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小ネタ
傾向と対策
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忘備録に書いた小ネタです。
http://kagaminoyou.blog.fc2.com/blog-entry-63.html
奈緒が病院で働き始めた直後あたり、双子ちゃんが生まれる前のお話です。
++++++++++
「ねえ、いつも不思議に思ってたんだけどさあ」
ネットの書籍通販でそれぞれの表紙のイラストを眺めながら信吾さんに声をかける。
このサイトはもともと院内に出入りしている出版社さんにお願いして取り寄せてもらう本の下調べで覗くだけで使っていたんだけど、最近では医学書だけではなく小説の方も探索することが多くなった。
んで、今は女の子向けの恋愛小説を調べているところ。可愛いイラストが溢れていて見ているだけでも結構楽しい。
「なんだ?」
「同じジャンルの表紙のイラストって似た傾向になるのかな。今まで見たやつ、キャラクターの視線が全部こっちに向いてるの」
「なるほど。それから?」
私がまだ何か言いたいらしいってことを察した信吾さんが先を促す。
ちなみに今の信吾さんのお気に入りは何とか犯科帳っていう時代劇のシリーズだ。お話もだけどそこで出てくるお料理にも興味津々で自分でも作れるだろうか?と時々呟いている。話を聞いていると美味しそうだなって思うものもあるけどドジョウだけはお断りだから!
「それからね、ヒーローさんとヒロインさんの密着率が異様に高い」
プッと信吾さんが噴き出す。
「信吾さん、笑うけどさ、もう見ているだけで砂を吐きそうだよ? しかもね、何だかお尻とか胸とか触ってるのがやたらと多いんだよ」
「まあ男の心理をよくついた構図だな」
「女の子向けの小説なのに?」
「ああ」
「ふーん……じゃあ掴まれている胸がやたら大きいのも男の心理なのか……」
「え?」
独り言のように呟いた言葉に地獄耳が反応した。この「え?」は何て言った?の「え?」ではなくて驚きの「え?」だ。
「ほら、見てよ、この子、めちゃくちゃ胸が大きいじゃん? 設定では十五歳だって! しかも相手のヒーローはえっと、二十七歳! 二十七歳のいい年したお兄さんが十五歳の女の子の胸を鷲掴みだよ?!」
「何をしているかはともかく……年の差に関しては俺達は何も言えないぞ」
そう言って自分と私のことを指でさす。そりゃ私と信吾さんは十七も年の差はあるけど少なくとも私は信吾さんと出会った時には二十歳の大人だったわけで!
「男の人はこういう掴みがいのある胸が良いんだ……」
私、自慢じゃないけどそんなに大きくないよ、ブツブツ……。
「そういう男の中に俺は含まれていないてことだな」
そう言って私のことを手招きした。
一般の人の手招きって「おいでおいで」って感じでしょ? うちはちょっと違って指でくいくいってして「こっちに来い」パターン。
医学部の友達にその話をしたら最初は「女の子を犬か何かだと思ってるの?!」って憤慨していたんだけど、信吾さんと顔を合わせてからあっという間に主旨替えしたらしくて今では「森永さんにならそんな風に呼ばれてみたい」とか言い出す始末。
言っておくけど信吾さんは私の旦那様で私と特作の人達にしかこういうことはしませんからね!
