰も聞いた事のない発音の言葉は。
声楽機のように、透き通り、王子の宮を気高く響き渡っている。
誰も注意しないのか。
いや、誰も知らないのか。
官能小説の読み聞かせを、年端もいかない子供から聞かされていると言う事に!

高位貴族の席から、立ち上がりかけては席に座り直す壮年の紳士。
正教会のマントを翻し、颯爽と帰る若き教士。
老年の側使いは良い笑いを殺しきれず。
欠伸を扇子で隠していた貴婦人は驚き。
真実を知らない他の人間達は、預かり子の屈託のない朗読の発音に、穏やかで幸せそうな表情をしている。



あの預かり子は内容を知っての暗唱なのか?いったい誰が教えた⁉︎

俺は最後まではどうしても聞く事が出来ず。帰った。












俺とサリの会話は、必要な事しか話さなくなった。
その分、屋敷の側使い達からの評判はいい。年上の側使いから色々な情報を聞き込んでいる。
ここから逃げ出す頃合いを探っているのか。

期限はあるが、この屋敷の主人として振る舞う様にと、トップ教士からの指令だった。

どんな理不尽を投げつけられるか身構えていた、信者の側使い達にサリは。貧民街から得ていた正教会の情報を公開した。

そして。
威張っている感じに外からは見える様にするけど、その方が扱い安いって思ってくれるだろ。
と、言い。

長い期間ではないけど、仲良くして欲しい。
この屋敷の側使いで良かったと言ってもらえる様、頑張るから。
と、優しい専制君主の発言をした。







サリは、他愛もない奴らを相手にしなくてもいいと想う。
サリに、くだらない事で文句を言う人間は下に見ていい。
権力好きの予備軍に慈悲などいらない。
他者を蔑ろにしてまで権力に好かれたい奴らだ。
奴らは、自分達が取っていたいつもの態度をサリにやり返され、慌てている。
常日頃自分達が他の人間にしている事なのに、何をそんなに苛立つのか。
反省もまともに出来ない奴らに慈悲の心は、もはや自分の征くべき正道の前を無断で横切る目障りな障害物でしかない。






王子の宮や、貴族の集まりはサリには良い環境ではない。
元気にしているが、サリ自身は気づけない。
今夜は、湯浴みも食事も要らないと、側使い達を下がらせた。






深夜に、執務室の机にいつの間にか伏せて寝てしまっていた俺は。
自分の体に、2神が入って来たのを知る。

サリの固く施錠されていた寝室のドアは、鍵ではなく、俺の術式手袋を使い、難なく開く。

寝間着に着替えていた、深い寝息のサリを。2神は、さらに深低へと誘った。

サリの体を優しく開き心臓にキスをし、胸の2つの飾りに舌を這わせる。
たっぷりとエナジーを含みぷくりとしなりだす2つの若い芽。
幼い性器に、黒さを無くした俺の指が優しく均等に絡みつく。
サリの奥にある蕾みは、俺の指を撥ねつけず、静かに厳粛にそろりと受け入れている。
サリの全身を精密に愛撫する両手は止む事はなく、サリの唇から悩ましい艶やかな声を幾音も漏らさせる。
2神は、俺の性器も使い、サリにエナジーを巡らせる。サリの性器から出た液を俺の芯に付着させ、俺の芯に膨らみをつけ、サリの蕾みの回りにエナジーをかけながら、蕾みの中へとゆうっくりと潜り始めた。
サリは、泣きそうな、吐息で俺の肩にしがみついた。
受け入れをもっと深くさせようと、サリの体位を変えた。
蕾みの強い咥えと同時にサリの声が、俺の耳をくすぐる。更に深く感覚を味わおうと、蕾みに膨らんだままの芯を往復させ、サリの性器も時間をかけ柔く丹念に揉みほぐす。
やがてそれは立ち上がり、小さく爆ぜた。



