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契約が僕の情愛証明
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床を歩く革靴の音が遠くで聞こえる。
それは、少しずつ大きくなり、自分を視認できる距離まで近付くとぴたりと止んだ。
「まさか、生きている方がいるとは」
血濡れた部屋に似つかわしくない、穏やかなテノールが耳に届く。
凄惨な死体が彼方此方に横たわる部屋の隅で、オレは膝を抱え蹲っていた。
男は床に散らばるガラスの破片を踏み潰しながら、俯いたままのオレへと近付く。
「人身売買用に捕らわれた一般市民の方でしょうか」
問いかけながら、膝を床に付けて男が屈んだ。
横髪を梳くように、男の手が側頭部に添えられる。
顔を上げさせるように力を籠められれば、その手の望むままに、オレは男を見上げた。
「これは…」
オレの顔を瞳に映せば、男は僅かに目を見開いた。
そうして、顔の横にあった手を今度は項へと撫でるように移動させ、恍惚とした表情を浮かべる。
その手の感触と表情には既視感があった。
目の前の男が、オレから大切なものを奪い、この場所に閉じ込めた者達の姿と重なる。
感情が、揺れる。
――途端、部屋に無機質な高音が鳴り響いた。
男はその音を感じ取るや否や、瞠目して、床を蹴るように立ち上がる。
彼とオレの視線が重なった時、オレはふっと笑みを浮かべた。
男の足元のガラスが、床から天井に向かって目にも留まらぬ速さで舞い上がる。
肌を裂き肉を断つ、まるで処刑道具がごとき竜巻は、男の命がこと切れるまで続いた。
「ご推察の通り、オレはこのクソみたいな組織に捕まった、愚かな一般市民だよ」
衣服の汚れを落とすように軽く手で払い、起き上がる。
新たに出来上がった血溜まりと肉塊を見下ろし、誰にも聞き届けられることはないと分かりながら、先程の問いに答えた。
感知出来る範囲では、この屋敷にはもう、オレと同じ程の力を持った異能者はいない。
おそらくこいつは組織の中で、幹部以上の地位にあったはずだ。
多少組織に打撃は与えられたと思うが、壊滅までには至らない。
まずはこの場から抜け出すのが先決だ。
報復の算段はその後立てる。
ふと、頬に出来た小さな傷から血が滲んでいることに気付く。
先程のガラスが当たったのかと、眉を顰めて指で拭った。
その時、パキリ、と後ろで音がした。
咄嗟に振り向く。
しかし背後を確かめるより前に、勢いよく肩を押され、受け身も取れずに床に倒れ込んだ。
打ち付けた背中の痛みに呻いていると、伸し掛かるように左肩を押さえつけられ、首筋に黒い鉄の塊を突き付けられる。
「それは、大変物騒な一般市民ですね」
耳元で囁く落ち着いた声は、愉快げな音を乗せている。
目線だけ移して、死体のあった場所を確認すると、そこにあるのは血溜まりだけだ。
思わず舌打ちを鳴らす。
「愛らしく美しい容姿にまんまと騙されました。普通の一般市民はあんなに迷いもなく人を殺しませんよ」
「はっ、騙されただなんて、白々しいことを言う」
初めからオレに、幻覚を見せていたくせに。
苛立ちを隠さず表情に出せば、男は目を細め口角を上げた。
かちゃりと音を響かせて、銃口の固い感触が頤に当たる。
「……殺せよ」
男が口を開くより前に、終わりを請う言葉を告げる。
首筋を晒すように顎を上げ、目線を横へと逸らした。
体の力を抜き、無抵抗であることを主張する。
例え拳銃の扱いがど素人だったとしても、確実に息の根を止めることが出来るだろう。
互いの息遣いだけが聞こえる沈黙。
時間にして、長かったのか短かったのかは分からない。
その静寂に終わりを告げたのは、銃のスライドを引く音だった。
身を委ねるように、そっと瞼を閉じる。
ただじっと衝撃を待っていると、何かが床を滑り壁にぶつかった音が鼓膜を揺らした。
