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27、何もなかったけど朝チュン
朝、目覚めたら朝比奈先輩の顔が目の前にあった。
「………えぇッ!?」
驚きすぎて飛び起きた。
そうだ、オレは昨日朝比奈先輩の部屋に泊まって……キス以上は何もされなかったけど、ベッドが広いからってそのまま一緒に寝たんだった。
よく眠れたなオレ。
我ながら図太いというかなんというか。
大きな声を出したけど朝比奈先輩は起きなかったので、とりあえず寝顔をじっくりと堪能することにした。
こんなチャンス、なかなかないと思うし……!
朝比奈先輩は、寝顔だとすごく幼く見える。
奥二重で切れ長の目は、閉じられているとなんだか猫っぽい。
うすい唇に、鼻筋も通ってて普通に男前な顔付きだ。
普段は恐い人オーラとふざけた言動が混ざりあって、イケメンどころか変な人扱いになってるけど、こうやってまじまじと見ると……
「……寝顔もかっこいいとかずるい……」
でも、変な人扱いされてる方がいいのかもしれない。
朝比奈先輩がこんなにかっこいいんだってことがみんなにバレたら、近寄りがたいどころかファンだらけになってしまうし。
そうしたら、オレのことなんてどうでもよくなっちゃうかな……?
「ノンタンって結構直球だよなァ。俺様照れちゃうぜ……」
「へっ? お、おはようございます!」
いつのまにか朝比奈先輩の目が開いていて、オレを見つめていた。
「おはよ。寝込み襲ってくれても良かったのにな~、なかなか手ェ出してこないから起きちった」
「そ、そんなこと……」
できません!!
朝比奈先輩の寝込みを襲うなんて恐れ多い……!!
いやその前に、寝込みを襲うってどうやればいいのか分からない。
起き上がった朝比奈先輩は、上は黒いTシャツを着ていたが下は下着のみだった。
パンツはボクサータイプで、アレが大きくて思わず目のやり場に困る。
「俺も昨日はよく我慢したよなァ。自分を褒めてやりてェ~」
「は、はぁ……」
「まーちょっとはイタズラしたけどな。ノンタン爆睡だったから全然覚えてなさそうだけど」
「へ!?」
い、いたずら!?
起きないオレもどうかしてるけど、一体何をされたんだ……!?
「い、いたずらって……」
「ん~ヒミツ! そんなたいしたことはしてねェから安心しろって。やりすぎたらまた俺が我慢できなくなっちまうし」
「はう……」
「にしても、寝起きもかっわいいな~ノンタン!」
朝比奈先輩はオレをぎゅうっと抱き締めてきた。
オレは何故か自分が朝比奈先輩のお気に入りのぬいぐるみにでもなったような気分で、されるがままになっていた。
「……ん? ちょい待ち」
「はい?」
「ノンタンなんか身体熱くねェか? 平熱何度?」
「えっと……そんなに、高いほうじゃないですけど……」
むしろ普段から低体温だ。
筋肉があまり付いてない証拠でもある。
「ちょっと待ってろ、寮監に体温計借りてくっから」
「え!?」
朝比奈先輩は素早くスウェットの下を履くと、驚くほどの行動力で部屋を出て行った。
そして数分後に戻ってきた。
「やっぱ熱があんじゃねェか! 38度も!」
「ええ? 自分じゃ全然分からないんですけど……」
オレ、熱があるの?