サリを俺の体の上に乗せての律動がしだいに早くなる。サリの意識は夜の底にある。
サリの体は2神のエナジーで満ちている。
蕾みはエナジーをもっと、もっとと欲しがり俺の芯を力が無くなってもまだ吸いだそうとひくつきねだる。
愛おしさで、何度もサリを味わう。
むずがる体を丁寧に愛撫を繰り返す。
サリが感じる個所を何度も突いていく。
サリが身悶え我慢出来ず泣きだしてしまうまでお預けをし、最後は欲しがってもらえるように、いつでもエナジーをわけ与えられるように深く深く深く唇を、奪った。サリの舌をそっと軟くからめる。サリとの口づけは更に深くなった。


















俺の朝は最悪だった。
2神との共有は、俺の生体エネルギーを奪う。
2神との共有を軽く見てしまっていた俺がいる。


サリを愛撫したのも、サリに口づけしたのも、サリにエナジーを与え回復させたのも2神だ。

2神だからこそ、サリは恐れるより先に憧れを込めて体を委ねてくれた。細く薄い体を開かせてくれた。
2神だからこそ、サリの体の中を傷つけずに済んだ。
2神が与えた微睡みでサリはこれらの出来事を、認識ができない。

サリは、2神がサリを、生きた人間の体のまま俺を通して抱いていたなど、信じられないだろう。
信じたくないだろう。




サリを人間の世界に引き止めているのは、俺だけか。
サリ自身でさえ、死んでも構わないと、言っていたのに。

2神は、俺を試しているのか。
2神の愛を授かっているサリが、いつまで人間の世界で、生体エネルギーを減らさずに生きられるか。

俺ではサリにエナジーを分けられない。
2神でなければ、サリを生かしてあげれない。

何を、最初から、分かりきっていた事だったのに。俺は。

















サリが預かり子のマラソンを見たいと言い出した。
飲み物を吹いてしまった。
官能小説の暗唱を想い出し、更にむせた。
側使いの女性が高価な布の服を、汚れが染みにならない様に拭いてくれた。
むせたのを咳で誤魔化し、俺は許可を出した。








預かり子が大きな声援を受けながら走り去った後の街道沿いは、いつもの平常時へと静かに戻っていく。
街に住んでいる人間達は、途切れた日々の続きをさっそく始めようといつものように道を忙しなく行き交いだす。
サリは城の方へ体を向けたまま、しばらく動かなかった。
俺が後ろでサリを見守っていたのを気づいていたのか。
俺が隠れているであろう方角に向き直ると、人差し指で自分の目元を下げ、口元をイーの型にして、俺を牽制し走り出した。

可愛らしいだけなのだが、、、、、、。

屋敷に戻って来ると分かっているので、追いかけはしなかった。









どの時代にもいる愚かな考えの若者達に、サリは王子の宮の集いで今度もまた別の若者達から難癖をつけられていた。

今回のは俺が近くにいると困る、とトップ教士から言われていた。

仕掛けが機能しなくなる。
何があっても動くな。
と。


サリの頬を掠めた小型の剣に。
激高した俺をトップ教士はサリの為、だと言った。

2神様の御膝下に、すぐお送りしたくはないでしょう?
正教会なら、漂い群がり来たる悪意共から防いで差し上げられますよ。
サリティス様は、他の人間ならどうとでもない、空気のような害にすらなれもしないアレらに、貴重なお命を吸われているご様子。
サリティス様の血が付いているこの小剣には、ある術を施して有ります。様々な使用方法が可能です。
サリティス様を守るのは勿論の事、あなたの身も、守れますよ。
サリティス様に正教会へ入信して頂く。
のが条件となります。



サリが。
完璧な作法で。くだらない奴らに頭を下げるのを見ていられなかった。
慌てて頭を上げさせ床下から引き上げる。
、、、、サリは、余計な事をするな、の意志を俺に投げつけ。離れた。