目を開き確認すると、拳銃は遠い床の上に放置されている。
「僕も道連れにしようとしていますね」
「…………」
「残念ながら、僕はあなたを攫った組織の者ではありません。僕を殺しても、何の報復にもなりませんよ」
彼の言葉に目を見開くと、男は自分の推測の正しさが証明されたことにクスリと笑う。
「自身を起爆剤に変え、自分の死をトリガーに、自爆でもしようとしていたのでしょうか。あなたの内側で、並外れた量の異能の力が練り込まれているのを感じます」
「……だったら何?」
「これ程の力と技術、一般人と自身を称すのは謙遜が過ぎると思いまして」
敗北した男に幾ら称賛を掛けられても、嫌味にしか聞こえない。
忌々し気に睨みつけるが、相手は特に気にも留めず、自分の優位を突き付けるように笑みを浮かべたままだ。
「殺さないのなら、オレをどうするつもり?」
「契約をしましょう」
「契約…?」
「あなたを苦しめた組織の壊滅と引き換えに、あなたを僕にください」
は、と声が漏れる。
耳を疑うような言葉を頭の中で反芻した。
今こいつ、一体何を言った。
「こう見えて、僕はとある組織のボスを務めています」
「だろうね」
その強さなら、と心の中で呟く。
「僕の組織はあなたを攫った組織と敵対関係、とまでは言いませんが、対抗組織の一つです。正直、このまま話し合いや取引で穏便に済ますことも出来ます。けれど、あなたが望むなら、争いの火蓋を切り、かの組織を壊滅へと導いてもいい」
正気な顔をして、とんでもないことを言ってのける。
この契約の利害のバランスがどう考えても取れていない。
この男の頭ならそんなことはきちんと理解しているはずだ。
何故こんな提案をするのか合点がいかない。
「それ、そっちにどんな得があるの?組織が困窮してるわけでもないのなら、オレなんか要らないでしょ。それなのに、オレと引き換えに一組織を壊滅?馬鹿げてるとしか思えない」
「わざわざ自分の利が多いことを指摘するだなんて優しいんですね。ならば、あなたは頷けばいい。そうでしょう?」
「上手い話には裏がある」
なかなか疑り深いんですね、なんて胡散臭い笑みを張り付けて、クスクスと笑う。
その笑い声がひどく耳障りでオレは眉間に皺を寄せた。
しかし、オレが顔を歪めるほど、男の表情は喜色を浮かべる。憎たらしくて仕方ない。
「わざわざ逃げずに僕を待っていたということは、組織に報復をしたいのでしょう?」
「…………」
「数の威力というのは侮れません。一人では無理でも多人数で臨めば成し遂げられることも多い」
――どうせ先程死ぬつもりだったのなら、裏を気に留める必要がありますか?
あくまでも穏やかに、誘惑の言葉が鼓膜を揺らす。
男の正論に何も言い返せず、唇を噛みしめた。
ここでの沈黙は肯定と同義だ。
「契約成立ですね」
男の薄く笑った声が聞こえて、目の前にあるその顔を睨みつけてやる。
けれど、男は意にも介さず、それどころか慈しむような視線をこちらによこす。
早く上から退くことを要求するように体を押した。
けれど、反発するかのように、息の掛かる距離まで顔を近付けられ、頭を包むように両手を添えられる。
その距離に戸惑えば、突然唇に生温かい感触が伝わった。
突然のことに、瞠目する。
ただ茫然とそれを受け入れていると、口内に生ぬるい何かが侵入する。
湿った音が部屋に響いて、耳を塞ぎたくなった。
男の腕を掴んで引き離そうとしても、腕力の差が歴然なのか、びくともしない。
抵抗していた手は次第に力を無くして、男の腕に縋り付くようなかたちになる。
息苦しさに呻くと、男はようやく解放した。
「何を、」
「言ったじゃないですか。あなたを僕にください、と」
「それは、オレの力のことで」
「誰がそんなこと言いました?」
男は優しく頬に出来た傷口をなぞる。
そうして、まるで見せつけるように、指に付いた血を舐め取った。
「これから、よろしくお願いします」
