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〃
「そういえば橘先輩が一週間後に返事を聞かせてくれって言ってたけど、すずの気が変わらないうちに言っちゃおうかなぁ」
「アハハ! 別に変わったりしないよぉ」
「ふふっ、それならいいけど。それと、すずの他にももう一人1年が生徒会に入るんだって」
「へえ~誰だろうね。仲良く出来ればいいけど……」
「首席の人だって。推薦が無かったら成績順で選ぶみたい。A組の、えっと……名前は忘れちゃったけど、なんか可愛い名前の人」
オレみたいに女の子っぽい名前だなって思った記憶はある。
でも男にも使える名前だったので少々羨ましかった。
そこまで思ったのに、忘れてしまうなんて不覚……。
「生徒会役員に選ばれるのって成績順なの!? じゃあもしかしてぼく、次席の人に悪いことしちゃったかな!?」
「ん~でも、部活が忙しかったら普通に断られるみたいだし……もしかしたらその首席の人だって断るかもしれないよ」
「そしたら三番目の人がなるのかな!? あ、次席の人も断ったら、だけど」
「三番目はオレだからなんないよー」
オレがそう言った途端、何故かすずの表情筋がピタッと制止した。
な、なんだろう、このリアクションは……。
「のんちゃんて、めちゃくちゃ頭いいんだね……?」
「そ、そんなことないけど!?」
「ま、まぁ誰だろうと仲良くなれるといいよね! 1年って三人だけでしょ?のんちゃんは執行部所属だけど、同じ生徒会だもんね」
「うん、組織的には同じだと思う。会議だって合同でやってたもん」
おしゃべりが弾んで来た時、ドアが開く音がした。
病人かと思って立ち上がりかけたら、それは先生だった。
「ちょっとぉー誰かしら? ここはサボり場じゃないわよォー」
すずが小声で『やばっ先生だ、どうしよう』と言って及び腰になった。
いつも冷静なすずが珍しく焦っている。
よし、ここはオレの出番だな……。
今こそ不登校アンド保健室登校歴(ブランクも合わせて)9年の技をお披露目するとき……!
「ねえちょっと誰なの? ベッドを使うときはノ―トに名前と症状を記入しなさいって……」
カーテンが引かれ、50代くらいの女性保健教諭が顔を出した。
声と喋り方から想像するに、もっと若い先生かと思った。
安心なような、残念なような……。
「すみません、オレ授業中に急に吐いちゃって……それで山田君が付き添ってくれたんです。ちょっと良くなってきたので、そろそろ教室に戻ろうかと思ってたんですが」
オレは先生がカーテンを開けたときは既にベッドに潜り込んでいて、あたかも今身体を起こしました、みたいに振る舞った。
すずが目を大きく見開いてオレの顔を見つめてくる。
「あらあら大丈夫!? あなた、クラスと名前は? まぁーなんて美少女……いや、美少年ねぇ……」
「1年C組の斉賀です……うっ、昼に焼き肉を食べたから胃もたれが……」
「おっと見蕩れてる場合じゃないわね、胃薬持ってくるから待ってて!」
「ハイ、ありがとうございます」
ホントは胃もたれなんてしてないけど。
藤堂先輩、お弁当のせいにしてごめんなさい!!
すずは、さっきから心底驚いた顔でオレを見ている。
オレはそんなすずに向けて、バチーンとわざとらしくウインクをした。
まあ、技ってかただの仮病なんだけど。
オレがこれを特技だと自称するのは、仮病を使う前後にどんなに元気にふるまっていても何故か完璧に誤魔化しきれるからだ。
理由は分からないけど、きっと年季が入ってるからだろう。
履歴書に書けない特技って虚しい。
「アハハ! 別に変わったりしないよぉ」
「ふふっ、それならいいけど。それと、すずの他にももう一人1年が生徒会に入るんだって」
「へえ~誰だろうね。仲良く出来ればいいけど……」
「首席の人だって。推薦が無かったら成績順で選ぶみたい。A組の、えっと……名前は忘れちゃったけど、なんか可愛い名前の人」
オレみたいに女の子っぽい名前だなって思った記憶はある。
でも男にも使える名前だったので少々羨ましかった。
そこまで思ったのに、忘れてしまうなんて不覚……。
「生徒会役員に選ばれるのって成績順なの!? じゃあもしかしてぼく、次席の人に悪いことしちゃったかな!?」
「ん~でも、部活が忙しかったら普通に断られるみたいだし……もしかしたらその首席の人だって断るかもしれないよ」
「そしたら三番目の人がなるのかな!? あ、次席の人も断ったら、だけど」
「三番目はオレだからなんないよー」
オレがそう言った途端、何故かすずの表情筋がピタッと制止した。
な、なんだろう、このリアクションは……。
「のんちゃんて、めちゃくちゃ頭いいんだね……?」
「そ、そんなことないけど!?」
「ま、まぁ誰だろうと仲良くなれるといいよね! 1年って三人だけでしょ?のんちゃんは執行部所属だけど、同じ生徒会だもんね」
「うん、組織的には同じだと思う。会議だって合同でやってたもん」
おしゃべりが弾んで来た時、ドアが開く音がした。
病人かと思って立ち上がりかけたら、それは先生だった。
「ちょっとぉー誰かしら? ここはサボり場じゃないわよォー」
すずが小声で『やばっ先生だ、どうしよう』と言って及び腰になった。
いつも冷静なすずが珍しく焦っている。
よし、ここはオレの出番だな……。
今こそ不登校アンド保健室登校歴(ブランクも合わせて)9年の技をお披露目するとき……!
「ねえちょっと誰なの? ベッドを使うときはノ―トに名前と症状を記入しなさいって……」
カーテンが引かれ、50代くらいの女性保健教諭が顔を出した。
声と喋り方から想像するに、もっと若い先生かと思った。
安心なような、残念なような……。
「すみません、オレ授業中に急に吐いちゃって……それで山田君が付き添ってくれたんです。ちょっと良くなってきたので、そろそろ教室に戻ろうかと思ってたんですが」
オレは先生がカーテンを開けたときは既にベッドに潜り込んでいて、あたかも今身体を起こしました、みたいに振る舞った。
すずが目を大きく見開いてオレの顔を見つめてくる。
「あらあら大丈夫!? あなた、クラスと名前は? まぁーなんて美少女……いや、美少年ねぇ……」
「1年C組の斉賀です……うっ、昼に焼き肉を食べたから胃もたれが……」
「おっと見蕩れてる場合じゃないわね、胃薬持ってくるから待ってて!」
「ハイ、ありがとうございます」
ホントは胃もたれなんてしてないけど。
藤堂先輩、お弁当のせいにしてごめんなさい!!
すずは、さっきから心底驚いた顔でオレを見ている。
オレはそんなすずに向けて、バチーンとわざとらしくウインクをした。
まあ、技ってかただの仮病なんだけど。
オレがこれを特技だと自称するのは、仮病を使う前後にどんなに元気にふるまっていても何故か完璧に誤魔化しきれるからだ。
理由は分からないけど、きっと年季が入ってるからだろう。
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