母親の症状や入院先について話そうとしたら。
俺が来るほんの少し前に、側使いの女性から聞いたと言う。


サリは俺の事を嫌っているのだろうか。
、、、、、。









俺は夢を見ていた。
転時占星術式がそれぞれの幾何学模様を選び幾重にも上下左右に浮上し展開を極める空間に。
サリと俺がいる。
俺はサリの裸体を抱きしめ、優しく愛撫の手を辞めない。サリの体は、俺の両腕の中にしなやかに収まり、嫋やかに息を紡いでいる。
サリの体は甘い。
どの肌を舐めても、花の甘い蜜のようだ。
胸の発芽達も芳しさに満ちて俺の舌を待っている。
つついて焦らすと極細量の甘水が舌に乗る。
サリの性器に膨らみはあり、こちらも俺の舌を待っていた。舌での愛撫はサリの声を幼く高める。滴る液は蜜のとろみで俺の喉を通る。俺の10本の指は黒いままでサリへの愛撫を執拗に埋めている。
サリの蕾みは俺を待ち伏せていてくれる。そっと近づけただけで俺の張っている芯を躊躇することなく中に迎え入れてくれる。ここち良い律動と反する、サリによる強めの俺の芯に対する変動は。俺を更に昂らせ。俺の生体エネルギーが違和感もなくサリの体を順応し巡っている。
サリの左足に新しく生まれた、11本めの小指を、俺は舌と甘噛みで必要以上に嬲り続ける。責め続ける。滲み出た血は甘美で。舌の上を離れず。
サリの性器は触れてもいないのに膨らみ。爆ぜられずにいる。
11本めの小指の血を味わいながら、サリの性器の形にそって黒い両指をあて繊細に強弱をつけながらサリを追い詰めなぞってゆく。黒い両指で受けた食欲を覚まさせる色味に魅せられ。際限なくサリを飲み干したい俺は。
11本めの小指への愛撫に溺れ。

俺の背に。初めてサリは。
甘美に蕩けた小さな爪を、たてた。












母親の手で殺され。
サリは2神の御下へゆく手筈だったのだろうか。
俺がそれの邪魔をした。

カラスの俺を助けてくれたサリ。
俺はもうサリから離れられない。
2神が座す場所ではなく。
この人間の世界で生きていて欲しいと願う。
2神から、サリを横盗りした様に見える俺の行動。
2神は、なぜ俺を消そうとしないのか。
いつまで持つか、賭けでもしているのだろうか。

俺の記憶はまだ開かない。
神は、俺の記憶をまだ返さないつもりなのか。
サリの体に触れた、罪と罰なのか。
、、、、、、。









母親の入院先に、サリは行くものだと想っていた。

もういいんだ、とサリが言う。
外出の用意を整え準備をしていた俺を見ると。ほのかな笑顔を、返してくれた。





サリの王子の宮での件から、正教会のトップ教士が暗躍し王族との何らかの契約を取って来たらしい。
それが目的だったのだろう。

王子の宮の集いは参加しなくても良い事になり。
貴族の集まりにも、今は参加しなくても良いそうだ。
サリには、騙す様な勢いで正教会への入信を話したが、、、、、。












サリは夜の寝室の窓辺で、貧民街でカラスの頃の俺と一緒にいた時を想い出させる様子で、街の夜景を見つめていた。
俺に振り返ると、尖った表情はせず。
決意をもう一度噛みしめる様に、今後の事を俺に話してくれた。
そして俺の武骨な左手をそっと取ると。
友達になってくれと言う。
俺はなぜにもっと話しかけようとしなかったのか悔やんだ。
こんなにも、心細げな顔をさせるだなんて。
俺は、サリの理解者であると勝手に自負していた俺を殴りたくなった。








サリ。
きみは2神に大切にされている存在。
1人ではない。けれども人間の世界に生きているが為に、孤独を感じてしまう。
私が、きみの寂しさをほんの少しでも、紛らわして癒してあげる事が可能である限り。どこまででも一緒にいるよ。







緊張気みに俺に話しかけるサリ。
青の色の瞳は、すこし涙が滲もうとしている。
それを、俺の舌で味わいたいとの渇きが起きる。
滲んだ青の色の甘いドロップを口に含みたい。
潤うとし始める青の色の甘いドロップを想う存分に舐め絡め噛み砕きたい衝動が沸きたつ。
のを、薄暗い闇への底層へと放り込む。



サリの示す提案にこころ快く頷き。
紫の色の前髪を、俺の左の小指で退けると、そこには幾何学模様の花が麗しくある。
、、、、、俺は愛を誓った。



















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