厄介な契約を結んでしまったことに、オレはこの時ようやく気付いたのだった。
それは、少しずつ大きくなり、自分を視認できる距離まで近付くとぴたりと止んだ。
「まさか、生きている方がいるとは」
血濡れた部屋に似つかわしくない、穏やかなテノールが耳に届く。
凄惨な死体が彼方此方に横たわる部屋の隅で、オレは膝を抱え蹲っていた。
男は床に散らばるガラスの破片を踏み潰しながら、俯いたままのオレへと近付く。
「人身売買用に捕らわれた一般市民の方でしょうか」
問いかけながら、膝を床に付けて男が屈んだ。
横髪を梳くように、男の手が側頭部に添えられる。
顔を上げさせるように力を籠められれば、その手の望むままに、オレは男を見上げた。
「これは…」
オレの顔を瞳に映せば、男は僅かに目を見開いた。
そうして、顔の横にあった手を今度は項へと撫でるように移動させ、恍惚とした表情を浮かべる。
その手の感触と表情には既視感があった。
目の前の男が、オレから大切なものを奪い、この場所に閉じ込めた者達の姿と重なる。
感情が、揺れる。
――途端、部屋に無機質な高音が鳴り響いた。
男はその音を感じ取るや否や、瞠目して、床を蹴るように立ち上がる。
彼とオレの視線が重なった時、オレはふっと笑みを浮かべた。
男の足元のガラスが、床から天井に向かって目にも留まらぬ速さで舞い上がる。
肌を裂き肉を断つ、まるで処刑道具がごとき竜巻は、男の命がこと切れるまで続いた。
「ご推察の通り、オレはこのクソみたいな組織に捕まった、愚かな一般市民だよ」
衣服の汚れを落とすように軽く手で払い、起き上がる。
新たに出来上がった血溜まりと肉塊を見下ろし、誰にも聞き届けられることはないと分かりながら、先程の問いに答えた。
感知出来る範囲では、この屋敷にはもう、オレと同じ程の力を持った異能者はいない。
おそらくこいつは組織の中で、幹部以上の地位にあったはずだ。
多少組織に打撃は与えられたと思うが、壊滅までには至らない。
まずはこの場から抜け出すのが先決だ。
報復の算段はその後立てる。
ふと、頬に出来た小さな傷から血が滲んでいることに気付く。
先程のガラスが当たったのかと、眉を顰めて指で拭った。
その時、パキリ、と後ろで音がした。
咄嗟に振り向く。
しかし背後を確かめるより前に、勢いよく肩を押され、受け身も取れずに床に倒れ込んだ。
打ち付けた背中の痛みに呻いていると、伸し掛かるように左肩を押さえつけられ、首筋に黒い鉄の塊を突き付けられる。
「それは、大変物騒な一般市民ですね」
耳元で囁く落ち着いた声は、愉快げな音を乗せている。
目線だけ移して、死体のあった場所を確認すると、そこにあるのは血溜まりだけだ。
思わず舌打ちを鳴らす。
「愛らしく美しい容姿にまんまと騙されました。普通の一般市民はあんなに迷いもなく人を殺しませんよ」
「はっ、騙されただなんて、白々しいことを言う」
初めからオレに、幻覚を見せていたくせに。
苛立ちを隠さず表情に出せば、男は目を細め口角を上げた。
かちゃりと音を響かせて、銃口の固い感触が頤に当たる。
「……殺せよ」
男が口を開くより前に、終わりを請う言葉を告げる。
首筋を晒すように顎を上げ、目線を横へと逸らした。
体の力を抜き、無抵抗であることを主張する。
例え拳銃の扱いがど素人だったとしても、確実に息の根を止めることが出来るだろう。
互いの息遣いだけが聞こえる沈黙。
時間にして、長かったのか短かったのかは分からない。
その静寂に終わりを告げたのは、銃のスライドを引く音だった。
身を委ねるように、そっと瞼を閉じる。
ただじっと衝撃を待っていると、何かが床を滑り壁にぶつかった音が鼓膜を揺らした。
目を開き確認すると、拳銃は遠い床の上に放置されている。
「僕も道連れにしようとしていますね」
「…………」
「残念ながら、僕はあなたを攫った組織の者ではありません。僕を殺しても、何の報復にもなりませんよ」
