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13、恋じゃなくて憧れです
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「よォ、ノンタン!」
「お、おはようございます、朝比奈先輩!」
次の日すずと食堂で朝食を食べていたら、いきなり後ろから朝比奈先輩に明るく挨拶をされた。
まだ人が少ない時間帯だったけど、すずを含め周りの人はかなり驚いている。
朝比奈先輩の爽やかな登場と、オレへのノンタン呼びに……。
オレはもう慣れてしまったけど。
「今日の朝飯何? お、ベーコンエッグじゃん! うんまそォ」
「美味しいですよ、朝比奈先輩もここ座ります?」
「んーじゃ、お邪魔すっかなァ」
思いがけず朝比奈先輩と一緒に朝食を摂ることになってとても嬉しい。
これは邪な気持ちじゃなく、オレが舎弟だから……あ。
「オレ、朝比奈先輩のごはん持ってきます! 舎弟なのに気づかなくてごめんなさい」
「あーいいってノンタン、自分のこたァ自分でするからよ」
朝比奈先輩はオレの頭を軽く数回叩くと自分で朝食を取りに行った。
食堂はセルフサービスなので、ご飯や汁物はすべて自分で全てよそわなければいけない。(おかずは既にお皿に乗せられている)
ふと視線を感じて隣を見ると、すずが興味津々な顔でじーっと見ていた。
「すず? どうしたの」
「もう既に二人は付き合ってる……んじゃないよね?」
「はぇ!? ま、まだそんなこと言ってんの!? 昨日違うってあれほど」
「だってさぁ、ノンタンとか愛称で呼ばれてるからつい」
「あれは……なんだろうね? それより朝比奈先輩って別に怖い人じゃないでしょ?」
「そうだねぇ、普通に優しくて気のいい先輩って感じ」
「ね!?」
すずが分かってくれて、なんだか嬉しくてにやけてしまう。
自分が褒められたわけじゃないのに、何故か凄く嬉しい。
「なーに嬉しそーな顔してんだァ? ノンタン。朝から俺に会えたからか?」
「なっ! ち、違いま……いや、そうですね」
「素直か! 逆に照れるっつーの! いただきまーす」
すずが朝比奈先輩のことを好きなのかなんて言うから変に意識してしまうけど、オレは朝比奈先輩の舎弟なんだから会えたら嬉しいに決まってる。
「ところでノンタン、そのこけしみてーなのはオマエのダチか?」
「こけしじゃないですよ、すずは人間です!」
「のんちゃん、そのフォロー不必要だから。えっと、のんちゃんのクラスメイト兼ルームメイト兼親友の山田清白です。朝比奈先輩のことはのんちゃんから色々聞いてます、よかったらぼくのこともよろしくお願いします」
すずが淀みなく自己紹介をしていて、いちいち緊張してどもってしまうオレとの差がすごい。
見習いたい。
「おう、ヨロシク。つーかオマエも俺のこと全然知らねーのかァ? もうちっと恐がられねェとやりにくいじゃねえか」
「ぼくものんちゃんと同じく、ここが地元じゃないので」
「ほーん、じゃあ納得」
「他のクラスメイトは十分先輩のこと怖がってましたよ?」
「それならよし」
朝比奈先輩はにかっと笑った。
オレは先輩が笑った時に少し見える八重歯が可愛いくて、そこは素直に好きだなあって思う。
朝比奈先輩とすずはあっさり仲良くなって――オレは仲良くなるまで二日くらいはかかった気がするのに――少しジェラシーを感じる。
それだけすずのコミュ力が高いってことなんだろうけど、素直に羨ましい。
「ノンタン、驚くほど食べるのおっせぇな」
「一人っ子だもんねー、慌てなくていいよ」
「二人が早すぎなんです!」
これでもオレの中じゃ最大速度だ。
どうしてすずも朝比奈先輩も、あんなに早く食べながら普通に会話が出来るのか本気で謎だ!
真似したいけどメカニズムが分からないので真似できない。
「じゃあ俺ァ先に行くぜノンタン、昼休み来るの忘れんなよォ」
「もひろんれす、ングっ」
「こけしっちもじゃーなー」
「ブフッ! はい、のんちゃんをヨロシクです、朝比奈先輩」
こけしっちて……朝比奈先輩、すずの名前覚える気ないな!
当のすずは可笑しそうにクスクス笑ってるけど、変なあだ名を付けられてムカつかないのかな……?
「本当にのんちゃんが言ってた通りの人だねぇ」
「うん、時々怖いけどね。でもオレ、朝比奈先輩の笑った顔はけっこう……」
「ん?」
「変な意味じゃなくて! けっこう、好き」
舎弟がアニキのことを好きなのは当然のはずなのに、何故オレはこんなに照れているのか。
変な意味じゃないなんて当たり前なのに!
うーん、おかしいなぁ……。
「のんちゃん、可愛いすぎか……!」
「な、なんで?」
「わかんなくていいよ、ぼくが勝手にそう思うだけだから!」
とにかくオレは、朝比奈先輩に純粋に憧れているだけなのだ。
恋情を抱いてるなんてことは絶対……ぜっったいに無い!
