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22、山田清白の男前劇場
昼休みが終わるギリギリの時間に、のんちゃんが慌てて帰ってきた。
「のんちゃん、お帰りー」
「た、……っだ、いまっ……すず、ハァ、はァ、はあ~……」
めちゃくちゃ息を切らせながらドアに手をつくのんちゃんに、ぼくは駆け寄った。
「走ってきたの? セーフだよ、ほら!」
授業の始まりを告げる古風なチャイムが鳴り響き、バラバラに座っていたクラスメイト達も徐々に席に着き始めた。
ぼくはのんちゃんの手を取った。
ふらふらして、今にも倒れそうだったからだ。
「あ……ありがとう、すず」
「先生が来る前に席つこう、のんちゃん」
「うん……」
のんちゃんを席まで送っていった。
なんだろう、なんだか少し浮かない顔をしている気がする。
その理由は、五限目終了後の休み時間に判明した。
「すず、ちょっといい……かな」
「なになに? 内緒のハナシ?」
「うん……」
「マジですか」
教室では内緒話ができないから(耳ダンボにして聞いてる奴らが多すぎる)ぼくらは廊下に出て窓を開けた。
教室の方から背中に痛いほど視線を感じるけど、背後なので無視!
そして、のんちゃんの話とは……
「は、はいぃ!? ぼ、ぼくが、せいとか……ムグッ!」
「声が大きいよっ、すず!」
「ご、ごめん……でもどういうこと!?」
「ごめん、オレが勝手に推薦しちゃったんだ」
のんちゃんがぼくを生徒会役員に推薦したという話を聞き、しかもぼくが了承した時点で決定というお知らせに、ぼくは心の底から驚いた。
そんな生徒代表みたいなシゴト、地味で目立たないぼくが今まで務めたことなんてあるわけないし!
のんちゃんから事の経過を詳しく聞いた。
「そんなわけで……」
「ほほーう……」
この学校の生徒会役員ってそんなテキトーに決まるんだ、知らなかった。
のんちゃんが生徒会執行部に推薦された時点でちょっと『ん?』ってなったけども。
「この学校の生徒会執行部って、よその学校とは違う独自のシステムなんだって。それで今朝吉永先生にその説明を受けてたんだ。でもオレじゃ役不足っていうか、荷が重すぎる役員だから辞退しろって言われて……」
「はぁ? なにそれ」
――その時だ。
「斉賀、山田。授業を始めるから教室に入りなさい」
ぼくたちの内緒話を遮ったのは、たった今噂をしていた吉永先生だった。
そうだ、六限目は数学だった。
「すいませーん。教室入ろ、のんちゃん。……のんちゃん?」
のんちゃんは、何故か吉永先生をじっと見つめて動かなかった。
え、なんなんだこの空気は。
すると吉永先生も、のんちゃんの言いたいことがわかったかのように正面に立って話し出した。
「結局昼休みに生徒会室に行ったんだな、斉賀。あれほどやめておけと言ったのにまだ分からないのか?」
「む、迎えに来てくれたので……」
「朝比奈がか?」
のんちゃんは無言で頷いた。
「はぁ……斉賀、朝比奈は筋金入りの不良だぞ。執行部のくせに校則は破るし授業も堂々とさぼる。おまけに権力を振りかざして気に入らない奴は半殺しにする非道な奴だ。家がアレなだけに報復を恐れて逆らう奴もほとんどいない。何故か理事長や生徒会の連中とは懇意にしているようだが、汚れ仕事を朝比奈に押し付けているから奴らも表面上だけ仲良くしているんだろう。……斉賀、朝比奈はお前にいい影響は一つも与えない」
ええ!? 仮にも教師が一介の生徒に向かってそこまで言う!?
絶対吉永先生は朝比奈先輩に個人的な恨みがあるでしょ、絶対……。
「のんちゃん、お帰りー」
「た、……っだ、いまっ……すず、ハァ、はァ、はあ~……」
めちゃくちゃ息を切らせながらドアに手をつくのんちゃんに、ぼくは駆け寄った。
「走ってきたの? セーフだよ、ほら!」
授業の始まりを告げる古風なチャイムが鳴り響き、バラバラに座っていたクラスメイト達も徐々に席に着き始めた。
ぼくはのんちゃんの手を取った。
ふらふらして、今にも倒れそうだったからだ。
「あ……ありがとう、すず」
「先生が来る前に席つこう、のんちゃん」
「うん……」
のんちゃんを席まで送っていった。
なんだろう、なんだか少し浮かない顔をしている気がする。
その理由は、五限目終了後の休み時間に判明した。
「すず、ちょっといい……かな」
「なになに? 内緒のハナシ?」
「うん……」
「マジですか」
教室では内緒話ができないから(耳ダンボにして聞いてる奴らが多すぎる)ぼくらは廊下に出て窓を開けた。
教室の方から背中に痛いほど視線を感じるけど、背後なので無視!
そして、のんちゃんの話とは……
「は、はいぃ!? ぼ、ぼくが、せいとか……ムグッ!」
「声が大きいよっ、すず!」
「ご、ごめん……でもどういうこと!?」
「ごめん、オレが勝手に推薦しちゃったんだ」
のんちゃんがぼくを生徒会役員に推薦したという話を聞き、しかもぼくが了承した時点で決定というお知らせに、ぼくは心の底から驚いた。
そんな生徒代表みたいなシゴト、地味で目立たないぼくが今まで務めたことなんてあるわけないし!
のんちゃんから事の経過を詳しく聞いた。
「そんなわけで……」
「ほほーう……」
この学校の生徒会役員ってそんなテキトーに決まるんだ、知らなかった。
のんちゃんが生徒会執行部に推薦された時点でちょっと『ん?』ってなったけども。
「この学校の生徒会執行部って、よその学校とは違う独自のシステムなんだって。それで今朝吉永先生にその説明を受けてたんだ。でもオレじゃ役不足っていうか、荷が重すぎる役員だから辞退しろって言われて……」
「はぁ? なにそれ」
――その時だ。
「斉賀、山田。授業を始めるから教室に入りなさい」
ぼくたちの内緒話を遮ったのは、たった今噂をしていた吉永先生だった。
そうだ、六限目は数学だった。
「すいませーん。教室入ろ、のんちゃん。……のんちゃん?」
のんちゃんは、何故か吉永先生をじっと見つめて動かなかった。
え、なんなんだこの空気は。
すると吉永先生も、のんちゃんの言いたいことがわかったかのように正面に立って話し出した。
「結局昼休みに生徒会室に行ったんだな、斉賀。あれほどやめておけと言ったのにまだ分からないのか?」
「む、迎えに来てくれたので……」
「朝比奈がか?」
のんちゃんは無言で頷いた。
「はぁ……斉賀、朝比奈は筋金入りの不良だぞ。執行部のくせに校則は破るし授業も堂々とさぼる。おまけに権力を振りかざして気に入らない奴は半殺しにする非道な奴だ。家がアレなだけに報復を恐れて逆らう奴もほとんどいない。何故か理事長や生徒会の連中とは懇意にしているようだが、汚れ仕事を朝比奈に押し付けているから奴らも表面上だけ仲良くしているんだろう。……斉賀、朝比奈はお前にいい影響は一つも与えない」
ええ!? 仮にも教師が一介の生徒に向かってそこまで言う!?
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