でもなんとなく身体が熱い気がするのは、朝比奈先輩と一緒にいるからだと思ってた。
「しんどかったらこのまま寝ててもいいんだけどよ、俺の部屋食いモンほとんどねェし、自分の部屋の方がゆっくり休めるだろーから送ってくワ。朝飯はどーする?」
熱があるって意識した途端に頭が回らなくなってきたから、人間って不思議だ。
熱を測らなければ普通に登校してたと思うし。
朝はいつも食堂で食べるけど、あまり食べられる気がしない。
「え、えっと……部屋に冷凍ご飯があるので……」
「俺料理はからっきしなんだよなァ、あ、こけしっちに頼んでお粥的なモン作ってもらうか! まだ時間余裕あるし」
朝比奈先輩にもすずにも朝からそんな迷惑をかけるわけにはいかない――とかなんとか思ってるうちに、朝比奈先輩はオレを抱えてさっさと部屋に送り届けると、すずに事情を説明してお粥を作ってくれるようにお願いしていた。
は、早……。
「のんちゃんおはよう、体調大丈夫!? 昨日無理させられたんじゃない!? 朝比奈先輩、責任とってくださいよねえ」
「いやいやこけしっち、なんと俺は寝てるノンタンにチョット悪戯をしただけで何もヤッてねェんだよ、責任は取りたいけど」
何もしていない場合、なんの責任を取るんだろう……。
ていうかいったい何をされたのか本気で気になる。
「のんちゃんちょっと待っててね、お粥ってか卵雑炊でいい? すぐ出来るからね~、ついでにぼくも今日は部屋で食べようかな。朝比奈先輩はどーします?」
「え、俺も食っていいのか?」
「別に二人分も三人分も変わんないでしょ。大家族出身ナメんな~?」
「すげえ、こけしっち頼りになりすぎじゃね? 母ちゃんじゃん」
「ほんとにね、すずは凄いんですよ……」
きっと日本一割烹着とお玉が似合う男子高校生に違いない。(エプロンじゃなくて割烹着なのは最初は狙っていたらしいけど、その機能性に感動して今では割烹着じゃないと嫌らしい)
すずと朝比奈先輩の好意に甘えたオレは、雑炊をご馳走になったあと学校への緒連絡をすずにお任せして、部屋で休ませてもらうことにした。
ここ数日で色々ありすぎて疲れたんだよってすずは言った。
多分、そのとおりだと思う。
朝比奈先輩と出会って、執行部に入って、朝比奈先輩と恋人同士になって、吉永先生に反抗して、なんかすごく疲れた――。
でも。
「……オレも、少しは自分を褒めてあげようかな……」
元ヒキコモリにしてはとても頑張っている、と思う。
まだまだ足りないことも多いけど……
昨日も沢山寝たはずなのに、ベッドに横になったオレはすぐに眠りに落ちていった。
「………えぇッ!?」
驚きすぎて飛び起きた。
そうだ、オレは昨日朝比奈先輩の部屋に泊まって……キス以上は何もされなかったけど、ベッドが広いからってそのまま一緒に寝たんだった。
よく眠れたなオレ。
我ながら図太いというかなんというか。
大きな声を出したけど朝比奈先輩は起きなかったので、とりあえず寝顔をじっくりと堪能することにした。
こんなチャンス、なかなかないと思うし……!
朝比奈先輩は、寝顔だとすごく幼く見える。
奥二重で切れ長の目は、閉じられているとなんだか猫っぽい。
うすい唇に、鼻筋も通ってて普通に男前な顔付きだ。
普段は恐い人オーラとふざけた言動が混ざりあって、イケメンどころか変な人扱いになってるけど、こうやってまじまじと見ると……
「……寝顔もかっこいいとかずるい……」
でも、変な人扱いされてる方がいいのかもしれない。
朝比奈先輩がこんなにかっこいいんだってことがみんなにバレたら、近寄りがたいどころかファンだらけになってしまうし。
そうしたら、オレのことなんてどうでもよくなっちゃうかな……?
「ノンタンって結構直球だよなァ。俺様照れちゃうぜ……」
「へっ? お、おはようございます!」
いつのまにか朝比奈先輩の目が開いていて、オレを見つめていた。
「おはよ。寝込み襲ってくれても良かったのにな~、なかなか手ェ出してこないから起きちった」
「そ、そんなこと……」
できません!!
朝比奈先輩の寝込みを襲うなんて恐れ多い……!!
いやその前に、寝込みを襲うってどうやればいいのか分からない。
起き上がった朝比奈先輩は、上は黒いTシャツを着ていたが下は下着のみだった。
パンツはボクサータイプで、アレが大きくて思わず目のやり場に困る。
「俺も昨日はよく我慢したよなァ。自分を褒めてやりてェ~」
「は、はぁ……」
「まーちょっとはイタズラしたけどな。ノンタン爆睡だったから全然覚えてなさそうだけど」
「へ!?」
い、いたずら!?
起きないオレもどうかしてるけど、一体何をされたんだ……!?
「い、いたずらって……」
「ん~ヒミツ! そんなたいしたことはしてねェから安心しろって。やりすぎたらまた俺が我慢できなくなっちまうし」
「はう……」
「にしても、寝起きもかっわいいな~ノンタン!」
朝比奈先輩はオレをぎゅうっと抱き締めてきた。
オレは何故か自分が朝比奈先輩のお気に入りのぬいぐるみにでもなったような気分で、されるがままになっていた。
「……ん? ちょい待ち」
「はい?」
「ノンタンなんか身体熱くねェか? 平熱何度?」
「えっと……そんなに、高いほうじゃないですけど……」
むしろ普段から低体温だ。
筋肉があまり付いてない証拠でもある。
「ちょっと待ってろ、寮監に体温計借りてくっから」
「え!?」
朝比奈先輩は素早くスウェットの下を履くと、驚くほどの行動力で部屋を出て行った。
そして数分後に戻ってきた。
「やっぱ熱があんじゃねェか! 38度も!」
「ええ? 自分じゃ全然分からないんですけど……」
オレ、熱があるの?
でもなんとなく身体が熱い気がするのは、朝比奈先輩と一緒にいるからだと思ってた。
「しんどかったらこのまま寝ててもいいんだけどよ、俺の部屋食いモンほとんどねェし、自分の部屋の方がゆっくり休めるだろーから送ってくワ。朝飯はどーする?」
熱があるって意識した途端に頭が回らなくなってきたから、人間って不思議だ。
熱を測らなければ普通に登校してたと思うし。
朝はいつも食堂で食べるけど、あまり食べられる気がしない。
「え、えっと……部屋に冷凍ご飯があるので……」
「俺料理はからっきしなんだよなァ、あ、こけしっちに頼んでお粥的なモン作ってもらうか! まだ時間余裕あるし」
朝比奈先輩にもすずにも朝からそんな迷惑をかけるわけにはいかない――とかなんとか思ってるうちに、朝比奈先輩はオレを抱えてさっさと部屋に送り届けると、すずに事情を説明してお粥を作ってくれるようにお願いしていた。
は、早……。
「のんちゃんおはよう、体調大丈夫!? 昨日無理させられたんじゃない!? 朝比奈先輩、責任とってくださいよねえ」
「いやいやこけしっち、なんと俺は寝てるノンタンにチョット悪戯をしただけで何もヤッてねェんだよ、責任は取りたいけど」
何もしていない場合、なんの責任を取るんだろう……。
ていうかいったい何をされたのか本気で気になる。
「のんちゃんちょっと待っててね、お粥ってか卵雑炊でいい? すぐ出来るからね~、ついでにぼくも今日は部屋で食べようかな。朝比奈先輩はどーします?」
「え、俺も食っていいのか?」
「別に二人分も三人分も変わんないでしょ。大家族出身ナメんな~?」
「すげえ、こけしっち頼りになりすぎじゃね? 母ちゃんじゃん」
「ほんとにね、すずは凄いんですよ……」
きっと日本一割烹着とお玉が似合う男子高校生に違いない。(エプロンじゃなくて割烹着なのは最初は狙っていたらしいけど、その機能性に感動して今では割烹着じゃないと嫌らしい)
すずと朝比奈先輩の好意に甘えたオレは、雑炊をご馳走になったあと学校への緒連絡をすずにお任せして、部屋で休ませてもらうことにした。
ここ数日で色々ありすぎて疲れたんだよってすずは言った。
多分、そのとおりだと思う。
朝比奈先輩と出会って、執行部に入って、朝比奈先輩と恋人同士になって、吉永先生に反抗して、なんかすごく疲れた――。
でも。
「……オレも、少しは自分を褒めてあげようかな……」
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