残りのベーコンエッグとパンを牛乳で一気に流し込んだらむせてしまった。
「お、おはようございます、朝比奈先輩!」
次の日すずと食堂で朝食を食べていたら、いきなり後ろから朝比奈先輩に明るく挨拶をされた。
まだ人が少ない時間帯だったけど、すずを含め周りの人はかなり驚いている。
朝比奈先輩の爽やかな登場と、オレへのノンタン呼びに……。
オレはもう慣れてしまったけど。
「今日の朝飯何? お、ベーコンエッグじゃん! うんまそォ」
「美味しいですよ、朝比奈先輩もここ座ります?」
「んーじゃ、お邪魔すっかなァ」
思いがけず朝比奈先輩と一緒に朝食を摂ることになってとても嬉しい。
これは邪な気持ちじゃなく、オレが舎弟だから……あ。
「オレ、朝比奈先輩のごはん持ってきます! 舎弟なのに気づかなくてごめんなさい」
「あーいいってノンタン、自分のこたァ自分でするからよ」
朝比奈先輩はオレの頭を軽く数回叩くと自分で朝食を取りに行った。
食堂はセルフサービスなので、ご飯や汁物はすべて自分で全てよそわなければいけない。(おかずは既にお皿に乗せられている)
ふと視線を感じて隣を見ると、すずが興味津々な顔でじーっと見ていた。
「すず? どうしたの」
「もう既に二人は付き合ってる……んじゃないよね?」
「はぇ!? ま、まだそんなこと言ってんの!? 昨日違うってあれほど」
「だってさぁ、ノンタンとか愛称で呼ばれてるからつい」
「あれは……なんだろうね? それより朝比奈先輩って別に怖い人じゃないでしょ?」
「そうだねぇ、普通に優しくて気のいい先輩って感じ」
「ね!?」
すずが分かってくれて、なんだか嬉しくてにやけてしまう。
自分が褒められたわけじゃないのに、何故か凄く嬉しい。
「なーに嬉しそーな顔してんだァ? ノンタン。朝から俺に会えたからか?」
「なっ! ち、違いま……いや、そうですね」
「素直か! 逆に照れるっつーの! いただきまーす」
すずが朝比奈先輩のことを好きなのかなんて言うから変に意識してしまうけど、オレは朝比奈先輩の舎弟なんだから会えたら嬉しいに決まってる。
「ところでノンタン、そのこけしみてーなのはオマエのダチか?」
「こけしじゃないですよ、すずは人間です!」
「のんちゃん、そのフォロー不必要だから。えっと、のんちゃんのクラスメイト兼ルームメイト兼親友の山田清白です。朝比奈先輩のことはのんちゃんから色々聞いてます、よかったらぼくのこともよろしくお願いします」
すずが淀みなく自己紹介をしていて、いちいち緊張してどもってしまうオレとの差がすごい。
見習いたい。
「おう、ヨロシク。つーかオマエも俺のこと全然知らねーのかァ? もうちっと恐がられねェとやりにくいじゃねえか」
「ぼくものんちゃんと同じく、ここが地元じゃないので」
「ほーん、じゃあ納得」
「他のクラスメイトは十分先輩のこと怖がってましたよ?」
「それならよし」
朝比奈先輩はにかっと笑った。
オレは先輩が笑った時に少し見える八重歯が可愛いくて、そこは素直に好きだなあって思う。
朝比奈先輩とすずはあっさり仲良くなって――オレは仲良くなるまで二日くらいはかかった気がするのに――少しジェラシーを感じる。
それだけすずのコミュ力が高いってことなんだろうけど、素直に羨ましい。
「ノンタン、驚くほど食べるのおっせぇな」
「一人っ子だもんねー、慌てなくていいよ」
「二人が早すぎなんです!」
これでもオレの中じゃ最大速度だ。
どうしてすずも朝比奈先輩も、あんなに早く食べながら普通に会話が出来るのか本気で謎だ!
真似したいけどメカニズムが分からないので真似できない。
「じゃあ俺ァ先に行くぜノンタン、昼休み来るの忘れんなよォ」
「もひろんれす、ングっ」
「こけしっちもじゃーなー」
「ブフッ! はい、のんちゃんをヨロシクです、朝比奈先輩」
こけしっちて……朝比奈先輩、すずの名前覚える気ないな!
当のすずは可笑しそうにクスクス笑ってるけど、変なあだ名を付けられてムカつかないのかな……?
「本当にのんちゃんが言ってた通りの人だねぇ」
「うん、時々怖いけどね。でもオレ、朝比奈先輩の笑った顔はけっこう……」
「ん?」
「変な意味じゃなくて! けっこう、好き」
舎弟がアニキのことを好きなのは当然のはずなのに、何故オレはこんなに照れているのか。
変な意味じゃないなんて当たり前なのに!
うーん、おかしいなぁ……。
「のんちゃん、可愛いすぎか……!」
「な、なんで?」
「わかんなくていいよ、ぼくが勝手にそう思うだけだから!」
とにかくオレは、朝比奈先輩に純粋に憧れているだけなのだ。
恋情を抱いてるなんてことは絶対……ぜっったいに無い!
残りのベーコンエッグとパンを牛乳で一気に流し込んだらむせてしまった。
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