隣に腰を下ろすと信吾さんは私のことを抱き寄せてきた。
「どんな綺麗なイラストだろうが奈緒が一番だよ」
「本当に?」
「ああ」
「胸が大きくなくても?」
「俺にとってはちょうど良い大きさなんだけどな」
「そうかなあ……」
それは信じられないかも。だって信吾さんの手、大きいんだもの。もっと大きな胸の方が良いんじゃないかなあ……。
「信じてないな? だったら証明してみせましょうか、奥様?」
そう言って見ていたテレビを消すと私の手を取ってソファから立ち上がった。
「あ、あのさ、明日は仕事があるから……」
「ちゃんと手加減してやる」
「……」
してやるって……。
イラストを見ていたお話のタイトルによくドS彼氏とか俺様彼氏って書いてあるのがあるけど、まさに信吾さんってそれだよね……。
http://kagaminoyou.blog.fc2.com/blog-entry-63.html
奈緒が病院で働き始めた直後あたり、双子ちゃんが生まれる前のお話です。
++++++++++
「ねえ、いつも不思議に思ってたんだけどさあ」
ネットの書籍通販でそれぞれの表紙のイラストを眺めながら信吾さんに声をかける。
このサイトはもともと院内に出入りしている出版社さんにお願いして取り寄せてもらう本の下調べで覗くだけで使っていたんだけど、最近では医学書だけではなく小説の方も探索することが多くなった。
んで、今は女の子向けの恋愛小説を調べているところ。可愛いイラストが溢れていて見ているだけでも結構楽しい。
「なんだ?」
「同じジャンルの表紙のイラストって似た傾向になるのかな。今まで見たやつ、キャラクターの視線が全部こっちに向いてるの」
「なるほど。それから?」
私がまだ何か言いたいらしいってことを察した信吾さんが先を促す。
ちなみに今の信吾さんのお気に入りは何とか犯科帳っていう時代劇のシリーズだ。お話もだけどそこで出てくるお料理にも興味津々で自分でも作れるだろうか?と時々呟いている。話を聞いていると美味しそうだなって思うものもあるけどドジョウだけはお断りだから!
「それからね、ヒーローさんとヒロインさんの密着率が異様に高い」
プッと信吾さんが噴き出す。
「信吾さん、笑うけどさ、もう見ているだけで砂を吐きそうだよ? しかもね、何だかお尻とか胸とか触ってるのがやたらと多いんだよ」
「まあ男の心理をよくついた構図だな」
「女の子向けの小説なのに?」
「ああ」
「ふーん……じゃあ掴まれている胸がやたら大きいのも男の心理なのか……」
「え?」
独り言のように呟いた言葉に地獄耳が反応した。この「え?」は何て言った?の「え?」ではなくて驚きの「え?」だ。
「ほら、見てよ、この子、めちゃくちゃ胸が大きいじゃん? 設定では十五歳だって! しかも相手のヒーローはえっと、二十七歳! 二十七歳のいい年したお兄さんが十五歳の女の子の胸を鷲掴みだよ?!」
「何をしているかはともかく……年の差に関しては俺達は何も言えないぞ」
そう言って自分と私のことを指でさす。そりゃ私と信吾さんは十七も年の差はあるけど少なくとも私は信吾さんと出会った時には二十歳の大人だったわけで!
「男の人はこういう掴みがいのある胸が良いんだ……」
私、自慢じゃないけどそんなに大きくないよ、ブツブツ……。
「そういう男の中に俺は含まれていないてことだな」
そう言って私のことを手招きした。
一般の人の手招きって「おいでおいで」って感じでしょ? うちはちょっと違って指でくいくいってして「こっちに来い」パターン。
医学部の友達にその話をしたら最初は「女の子を犬か何かだと思ってるの?!」って憤慨していたんだけど、信吾さんと顔を合わせてからあっという間に主旨替えしたらしくて今では「森永さんにならそんな風に呼ばれてみたい」とか言い出す始末。
言っておくけど信吾さんは私の旦那様で私と特作の人達にしかこういうことはしませんからね!
隣に腰を下ろすと信吾さんは私のことを抱き寄せてきた。
「どんな綺麗なイラストだろうが奈緒が一番だよ」
「本当に?」
「ああ」
「胸が大きくなくても?」
「俺にとってはちょうど良い大きさなんだけどな」
「そうかなあ……」
それは信じられないかも。だって信吾さんの手、大きいんだもの。もっと大きな胸の方が良いんじゃないかなあ……。
「信じてないな? だったら証明してみせましょうか、奥様?」
そう言って見ていたテレビを消すと私の手を取ってソファから立ち上がった。
「あ、あのさ、明日は仕事があるから……」
「ちゃんと手加減してやる」
「……」
してやるって……。
イラストを見ていたお話のタイトルによくドS彼氏とか俺様彼氏って書いてあるのがあるけど、まさに信吾さんってそれだよね……。
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