44 / 189
〃
しおりを挟む
【数分後】
「――かくかくしかじかそんなわけで、朝比奈君に気にいられた斉賀君は生徒会執行部に推薦されたんだ!」
「そんなわけって、どんなわけですか?」
「ン? それは各々で察してくれるかい?」
「は、はい……」
適当すぎる説明に納得のいってないクラスメイトを笑顔で黙らせる橘先輩。
きっと橘先輩にツッコんでマトモに返してもらえるのは、つばめ先輩ただ一人に違いない。
「で、斉賀君が推薦した山田君ってのはどの子かな?」
「あ、ぼくです」
すずが小さく手を上げて、存在を示した。
「斉賀君から話は聞いてる? じゃあどうかな? 生徒会の会計係は。色々と大変だけど僕もつばめくんもいるし、きっと楽しいよ!」
「はい。ぼくでよければ喜んで引き受けさせて頂きます」
「ありがとう! じゃ、決定ということで皆、拍手!!」
教室中からまばらな拍手が巻き起こった。
決めるのは一週間の猶予があったはずだけど、畳み掛け方がすごいな……もしかしてそういう作戦なんだろうか?(考える暇を与えないという)
そういえば、もう一人の生徒会役員候補はどうなったんだろう。
「橘先輩、首席の人はもう勧誘してきたんですか?」
「それが教室にいなくてね。クラスの子に聞いたら、六限目は保健室にいたみたいだ。バッグはあるから戻ってくると思うけど、体調が悪いみたいだし明日出直すことにしたよ」
「「え!?」」
思わず、すずと返事がハモった。そのまま顔を見合わせる。
さっき保健室に居たのって、オレたちだけじゃなかったのか。
そしたらオレたちが話してたこと、全部聞かれてたんじゃ……?
「でもせっかく一年生の教室まで来たことだし、斉賀君が苦戦してるかもって思って僕からも山田君にお願いしようとここに来たわけさ! まあ助けはいらなかったようだけどね!」
「あの……橘会長、もう一人の候補の名前を教えてもらえませんか? よかったら明日、ぼくが捜して勧誘してみます。同じ1年だし」
すずが言った。確かに、その方が話が早い気がする。
「ほんとかい? それは凄く助かるけど頼んじゃってもいいのかな……君達も東雲君とは初対面だよね?」
「任せてください、コミュ力には自信あるんで!」
「へえ、ホントに頼りになるんだね、山田君。朝比奈君の言ってた通りだ。斉賀君、山田君を推薦してくれてどうもありがとう」
「は、はい……!」
橘先輩は綺麗な笑顔をオレとすずに向けてくれて、オレはすずを推薦してよかったと誇らしい気持ちになったし、すずも照れくさそうな――嬉しそうな顔をしてみせた。
「もう一人の候補はA組の東雲千春君だ。ちょっと変わり者みたいに言われていたけど……ま、お任せするよ。勧誘が難しいと思ったら僕に知らせてくれるかい。朝比奈君でもいいよ、同じ寮生だから彼の方が会いやすいよね。――それで来週には全役員を正式に決定して、再来週のお昼の校内放送で生徒会と執行部の全メンバーの自己紹介をするから、そのつもりでよろしく」
さ、再来週? お昼の校内放送で自己紹介!?
なんだその、コミュ障にめちゃくちゃハードルが高そうな行事は……!