彼の言葉に目を見開くと、男は自分の推測の正しさが証明されたことにクスリと笑う。
「自身を起爆剤に変え、自分の死をトリガーに、自爆でもしようとしていたのでしょうか。あなたの内側で、並外れた量の異能の力が練り込まれているのを感じます」
「……だったら何?」
「これ程の力と技術、一般人と自身を称すのは謙遜が過ぎると思いまして」
敗北した男に幾ら称賛を掛けられても、嫌味にしか聞こえない。
忌々し気に睨みつけるが、相手は特に気にも留めず、自分の優位を突き付けるように笑みを浮かべたままだ。
「殺さないのなら、オレをどうするつもり?」
「契約をしましょう」
「契約…?」
「あなたを苦しめた組織の壊滅と引き換えに、あなたを僕にください」
は、と声が漏れる。
耳を疑うような言葉を頭の中で反芻した。
今こいつ、一体何を言った。
「こう見えて、僕はとある組織のボスを務めています」
「だろうね」
その強さなら、と心の中で呟く。
「僕の組織はあなたを攫った組織と敵対関係、とまでは言いませんが、対抗組織の一つです。正直、このまま話し合いや取引で穏便に済ますことも出来ます。けれど、あなたが望むなら、争いの火蓋を切り、かの組織を壊滅へと導いてもいい」
正気な顔をして、とんでもないことを言ってのける。
この契約の利害のバランスがどう考えても取れていない。
この男の頭ならそんなことはきちんと理解しているはずだ。
何故こんな提案をするのか合点がいかない。
「それ、そっちにどんな得があるの?組織が困窮してるわけでもないのなら、オレなんか要らないでしょ。それなのに、オレと引き換えに一組織を壊滅?馬鹿げてるとしか思えない」
「わざわざ自分の利が多いことを指摘するだなんて優しいんですね。ならば、あなたは頷けばいい。そうでしょう?」
「上手い話には裏がある」
なかなか疑り深いんですね、なんて胡散臭い笑みを張り付けて、クスクスと笑う。
その笑い声がひどく耳障りでオレは眉間に皺を寄せた。
しかし、オレが顔を歪めるほど、男の表情は喜色を浮かべる。憎たらしくて仕方ない。
「わざわざ逃げずに僕を待っていたということは、組織に報復をしたいのでしょう?」
「…………」
「数の威力というのは侮れません。一人では無理でも多人数で臨めば成し遂げられることも多い」
――どうせ先程死ぬつもりだったのなら、裏を気に留める必要がありますか?
あくまでも穏やかに、誘惑の言葉が鼓膜を揺らす。
男の正論に何も言い返せず、唇を噛みしめた。
ここでの沈黙は肯定と同義だ。
「契約成立ですね」
男の薄く笑った声が聞こえて、目の前にあるその顔を睨みつけてやる。
けれど、男は意にも介さず、それどころか慈しむような視線をこちらによこす。
早く上から退くことを要求するように体を押した。
けれど、反発するかのように、息の掛かる距離まで顔を近付けられ、頭を包むように両手を添えられる。
その距離に戸惑えば、突然唇に生温かい感触が伝わった。
突然のことに、瞠目する。
ただ茫然とそれを受け入れていると、口内に生ぬるい何かが侵入する。
湿った音が部屋に響いて、耳を塞ぎたくなった。
男の腕を掴んで引き離そうとしても、腕力の差が歴然なのか、びくともしない。
抵抗していた手は次第に力を無くして、男の腕に縋り付くようなかたちになる。
息苦しさに呻くと、男はようやく解放した。
「何を、」
「言ったじゃないですか。あなたを僕にください、と」
「それは、オレの力のことで」
「誰がそんなこと言いました?」
男は優しく頬に出来た傷口をなぞる。
そうして、まるで見せつけるように、指に付いた血を舐め取った。
「これから、よろしくお願いします」
厄介な契約を結んでしまったことに、オレはこの時ようやく気付いたのだった。
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