好きです、朝比奈先パイ。~元引きこもりの美少年、陽キャヤンキー先輩に溺愛される~

すずなりたま

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32、清白、東雲千春の捜索を開始する

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 違うクラスって、覗くだけでもちょっとドキドキするよね~。
 『なんだアイツ』と不振がられる前に、ぼくはA組の人に声をかけた。

「あのー、東雲君っている? ぼくはC組の山田だけど」
「え、東雲? 東雲は……今居ないみたいだけど。あいつ休み時間のたびにどっか消えるんだよな」
「そーなんだ……」

 うへぇ、校内を探すところから始めなきゃいけないの!?
 適当に声かけて、今日は一緒にランチ食べるつもりだったのになぁ。

「お前って、C組のピンク髪美少女といつも一緒にいるやつだよな」
「え、そうだけど?」

 のんちゃんは目立つから、他のクラスの人にも知られちゃってるらしい。
 そしていつも一緒にいるぼくもそれなりに知られている、と……
 もう今更目立ちたくない、と思うのは遅かったか。

「あの子めちゃくちゃ可愛くね!? 今付き合ってる奴とかいるのかな」
「いるよぉ、あんな可愛い子がフリーなわけないじゃん」
「まじかぁ~、ま、そーだよな。ちなみに相手って誰?」

 うわあ、ゲスい顔するなぁ……あわよくば奪おうとでも思ってんのかな。
 でも君では到底無理でしょう。

「2年の朝比奈柊馬先輩だよ」
「あさひ……ぅえっ!?」

 ピシッと彼の表情が凍りついた。
 朝比奈先輩効果がまた見事に立証された瞬間だな。
 ちょっと面白いまである。

「東雲君のこと教えてくれてありがと! じゃあね!」

 さて、東雲君はどこにいるのかな。
 昼休みだし、保健室にいるってことはないだろう……と思う。
 思考を遮るように、ぼくの腹からグウ~と低い音がした。
 
 とりあえず、腹ごしらえから先にしますか。
 今日は天気もいいし、パンでも買って裏庭に行こう。
 ぼくは込み合っている購買で惣菜パンと菓子パンを買い、自販機でいちご牛乳を買った。
 そういえば甘党なところもぼくとのんちゃんの共通点で、今度の休みは街に出てケーキバイキングに行こうと約束までしている。
 4月の屋外はまだ少し肌寒いけど、そのぶん人気がないので丁度いい。
 ぼくは裏庭の空いているベンチに座り、うきうきと一人ランチを始めた。

 それにしても東雲君はどこにいるのだろうか。
 入学したばかりだし、一年生が一人で行ける場所なんて校内じゃ限られている、と思うんだけど。
 保健室か、裏庭か、屋上か……あ、トイレ?
 いやいや、いまどき便所飯はさすがにないよね……?

「ここで会ったが百年目!! 山田清白ォッ!!」
「ん?」

 顔をあげたら、今朝ぼくに死ねって言ってきたオネエさんがいた。
 その背後には知らない人が四人いて、何故か全員もれなく頭に包帯を巻いている。

「えっ、包帯戦隊? コスチューム? だっさ!」
「ち、違うわよ!! 今朝はよくも途中から無視してくれたわね……許さないって言ったでしょ! 今からアンタをボコボコに痛めつけて、生徒会役員を辞退させてやるんだから!!」
「え……一人に対して5人がかりで? 卑怯すぎない?」
「卑怯なのはアンタよ!! 朝比奈柊馬に後ろから見張らせてるなんて超ありえないんだけど!! おかげで四人はこのザマよ!」

 ああー! なんとなく予想できたけどやっぱり朝比奈先輩にやられたキズなのかぁ。
 全員頭やられてるとかこっわぁ。
 でも朝比奈先輩がやらなければぼくがこいつらにやられてただろうから、一切同情はできません。

「いま朝比奈はどこっ!?」
「ちょうど今は寮のほうに帰ってるみたいよ!」

 なぜそれを……絶対1年C組にスパイいるだろ。

「ふっふっふ……じゃあ今がホントにチャンスみたいね! 朝比奈のついでに斉賀希もいないみたいだし」
「え? のんちゃんが何か関係あるの?」

 もしのんちゃんがここにいたとしても、戦力はさして変わらないと思うんだけど……。

「ふん、何も知らないのね。執行部が暴力行為を取り締まれるのは現行犯だけって決まってるのよ! だからアンタがあとから朝比奈や斉賀に泣きついても無駄ってこと! わかったらおとなしくアタシ達の餌食になりなさい!!」

 そんな法律……いや規則? があったのか。
 のんちゃんに聞いてわりと知ってるつもりだったけど、執行部って本当に校内警察っていうか、権力凄いんだなぁ……。
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