オレは無事にそのミッションをこなせるのだろうか。
「じゃ、僕はこれから愛するつばめくんのところへ行くから!」
「あ、はい。いってらっしゃいませ」
橘先輩はくるりと踵を返すと、ルンルンと軽い足取りで教室を出て行った。
「しののめ、ちはるくんか……」
東雲て、またしてもカッコイイ名前だ。
名前の通りのイケメンだろうか。
「ねえのんちゃん、絶対さっきのぼくらの会話聞かれてるよね? シノノメ君に。てか、シノノメってどういう漢字だろ?」
オレは黒板に『東雲』という漢字を書いてすずに教えてあげた。
知ってて良かった。
「説明する手間が省けたから逆に良かったんじゃないかな。今頃どうしようか考えてくれているかも」
「そうだね……。彼、ぼくたちの会話聞いてビックリしただろうね」
「ねー」
オレ達はふふふ……と謎の微笑みを交わした。
「――かくかくしかじかそんなわけで、朝比奈君に気にいられた斉賀君は生徒会執行部に推薦されたんだ!」
「そんなわけって、どんなわけですか?」
「ン? それは各々で察してくれるかい?」
「は、はい……」
適当すぎる説明に納得のいってないクラスメイトを笑顔で黙らせる橘先輩。
きっと橘先輩にツッコんでマトモに返してもらえるのは、つばめ先輩ただ一人に違いない。
「で、斉賀君が推薦した山田君ってのはどの子かな?」
「あ、ぼくです」
すずが小さく手を上げて、存在を示した。
「斉賀君から話は聞いてる? じゃあどうかな? 生徒会の会計係は。色々と大変だけど僕もつばめくんもいるし、きっと楽しいよ!」
「はい。ぼくでよければ喜んで引き受けさせて頂きます」
「ありがとう! じゃ、決定ということで皆、拍手!!」
教室中からまばらな拍手が巻き起こった。
決めるのは一週間の猶予があったはずだけど、畳み掛け方がすごいな……もしかしてそういう作戦なんだろうか?(考える暇を与えないという)
そういえば、もう一人の生徒会役員候補はどうなったんだろう。
「橘先輩、首席の人はもう勧誘してきたんですか?」
「それが教室にいなくてね。クラスの子に聞いたら、六限目は保健室にいたみたいだ。バッグはあるから戻ってくると思うけど、体調が悪いみたいだし明日出直すことにしたよ」
「「え!?」」
思わず、すずと返事がハモった。そのまま顔を見合わせる。
さっき保健室に居たのって、オレたちだけじゃなかったのか。
そしたらオレたちが話してたこと、全部聞かれてたんじゃ……?
「でもせっかく一年生の教室まで来たことだし、斉賀君が苦戦してるかもって思って僕からも山田君にお願いしようとここに来たわけさ! まあ助けはいらなかったようだけどね!」
「あの……橘会長、もう一人の候補の名前を教えてもらえませんか? よかったら明日、ぼくが捜して勧誘してみます。同じ1年だし」
すずが言った。確かに、その方が話が早い気がする。
「ほんとかい? それは凄く助かるけど頼んじゃってもいいのかな……君達も東雲君とは初対面だよね?」
「任せてください、コミュ力には自信あるんで!」
「へえ、ホントに頼りになるんだね、山田君。朝比奈君の言ってた通りだ。斉賀君、山田君を推薦してくれてどうもありがとう」
「は、はい……!」
橘先輩は綺麗な笑顔をオレとすずに向けてくれて、オレはすずを推薦してよかったと誇らしい気持ちになったし、すずも照れくさそうな――嬉しそうな顔をしてみせた。
「もう一人の候補はA組の東雲千春君だ。ちょっと変わり者みたいに言われていたけど……ま、お任せするよ。勧誘が難しいと思ったら僕に知らせてくれるかい。朝比奈君でもいいよ、同じ寮生だから彼の方が会いやすいよね。――それで来週には全役員を正式に決定して、再来週のお昼の校内放送で生徒会と執行部の全メンバーの自己紹介をするから、そのつもりでよろしく」
さ、再来週? お昼の校内放送で自己紹介!?
なんだその、コミュ障にめちゃくちゃハードルが高そうな行事は……!
オレは無事にそのミッションをこなせるのだろうか。
「じゃ、僕はこれから愛するつばめくんのところへ行くから!」
「あ、はい。いってらっしゃいませ」
橘先輩はくるりと踵を返すと、ルンルンと軽い足取りで教室を出て行った。
「しののめ、ちはるくんか……」
東雲て、またしてもカッコイイ名前だ。
名前の通りのイケメンだろうか。
「ねえのんちゃん、絶対さっきのぼくらの会話聞かれてるよね? シノノメ君に。てか、シノノメってどういう漢字だろ?」
オレは黒板に『東雲』という漢字を書いてすずに教えてあげた。
知ってて良かった。
「説明する手間が省けたから逆に良かったんじゃないかな。今頃どうしようか考えてくれているかも」
「そうだね……。彼、ぼくたちの会話聞いてビックリしただろうね」
「ねー」
オレ達はふふふ……と謎の微笑みを交わした。
17
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています
【完結】我が兄は生徒会長である!
tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。
名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。
そんな彼には「推し」がいる。
それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。
実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。
終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。
本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。
(番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる